谷合正明参院議員が質疑に立った模様が、このたび公明新聞に掲載されましたので、転載します。
PKOの貢献さらに
駆けつけ警護の必要性強調
核廃絶へ首相「国連に新決議案を提出」
参院特委で谷合氏
30日の参院平和安全法制特別委員会で公明党の谷合正明氏は、国連平和維持活動(PKO)協力法を改正し、日本の貢献を広げる意義を確認した。
冒頭、谷合氏は平和安全法制の基礎となる昨年7月の閣議決定に、平和国家を堅持し、非核三原則を貫くことが明記されたと強調。安倍晋三首相に対し、8月6、9日に広島、長崎の両被爆地を訪れるとともに、「核軍縮、核廃絶の決意のメッセージをしっかりと発信してほしい」と訴えた。
安倍首相は、「被爆70年にふさわしい新たな核兵器廃絶決議案を今年の国連総会に提出する」と表明し、国際社会の取り組みを主導する決意を述べた。
PKO法改正について谷合氏は、自身が所属していたNGOがルワンダ難民キャンプ(現コンゴ共和国のゴマ郊外)に医療スタッフを派遣した際、群衆に囲まれてトラックが奪われ、近くにいた自衛隊に保護された事案を紹介。現行法が、要請に基づく駆け付け警護を認めておらず、自衛隊が「救出」ではなく「輸送業務」と位置付けて実施した事実を挙げ、法改正の必要性を強調した。その上で、駆け付け警護が可能な範囲をただした。
石川博崇防衛大臣政務官(公明党)は、「駆け付け警護は本来、安全確保を担わない施設部隊等が通常有する装備等(武器など)を前提に、緊急の要請に応じて実施する」と説明。「拉致、監禁されたような活動関係者の救出・奪還を行うようなことは想定されていない」と答弁した。
また谷合氏は、「いったんPKOに自衛隊を派遣すると撤退できない」とする意見を念頭に、過去の活動で主体的に任務を終了した例があるかを確認。中谷元防衛相は、ゴラン高原で国連や関係国の理解を得て撤収した事例を紹介した。
一方で谷合氏は、改正案で国連が統括しないPKO類似の活動への自衛隊参加を認めた意義を聞いた。
中谷防衛相は、近年の国際的な平和協力活動の取り組みが、「国連のPKO以外の枠組みにおいても実施されるようになってきている」と指摘。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)や欧州連合(EU)の活動に、停戦合意や紛争当事国の受け入れ合意など、PKO参加5原則と同様の厳格な原則を満たす場合に限って参加を検討する考えを示した。
谷合氏は、非国連統括型PKOは「リスクが高い」との批判に対し、「参加5原則がそのまま当てはまっており、国連PKOに比べて危険度が高いということではない」と訴えた。
(公明新聞:2015年7月31日(金)付より転載)