事業仕分けによって、廃止と判断された若者自立塾。
ニートの社会復帰のために民間団体が合宿形式の講義をするプログラムだ。
見直しでも、縮減でも、民間移譲でも、地方自治体移譲でもなく、廃止と判断された若者自立塾。
一人の若者が就職にいたるコストを持ち出され、費用対効果が薄いとバッサリ切られた。
また、仕分け人にとって気に入らない団体が事業にかかわっていることも廃止の理由となったようだ。
そもそも概算要求の事業は、所管大臣が自信を持って必要だから要求してきた事業である。
それを官僚に説明させて、仕分け人の政治家(彼らはいったい政府側なのか、党側なのか)が一刀両断にやる。見ていて痛快かもしれないが、政治主導であれば、事業の必要性や効果を説明するのは副大臣や政務官なのではないか。
仕分け人の議員が、副大臣や政務官相手にも仕分けを迫るのなら、私は納得するが。
事業仕分けの位置づけがあやしい。単なる意見表明というのが政府の見解。
事業仕分けは、政府の立場なのか、党の立場なのか。
あの体育館の敷地の借り上げ予算や、仕分け人に対する人件費は、政府が払ったのか、党が払ったのか。
ニートの社会復帰といっても簡単な話ではない。障害をかかえ、医療や福祉が必要なケースもある。
厚生行政と労働行政がバラバラでは十分に効果が発揮できないので、若者自立塾のようなプログラムというのは意味があると思っている。
民間の自助努力だけではこうした領域は不十分だからこそ、国が支援しているのではないか。
不用に積み立てられた独立行政法人の基金などを国庫に返還させることなど、大いにやるべきだ。
仕分けによってどんどんやればいい。
しかし、一番弱い人を、そしてそれを支援するNPOなどを、標的にした「廃止」は、私は許せない。
恐ろしささえ感じる。
東京で若者自立塾を運営する青少年自立支援センターの工藤定次理事長に連絡をとらせていただいたところ、ぜひ、国会で話をしたいということだった。
水曜日に工藤さんから直接お話しを聞いてみたいと思う。
(谷あい)
若者自立塾が「廃止」とされて