【No.104 2011年10月21日】
《 厚生年金支給年齢の引き上げについて 》
皆さん、こんにちは。谷合正明です。
昨日、臨時国会が開会しました。今国会には本格的な復興予算である3次補正予算案など重要案件が多くあり、極めて重要な国会論戦になります。
さて先週からメールや支部会などで寄せられる声が、「年金は大丈夫なのか」です。
厚生労働省が厚生年金の支給開始年齢を65歳から、68〜70歳に引き上げることを検討したと報道されたことが発端になったものです。
この件に関し、坂口元厚生労働大臣に聞きましたので、Q&A方式でまとめたいと思います。
Q 2004年の100年安心年金プランはウソだったのか?
A 厚労省は68歳に引き上げようとは考えていない。
Q 誰が引き上げを言っているのか?
A 与謝野元大臣のもとで、社会保障と税の一体改革をとりまとめた審議会の委員の中に、引き上げ論者がいる。会合の折に、そうした意見が出された。
Q 年金財政はどうなっているのか?
A 04年の制度改正にもとづき、09年に行った財政検証によると、年金財政は順調だ。
Q 具体的には?
A 年金積立金は、変動があるにせよ直近の09年度で、当初見込みよりプラス4兆円(厚生年金)も改善されている。また出生率は最も低かった1.26から1.39にまで回復している。
Q 不安要因はないのか?
A あるとすれば、デフレの経済状況で、当初見込みより賃金が下がっているので、その分、保険料収入がさがっていることだ。
Q 支給年齢を引き上げる必要はあるのか?
A 厚生年金の65歳支給開始は04年改革での国民との約束。65歳からの支給でも100年先まで大丈夫なように設計した。現在、65歳へと段階的に引き上げているところ。制度を変え、さらに引き上げる理由はない。経済界、労働界の委員からも強い反発にあっている。
Q 民主党の考えは?
A 年金一元化について、相当な財源を必要とすることに気付いたが、完全にあきらめていないようだ。支給年齢を引き上げて、年金総支給額を引き下げることで、一元化への可能性を少しでも高めようという意図があるのではないか。
以上のように「検討」の域を出ないような話ですが、年金制度破たんをあおるようなメディアもあり、国会論戦の中で、党として厚生労働大臣、政府に質していく予定です。
(谷あい)