ワルシャワで開催中の産業担当大臣会合の模様が早速、日本のメディアにも配信されているようです。
京都議定書の約束期間は2008年から2012年の5年間。2013年以降の枠組みについて、日本は、アメリカや中国・インドなどの主要排出国も参加する形でのセクター別アプローチを訴えております。
新たな枠組みについては、来年のコペンハーゲンでのCOP15で合意していくことになっていますが、現在の状況としては、まだまだ各国グループの主張がぶつかり合っている状態です。EUと日本の温度差があるわけですが、そのEUの一員であるポーランドが今回、日本のセクター別アプローチについて、深い理解と強い関心を示していることが分かりました。パヴラク副首相やノヴィツキ環境大臣と会談して分かったことです。
セクター別アプローチは、福田前総理が今年のダボス会議(2月)や洞爺湖サミット前の「低炭素社会・日本を目指して」(6月)で国際社会に訴え、有力な枠組みとして注目を集めております。ちなみにクールアース・デーは、この6月のスピーチに盛り込まれたものです。
12月にポーランドのポズナニで開催されるCOP14の本会合(環境大臣会合)では、斉藤環境大臣のイニシアチブで、来年のCOP15での合意に向けたベース作りが進むことを期待しております。
私は京都大学の在学中にCOP3を迎えたわけですが、「環境市民」というNGOでCOP3について取り組んでいたことを思い出しました。大変感慨深いものがあります。
(谷あい)
産業別のガス削減協議 ポーランドで閣僚級会合
【ベルリン27日共同】12月1日からポーランド西部ポズナニで開かれる気候変動枠組み条約第14回締約国会議(COP14)を前に、産業担当の閣僚級非公式会合が27日、同国ワルシャワで開かれた。産業分野ごとに温室効果ガスの排出削減可能量を分析し、削減策を取る「セクター別アプローチ」を焦点に協議する。2日間の日程。
会合には日米欧や中国、インドなど約20カ国の代表のほか、鉄鋼、セメント、電力など有力企業の責任者も参加。エネルギー集約型の産業間協力や官民の協力の在り方を中心に議論する。
初日は議長国ポーランドのパブラク副首相兼経済相らがあいさつ。その後の討議で日本の谷合正明・経済産業政務官はセクター別アプローチの利点などについて基調講演し、先進国も発展途上国も効率的にガス排出を削減することが可能だと説明した。
28日は経済成長とガス排出削減をテーマに議論した後、議長総括を採択し、閉幕する。
CO2削減 「セクター別」協議 21主要排出国と4業界11月28日8時1分配信 産経新聞
日本、米国、中国など二酸化炭素(CO2)の主要排出国が一堂に会して、産業・分野別に排出削減可能量を積み上げるセクター別アプローチについて話し合う会議が27日、ポーランドで始まった。12月1日には同国で、2013年以降の地球温暖化防止の枠組み(ポスト京都議定書)を議論する国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP14)が開幕する。日本は今回の会議で、同アプローチへの各国の理解を深め、COP14での議論に弾みを付けたい考えだ。
会議は、COP14の議長国であるポーランドの呼びかけで28日までの2日間の日程で開催。日本のほか、米国、中国、英国、フランス、インドなど21の主要排出国の産業担当相級のほか鉄鋼、セメント、アルミ、電力の4業界の代表者が参加。同アプローチについて集中的に討議する。日本からは谷合正明経済産業政務官や新日本製鉄、東京電力の代表も参加している。
会議では、業界ごとに最先端の省エネ技術を取り入れることで可能となる排出削減可能量を積み上げ、各国の削減余地を議論する。すでに鉄鋼業界では日、米、中、韓、印、オーストラリアの6カ国でCO2排出量約20億トンのうち1・3億トンを削減できるとの研究成果をまとめており、27日の会議でも日本はこうした試算を紹介した。
財団法人・地球環境産業技術研究機構(RITE)によると、CO2、1トンの削減に25ドル使うとの前提で、世界で同アプローチを取り入れた場合、214億トンが削減可能と分析。最大は中国で世界全体の3割近く、米国は2割近い。一方、日本は3%程度にとどまる。
京都議定書で過大な削減義務を負わされた日本としては、今回の会議で各国の理解を深め、COP14につなげ、来年末のCOP15で合意するポスト京都の枠組みに採用したい考えだ。
日本発のセクター別アプローチ