2023年08月17日 1面
【マニラ16日=所正夫】公明党の山口那津男代表を団長とする党東南アジア諸国連合(ASEAN)訪問団は16日午後、最初の訪問先であるフィリピンの首都マニラに到着し、フェルディナンド・マルコス大統領と大統領府で和やかに会談した。党訪問団の浮島智子政務調査会副会長(衆院議員)、谷合正明広報委員長(参院幹事長)が同席した。
席上、山口代表は、マルコス大統領との会談が設けられたことに謝意を表明。日本とフィリピンは海でつながる隣国であり、深い友好の歴史を有しているとの認識を示した上で、「今年2月に大統領が来日したことで、友好関係をさらに大きく強く深めることができた。こうした取り組みをこれからも一層強化していきたい」と強調した。
また、山口代表は、マルコス大統領のリーダーシップによって、インフラ整備などを推進するための「マハリカ投資ファンド設置法」が成立したことを踏まえ、「同ファンドが透明性・独立性を持った機関として、投資が一層進むことを期待する」と述べた。
マルコス大統領は「今回の訪問を通じて2国間の関係がさらに進展し、深くなっていくことを期待する」とあいさつ。「日本とフィリピンは極めて近い関係であり、われわれは常に国政を進めるのに際して日本とのパートナーシップを重視してきた」と語った。
その上でマルコス大統領は、これまで開発や貿易が中心だった日本とフィリピンの協力関係を、さらに進展させたいと表明。「単なる貿易やビジネスだけでなく、安全保障や防衛分野でも協力を進めたい」と訴え、「両国における政府間はもちろん、議員間の交流が重要だ。幅広い協力を進めることが大切だ」との認識を示した。
これに対して山口代表は、フィリピンが上位の中所得国として発展するように日本として全面的に支援していきたいと表明。海上保安分野のほか、農業分野なども含めて幅広い国の基礎をつくることに貢献していきたいと述べた。
■ズビリ上院議長を表敬
マルコス大統領との会談後、山口代表は、ミゲル・ズビリ上院議長と会談。上院議場でズビリ議長から「ようこそいらっしゃいました」と紹介を受け、出席した議員らから歓迎を受けた。
山口代表らは、交通インフラの整備や観光を所管する国土交通相を公明党から輩出していることを紹介し「協力を進められるようにしたい」と述べた。