2021年1月30日 1面
公明党の山口那津男代表らは29日、東京都新宿区を訪れ、ネットカフェで寝泊まりする人らに対して生活や居住、就労支援などを行う都の「TOKYOチャレンジネット」事業の担当者と会い、2回目の緊急事態宣言後の生活困窮者への支援状況や課題について意見交換した。山口代表は、実態をつかみ現場に届く支援に取り組むと力説した。
都は、昨年の緊急事態宣言でネットカフェが休業要請の対象となったことを受け、同事業を拡充し、住居を失った人に対する一時宿泊施設の提供を開始。都議会公明党の要望も踏まえ、都内での生活期間6カ月以上とする要件を緩和するなど、幅広い受け入れを実施してきた。
同事業の小田智雄所長は、昨年4~12月までの同事業の登録者数が1209人に上ることを踏まえ「2020年度の利用者は前年度の倍になる見込みだ」と指摘。また、前回の緊急事態宣言時ではネットカフェで寝泊まりする人の利用が多かったとする一方、今回は仕事が減り家賃を払えなくなった飲食店関係者らの利用が増えていると述べた。
■うつ、DVの対応も必要
利用者について小田所長は「うつ状態になっている人が多い。女性ではDV(配偶者などからの暴力)被害が増えている傾向があり心配だ」と強調。「先行きが見通せない不安が大きい」として、さらなる支援の必要性を訴えた。
視察後、山口代表は、生活が困窮した相談者を救済し、さらに自立に向かうことができる同事業の意義を踏まえ、周知を強化する必要性を強調し「こうした拠点への支援を充実させていく」と述べた。
視察には、公明党の生活支援プロジェクトチーム(PT)座長の山本香苗参院議員、自殺防止対策PT座長の谷合正明参院幹事長、まつば多美子、古城まさおの両都議、竹平ちはる江戸川区議、かまた悦子党都本部女性局次長が同行した。