【No.220 2017年6月17日】
《 通常国会を振り返って 》
昨日、第193回国会が事実上、閉会しました。参議院国会対策委員長として初めて迎えた国会でありましたが、同僚先輩議員はじめ多くの皆様に支えて頂き、150日間の会期を終えることができました。心より感謝申し上げます。
今国会、新規提出法案の成立率は95.5%、条約の成立率は100%という成果を残すことができました。
最大の重要法案であったテロ等準備罪を新設した改正組織犯罪処罰法は、15日早朝に成立しました。国際社会と連携し、テロ行為を未然に防いでいくためにも、極めて重要な法制です。同法の成立を受けて、速やかに国際組織犯罪防止条約を締結すべきです。
参議院では公明党の秋野法務委員長のもと、丁寧に審議を進めてきましたが、民進党と共産党は、さしたる理由もなく法務委員長解任決議案や法務大臣問責決議案を乱発し、2度に渡り定例日の委員会審議を拒否し、他の野党少数会派の質問まで取りやめさせるという暴挙に出ました。そうした審議拒否、採決拒否、廃案ありきの姿勢が強まり、法務委員会での通常の採決がとてもできるような状況ではありませんでした。
そこで国会法に基づき、委員会採決を省略し、本会議で中間報告を行った後に採決したことはやむを得ない対応でした。法案成立後も、法制の意義や内容を政府与党で丁寧に説明を続ける努力をしてまいります。
国会で成立した63本の法律(内閣提出)の中には、例えば、性犯罪を厳罰化する刑法をはじめ、福島復興再生、給付型奨学金、住宅セーフティネット、農業の収入保険制度に関する法律など、公明党が推進してきたものが数多く含まれています。
さて、国対委員長として、今国会の質疑全般を通じて気になったことは、一部の野党が週刊誌の中つり広告を見て質問しているのではないかと疑うほど、政策論から離れた表面的な論戦が目立ったことです。
各委員会での法案審査は、議員の質問権を行使する貴重な舞台ですが、法案とは無関係な森友学園や加計学園の質問を繰り返す場面が最後まで多かったことは極めて残念です。
もちろん納得がいく丁寧な説明を十分果たしてない政府にも責任があります。しかし、国会が今注力すべきなのは、北朝鮮の核ミサイル問題や国内経済、国際政治経済、働き方改革など、国家の安全や国民の生活に直結する課題なのではないでしょうか。
テロ等準備罪の法案審議では、「一億総監視社会」、「現代版・治安維持法」といったありもしないことを盛んにレッテル貼りするのではなく、どうやって人権を守りつつ、テロを起こさせないようにできるかの建設的な議論をすべきだったのではないでしょうか。
民進党は、昨年、党首が提案型の政党を目指すと宣言しながら、結局は変わっていません。今国会中に一度も党首討論が開催されませんでしたが、与党から呼びかけても野党からはかばかしい返事がないというありさまでした。
いよいよ東京都議選の告示を来週迎えます。何としても23名の予定候補者全員の当選を勝ち抜いてまいります。
(谷あい)