2024年07月07日 2面
旧優生保護法に基づき、障がいなどを理由に不妊手術を強制されたとして、被害者らが国に損害賠償を求めた訴訟の上告審判決で、最高裁大法廷は3日、同法の規定を違憲とし、国の賠償責任を認めました。
同判決を踏まえ、公明党の山口那津男代表は4日の党中央幹事会で、「立法府として過去を振り返って厳しく反省するとともに、当事者におわびの気持ちを持って救済措置を直ちに取るべきだ」と強調しました。
山口代表は、旧優生保護法が個人の尊重を定めた憲法13条、法の下の平等を定めた憲法14条に違反すると裁判官全員一致で示されたことに言及。「司法から立法府、行政府に対する厳しい審判が下ったと受け止める」との認識を示した上で、早期救済に向け「党の体制を一新してしっかりと取り組んでいく」と述べました。
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一方、性同一性障害特例法が定める性別変更に必要な要件を巡って最高裁が、生殖能力をなくす「生殖不能要件」を違憲と判断していることなどについて、公明党性的指向と性自認に関するプロジェクトチーム(PT)の谷合正明座長(参院幹事長)は3日、衆院第2議員会館で記者会見し、同法の早急な見直しに向けた党の見解を公表。生物学的な性と心理的な性の不一致で苦しむ人に寄り添いながら、社会の不安を取り除くため、議論の方向性として、生殖不能要件の削除、「外観要件」の見直しと新たな要件の検討など4点を示しました。
これを踏まえ、山口代表は党中央幹事会で「自民党の取り組みも促しながら、早急な立法措置を取る必要がある。次の国会で、スピード感を持って与野党の合意形成に取り組みたい」と訴えました。