【No.59 2010年9月24日】
《 児童虐待を防げ 》
こんにちは。谷合正明です。
先日(21日)、岡山市こども総合相談所(児童相談所)を訪れ、児童虐待の現状と課題について聞いてきました。
(概要・状況)
この児童相談所に寄せられる相談内容の1割ほどが虐待に関すること。虐待を受けている児童は、小学校就学前までが6割。かつては身体的虐待が多かったが、今はネグレクト(育児放棄)が6割を占める。虐待対応については、強制的な立ち入り調査に至った例はない。
(要望)
児童相談所のスタッフを増強すること。最前線で働く児童福祉司は、虐待の案件だけでも一人当たり100事例を超している。
もう一つは社会的介入(親子分離)と援助(親指導・支援)という矛盾した役割を児童相談所が担っており、米国のように強制的介入は別の機関が対応する必要があるのではないかということ。
地域住民には何を期待するかとの問いに、「虐待の兆候があれば、ためらわず通報してほしい」とのこと。
(所感)
児童相談所だけでなく、学校や医療機関、また地域社会などの連携強化がないと、虐待の発生予防、早期発見・予防、在宅支援、保護、アフターケアはうまくいかないと感じました。
現在の児童相談所のように、体制が弱いまま権限と責任をゆだねても、十分に対応しきれない。また児童相談所のスタッフの専門性も求められています。
(公明党の取組み)
2000年の児童虐待防止法の制定、08年には同法の改正で、児童相談所が裁判上の許可を得た上で強制的に立ち入り調査ができる権限が与えられました。
今年に入って、大阪の事件をきっかけに、虐待が疑われている親子の氏名が分からなくても出張要求ができるように改善しています。
また緊急経済対策でも「児童虐待防止対策緊急強化基金」を盛り込み、スタッフの増強を要求しています。公明党は「新しい福祉」を掲げ、「児童虐待死ゼロ」に向けて取り組んでまいります。
(谷あい)