先週の水曜日の夜に、党本部で学生との懇談会を持った。
前回は2部学生との懇談だったが、今回は大学院生、医学生、司法試験希望者、教員志望者など資格と関係する皆さんとの懇談。
印象に残ったのは、政治は「先のこと」をどう考えているのかという声だった。
たとえば、博士課程に学ぶ院生。これまで政府は博士号取得者を増やそうと取り組んできた。しかし、高学歴ワーキングプアという言葉に象徴されるように、博士号を取得したとしても、それに見合う研究職がないといった問題。学部、修士、博士と続く課程の中で、奨学金をたくさん受けてきているので、その返済が大変だという現実。
ロースクールの問題もある。政府は法曹人口を増やすべくロースクールのシステムを取り入れた。ロースクールに行けば、7割ぐらいの司法試験合格率を期待されていたが、実際はその半分に満たない。結局、3回落ちて行き場を失う人が増えてきたという現実。
そして、今政府は医学部定員増を打ち出した。純粋に患者の治療をしたいと願っているのに、医師として働ける環境が整っているのかという不安。
政治はその時々の問題に対処するべく様々な施策を打ち出しているが、入口のことばかりで、その先の出口が伴っていないという学生からの指摘は至極まっとうだと思った。
5年先、10年先、20年先という「先のこと」にも責任を持っていくことが、今の政治に求められていると実感した。
(谷あい)
「先のこと」