【No.102 2011年9月23日】
《 シカが夕張メロンを食べる!? 》
皆さん、こんにちは。谷合正明です。
大型台風15号が列島を縦断し各地に大きな爪痕を残しました。被災された皆様には心からお見舞い申し上げます。
実は、私も交通の乱れに巻き込まれながら、岡山から東京、岩手、北海道へと移動しておりました。
岩手県久慈市では、震災後の中小企業や漁業再生の課題について調査。昨日は、党鳥獣被害対策PT座長として、北海道夕張市で野生動物による農作物被害を調査しました。
野生鳥獣による農作物被害額は全国で年間200億円程度。イノシシ、シカ、サルの被害が全体の約7割を占め、一番被害が大きいのが北海道です。
北海道では、特にエゾシカによる被害が急増しています。数年前から、夕張では特産のメロンがターゲットに。シカも贅沢なものです。
人里に出没するシカが増えてきたことで、ヒグマも出没するようになり住民生活にも影響を与えています。
4年前に成立した鳥獣被害防止特措法にもとづき、鳥獣被害対策実施隊も設置できるようになりましたが、猟師の不足・高齢化などにより全国で設置が87市町村にとどまっています。
夕張地域でも、現状のエゾシカの捕獲数では追いつかず、抜本的対策が求められております。また捕獲してもその後の処理が大変な負担になっていることも分かりました。
農家の方によると、電気柵も防御策として有効だが、その結果、シカが柵のない地域に移動し、新たな被害が生じているという実態も聞きました。
鳥獣被害は、単に農作物の被害にとどまらず、営農意欲の減退、耕作放棄地の増加など、農村地域に深刻な影響を与えています。
鳥獣被害は、世界の中で日本特有の現象とのこと。背景には様々な要因がありますが、対症療法ではない、総合的な対策樹立のために、今後とも調査を続けてまいります。
(谷あい)