2021年2月4日 1面
公明党の斉藤鉄夫副代表は3日、国土交通省で赤羽一嘉国交相(公明党)と会い、広島市安佐南区山本地区の「祇園団地」における土砂災害対策を強化するため、大雨で流れる土砂をせき止める「砂防ダム」を、同団地の裏山に整備するよう求める地域住民の要望書を手渡した。赤羽国交相は「すぐに対応する」と述べ、整備を進める意向を表明した。
席上、斉藤副代表は、77人が亡くなった2014年の広島土砂災害に言及。「(同団地内に)土石流により大量の土砂が流入した。その後も大雨のたびに泥水が流入している」と指摘し、被害が発生するごとに住民による撤去作業が行われてきたと説明した。その上で、「住民の不安は大きい。安全・安心確保のため、早急な整備が必要だ」と訴えた。
また、要望書では、計画中のものも含め、国の直轄事業として山本地区内で整備が進められている11基の砂防ダムの早期整備も要請した。
要望には、谷合正明参院幹事長も同席した。
■「警戒区域」の指定で前進
斉藤副代表は、広島土砂災害の発災当日に安佐南区へ急行。以来、被災者支援に奮闘してきた。党土砂災害防止法改正検討プロジェクトチームの座長を務め、法改正をリード。「土砂災害警戒区域」の指定の前提となる基礎調査が加速した。
一方、祇園団地に関しては、谷状の地形でないことから警戒区域に指定されていなかった。このため、住民から砂防ダム整備の要望が上がっていたものの、警戒区域の未指定が障害となり、国や県の整備計画に盛り込まれてこなかった。
住民から切実な訴えを聴いた斉藤副代表は、警戒区域指定に向け、広島県に現地調査を要請した結果、昨年12月、警戒区域に指定された。