2018年11月08日 1面
今年相次いだ自然災害からの復旧・復興費用などを盛り込んだ2018年度補正予算が7日、参院本会議で全会一致で可決し、成立した。補正予算の総額は9356億円で、公明党の強い要望を受け、被災者の生活・なりわい再建や公立小中学校の普通教室にエアコンを設置するための費用などが計上された。
具体的には西日本豪雨や大阪府北部地震、台風21号、北海道胆振東部地震などからの復旧・復興費用として合計7275億円を計上した。災害廃棄物処理のための費用や、グループ補助金による中小企業の再建、関西国際空港連絡橋の復旧支援のほか、学校施設の災害復旧などが含まれる。
学校の緊急安全確保対策には1081億円を確保。このうち、熱中症対策として公立小中学校などの普通教室全てにエアコンを設置するため、822億円を充てた。対象は未設置の約17万教室となっている。
公明党の石田祝稔政務調査会長は同日、国会内での記者会見で、18年度補正予算に学校施設へのエアコン設置費用が盛り込まれたことに触れ、「(今後は)市町村で補正予算などを組んでもらい、対応していかなければならない。来年の夏休み前までにはしっかりと体制が整えられるようにしたい」と訴えた。
このほか、公立小中学校などの倒壊の危険があるブロック塀の改修には259億円が計上された。
■谷合、平木氏 生活再建に全力
本会議に先立ち、同日の参院予算委員会で締めくくり質疑を行った公明党の谷合正明氏は、西日本豪雨などの被災者が今なお避難所生活を余儀なくされている現状に触れ、「一日も早い住まいの確保が必要だ」と強調。その上で、災害発生後に速やかな設置が可能で、トレーラーで運べる「モバイル(移動)型」仮設住宅が岡山県倉敷市で導入されたことに触れ、「今後、普及を検討すべき」と述べた。
山本順三防災担当相は「発災後に迅速に供給できるように取り組んでいきたい」と応じた。
続いて賛成討論に立った公明党の平木大作氏は、「補正予算は被災者の生活と、なりわいの再建を加速・拡充するものであり、速やかな執行が求められる」と訴えた。