2024年07月06日 1面
■政府のオブザーバー参加促す
公明党の山口那津男代表は5日午後、衆院第2議員会館で、一般社団法人「核兵器をなくす日本キャンペーン」の和田征子副代表理事(日本原水爆被害者団体協議会事務局次長)、川崎哲専務理事(核兵器廃絶国際キャンペーン=ICAN=国際運営委員)らの表敬を受け懇談し、核廃絶の取り組みを共に前進させていく方針で一致した。党核廃絶推進委員会の谷合正明委員長(参院幹事長)、平林晃事務局長(衆院議員)が同席した。
席上、和田副代表理事は「核兵器のない世界」の実現に向けて、公明党がNGOと政府の橋渡し役を担っていることや、核兵器禁止条約のオブザーバー参加を日本政府に訴え続けていることに触れ、「力強い推進に心から感謝申し上げたい」と表明。来年は広島・長崎への原爆投下から80年となることから「あらゆる機関や団体と力を合わせて核廃絶の取り組みを大きく前進させていきたい」と述べ、協力を求めた。
山口代表は、今年8月に広島市で各党の代表らを招いて開かれる討論会に出席する意向を表明。核なき世界の実現に向け「道のりは決して平たんではないからこそ、粘り強く行動し訴え抜くことが重要だ。その道を切り開くため、共に頑張りたい」と応じた。
川崎専務理事は、来年3月に核禁条約第3回締約国会議が開かれる予定であることに触れ、核兵器の被害者援助と環境修復の仕組みや、国際信託基金のあり方を巡り「政府や議員の皆さんが議論に参画できる道筋を示すため、情報の収集や発信を展開していきたい」と述べた。また日本キャンペーンは「いわばICANの日本版だ」として、政治的信条や世代を超えて多くの団体とつながり、核廃絶という目標達成のために活動を展開していく考えを強調した。
日本キャンペーンは今年4月、NGOや被爆者団体でつくる「核兵器廃絶日本NGO連絡会」を母体に発足。被爆85年となる2030年までに、核禁条約への日本の批准をめざす。実現に向けては、①核禁条約締約国会議へのオブザーバー参加②「条約参加をめざす」という政治宣言③東アジアの緊張緩和――などを政府に働き掛けていく方針だ。