公明新聞中国版「谷あいのEYE」⑤(6月13日付)でも取り上げましたが、大企業を中心とした「新卒」優先採用という雇用慣行の見直しについて一言。
今春、大学を卒業した学生で、就職できなかった(しなかった)人が10万人を超えています。これは、就職活動に有利な「新卒」の立場を続けるため、あえて今春は留年した学生が少なくないことが反映しています。
私は3月12日の参院予算委員会で、この問題を取り上げ、「新卒採用の機会が一生に一度しかないというような硬直的な慣行はやめるべきだ」と主張しました。これには、与野党各党の出席委員からも、「その通りだ」との賛意をいただきました。
さらに、「それを民間に任せるのではなくて、行き過ぎた慣行を是正するよう政府はリーダーシップを発揮すべきだ」と述べました。
これに対して、長妻昭厚生労働相は「法律に基づいて指針が出ている。新卒でなくても、新卒予定者の採用枠に応募できるような応募条件を設定してくださいという指針を出している」と木で鼻をくくったような答弁。私は「指針と実態があまりにもかけ離れているから提起している。そのような答弁では直らない」と反論しました。
鳩山首相(当時)も長妻大臣も、就職に苦しんでいる若者の気持ちが全く分かっていない。私は怒りがこみ上げてきました。一人の学生にとっては、新卒時が、たまたま不況だった、〝就職氷河期〟だった、アンラッキーだった、では済まされない一生の問題です。年功序列・終身雇用という日本独特の労働慣行も崩れはじめており、新卒一括採用という慣行も見直す時期にきています。
「卒業後3年間は新卒扱い」への法整備に取り組むとともに、就職活動の早期化(大学3年生の秋頃から)の見直しも含め、企業、大学へ新ルールの検討を要請していきたいと思います。
(谷あい正明)