【No.189 2016年1月23日】
《 杉原千畝の足跡 》
皆さん、こんにちは。谷あい正明です。
一昨日、「勇気の証言 ホロコースト展─アンネ・フランクと杉原千畝の選択」の広島展オープニングに出席しました。杉原氏のご親族にもご挨拶することができました。
昨秋、中東訪問の折に、エルサレムにあるホロコースト犠牲者のイスラエル国立追悼記念館を訪れました。杉原氏は「諸国民の中の正義の人」として顕彰されています。
映画「杉原千畝」をご覧いただいた方も多いかと思います。リトアニア勤務だった外交官の杉原氏は、第二次世界大戦中、本省の考えに従わず、自身の判断で6000人分の日本
通過ビザを発給。
当時、敦賀港に着いたユダヤ避難民は、温かく迎え入れた敦賀の住民の対応に「天国だ」と証言しています。命が救われた子孫は世界に数万人に広がっているとも言われています
。
日本外務省が杉原千畝を評価するようになったのは1991年以降になります。実は今、外務省の大臣応接室の待合室の一角に、2006年にリトアニア政府から寄贈された命の
ビザのレプリカが掲げられています。外務大臣に政策の申し入れを行う際には必ず目にします。
昨年1年間の我が国への難民申請数は前年に比べ2500人増加し、過去最多の7500人超を記録。難民認定数は、前年に比べ16人増加し、27人でした。
なお、内戦のシリアから日本へ渡り、日本で難民申請する避難民は、地理的要因があり、昨年1年間で一桁です。その中でシリアからの避難民は全員、難民認定もしくは人道配慮
で、国内で保護されています。
国際社会が抱える難民問題にどう関わっていくべきか、杉原千畝にどう学ぶのか。改めて今「人道」の危機をどう克服するのか、自分自身が問われていると思いました。
(谷あい)