谷合参院議員が11月7日に、四国旅客船協会、国道フェリー、四国フェリーを視察した際の記事が公明新聞に掲載されました。
以下、公明新聞の記事を転載します。
(東京事務所)
利用客が激減する「宇高航路」(岡山・宇野港―香川・高松港)
高速無料化 航路存続の危機に
「もう限界だ」――。鳩山政権が目玉政策の一つに掲げる高速道路料金無料化に、瀬戸内海のフェリー業界関係者は悲鳴を上げる。宇野港(岡山県玉野市)と高松港(高松市)を結ぶフェリー「宇高航路」では航路存続を危ぶむ声が高まり、関係者の間には「このままでは瀬戸内からフェリーが消える」との不安が急速に広がっている。
「1時間の休憩が取れるフェリーはありがたい存在。これ以上便数を減らさないでほしい」とトラック運転手(49)。月に1度、親と会うため高松市に通うAさん(57)は「車の運転はできないし、フェリーがないと本当に困る」と語る。
高齢者など“交通弱者”の足守れ
谷あい氏が業界から窮状聞く
宇高航路は、24時間運航している全国でも最大規模の路線。年間約120万人が利用し、約57万台のトラックを運ぶ本四間輸送の“生命線”として、重要な役割を担ってきた。
しかし、21年前、瀬戸大橋(瀬戸中央自動車道)が開通し、フェリー離れが進む。高速道路料金の値下げに対抗し、段階的にフェリー料金も値下げしてきたが、太刀打ちできず、宇高航路を四国フェリー、国道フェリーと共同運航してきた津国汽船が、今年4月に撤退した。
残った四国フェリーと国道フェリーは現在、減便やガソリン代の節約などで、コスト削減を図っているが、国道フェリーの山下周市代表取締役社長は「これ以上減便すれば、客離れが一層進む」と危機感を募らせる。
そこへ今回の高速道路無料化が追い打ちをかける。「これはもう『死ね』と言われているのに等しい」。四国内のフェリー会社などでつくる四国旅客船協会の長谷部光明専務理事は訴える。
両フェリーも「減船・減便どころか航路の廃止を余儀なくされる。従業員を路頭に迷わせる事態にもなりかねない」(国道フェリー)、「航路がなくなってからでは遅い。運航を再開するのは不可能だ」(四国フェリー)と嘆く。
高速道路の割引開始後(今年4~6月)、宇高航路のバス・乗用車輸送台数は前年同期比4~5割減で、トラック輸送台数も2~3割減った。
フェリー利用者の減少を食い止めようと、玉野市では、市議会公明党(三宅一典団長)が推進し、今年9月から、土日・祝日のフェリー利用客に対し、普通車1500円、軽自動車1000円の「地域共通商品券」を配布。実質980円で利用できるとあって、乗用車輸送台数は2割程度増加した。
しかし、2500万円の予算がすぐに底をつき、11月末で商品券の配布を打ち切らざるを得なくなった。
今年11月、宇高航路の関係者から窮状を聞いた公明党の谷あい正明参院議員(参院選予定候補=比例区)と市議会公明党のメンバーは、「これまでフェリーは低料金の“海の公共交通”として重要な役割を果たしてきた。高齢者など“交通弱者”の生活の足を奪うことにもなりかねない」と語り、航路存続へ向けてさらなる支援策が必要との考えを示した。
(公明新聞:12月10日付より転載)
瀬戸内からフェリーを消すな