経済産業省でまとめた政府の経済対策の進捗状況をアップします。
1.新・三種の神器(エコカー・省エネ家電・住宅用太陽光発電)
○景気対策の効果が徐々に発現する中、自動車や液晶テレビの部品等の生産が増加。
経済産業省「鉱工業生産指数」(5月)
全体:前月比+5.7%。予測値:6月+3.1%、7月+0.9%。
自動車等(前月比+25.5%)、液晶テレビの部品等(同+10.6%)
○エコカー減税・補助により、国内販売に明るい兆し。
補助金申請受付開始(6/19)、7/15時点で約1.9万件の申請受付
国内販売は、前年を下回るものの、このところ増加傾向。
(乗用車(軽を含む) 前月比:4月 +5.7%、5月 +3.3%、6月 +5.8%)
(ハイブリッド車の受注: プリウス 約20万台、8ヶ月待ち、インサイト 約5万台、2~3ヶ月待ち。)
○エコポイントで、テレビなどの対象製品の販売が増加。
エコポイントの申請受付開始(7/1)、7/15時点で約12万件のオンライン申請受付。8月から商品との交換開始予定。
対象製品の販売(5月中旬~6月下旬:前年同月比):約20%程度増
(5月中旬~6月下旬(前年同月比):TV約30%程度増、エアコン約20%程度増、冷蔵庫約30%程度増)
○住宅用太陽光補助金が追い風となり、国内住宅向け出荷が増加。
補助金は、約半年(1/13~7/15)で約4.7万件の申請受付
(補助金再開以前の直近年度(07年度)と比較して約2倍のペース)
09年1-3月の国内住宅向け出荷:前年比+20.4%増
2.中小企業向けの支援
○これまでに約81万社の中小企業に約16兆円の金融支援を実施。資金繰りは一時的に回復傾向にあるが、依然として中小企業の景況は厳しく、引き続き、資金繰り支援に全力で取り組む。
緊急保証(保証協会)の実績:約61.7万件、12.2兆円
セーフティネット貸付(政策金融公庫)の実績:約17.7万件、3.1兆円
危機対応業務の貸付(商工中金:中小)の実績:約1.1万件、0.7兆円
○中小企業の試作品開発支援(21年度補正:約570億円)の1次募集に7千件を超える多数の応募。中小企業支援に高い関心。
3.中堅・大企業向けの金融支援
○政府・日銀がCP購入等を行う中で、直接金融市場が改善。
CPの金利スプレッドが低下(11月平均0.985 → 5月平均0.165)。
高格付の電力や金融以外の事業会社も再開し始めるなど、社債発行状況も一定程度改善。(5月(前年比)+15.5%)
○中堅・大企業向けの金融支援を実施する中で、金融環境は一定程度改善。懸念された5月危機を克服。依然として中堅企業等の金融環境は厳しく、引き続き、資金繰り支援に全力で取り組む。
危機対応業務(長期資金貸付)の実績
-日本政策投資銀行:約450件、約1兆8300億円
-商工中金(中堅向け):約570件、約1800億円
産活法認定企業への出資制度の創設
-6/30に第1号案件(エルピーダメモリ)を認定。日本政策投資銀行からの出資額は300億円。
4.公共投資
○公共投資は、08年度補正予算の効果もあり、前年比プラスで推移。今後、09年度当初予算の前倒し・補正予算の効果を期待。
公共工事出来高(前年比):09年2月+1.3%、3月+4.5%、4月+11.3%
09年度補正のスクール・ニューディールは、①耐震工事、②太陽光などのエコ改修、③パソコンや電子黒板などIT環境整備関係の工事が全国で秋以降に順次開始予定。
○公共事業等の負担軽減、地域の実情に応じた事業を実施するため、地方公共団体向けに2.4兆円の交付金も例外的に措置。
地域活性化・経済危機対策交付金(1兆円):6月末までに全ての地方公共団体が計画提出済
5.雇用・家計
○雇用環境が厳しくなる中で、雇用調整助成金は雇用を下支え。
5月の申請は、事業所数約6.7万件、対象者数約234万人。
○定額給付金は、全国で対象世帯の約86%に給付済。実収入では、勤労者世帯の約1割、無職世帯の約4割に相当。
6月28日時点で、全国の給付対象世帯の86.0%に給付。
(給付済み金額合計は1兆7,726億円、予算額の約9割)
勤労者世帯:世帯あたりの平均52,413円、実収入の10.3%
無職世帯:世帯あたりの平均39,661円、実収入の44.9%
○こうした中で、家計消費は1年4ヶ月振りに前年比でプラス。
5月の家計の実質消費支出:前年比 +0.3%、前月比 +3.3%
(谷あい)