谷合参院議員のインタビューの記事が、6月22日(日曜)付けの公明新聞『中国地方版』4面に掲載されました。
以下、公明新聞の記事を転載します。
(東京事務所)
谷合正明党原爆被爆者対策委員長にインタビュー
「被爆手帳」申請海外でも
公明 援護法改正で推進役果たす
残された課題の解決急ぐ
原爆投下から63年。海外で暮らす被爆者たちの長きにわたる訴えに光をあてる、改正被爆者援護法が今月11日、議員立法で成立した。そこで、改正のポイントや公明党の取り組み、今後の在外被爆者支援について、党原爆被爆者対策委員会の谷合正明委員長(参院議員)に聞いた。
――今回の援護法改正で、念願だった被爆者健康手帳取得の「来日要件」が撤廃されました。
谷合正明委員長 広島、長崎で被爆した海外在住の被爆者が、現地の在外公館で健康手帳を申請、取得できるようになります。申請を受理されるかどうか分からないのに、高齢や病身を押してまで来日する必要がなくなりました。健康手帳を取得すれば、健康管理手当や医療費助成を受給できます。
さらに、在外被爆者の実態を踏まえ、国に必要な措置を講ずるよう定めた付則が付いたことで、さまざまな問題を抱える在外被爆者への支援がようやく前進します。
そして何よりも、「被爆者はどこにいても被爆者」です。「在外被爆者」が初めて法律上明記されたところに、今回の改正の深い意義があると思います。
――在外被爆者の現状は。
谷合 海外で暮らす被爆者は三十数カ国に、約4000人。被爆者のほとんどは、韓国、米国、ブラジルにいますが、手帳を持っていない被爆者は、300人以上いると言われています。実態は把握できていませんが、いずれも高齢化がかなり進んでいます。
――今回の法改正では、公明党が大きな役割を果たしましたね。
谷合 昨年8月、初めて与党で原爆被爆者対策に関するプロジェクトチーム(PT)を立ち上げた際、公明党は、原爆症認定を求める集団訴訟の解決と合わせて、在外被爆者の問題についても取り組むよう強く主張しました。
すぐさま各在外被爆者団体へPT設置の報告をしました。その際、「国が動かなくても、議員立法を視野に入れて対応する。厚生労働相への要望に同席してほしい」と伝えました。在外被爆者の方々も急きょの呼び掛けだったにもかかわらず、「この機会にできなければ、一生できない」との思いで、応えてくれました。
10月17日には、舛添要一厚労相に、韓国、米国、ブラジルの在外被爆者の要望を直接聞いてもらい、「解決を図りたい」との回答を得ました。その後、まずは法改正が必要だということで、議員立法による早期成立を目指したのです。
「ねじれ国会」で与野党協議の見通しが立たない状況もありましたが、「何としても」と解決の糸口を探り続け、今月4日、公明案を土台にして出来上がった改正案に党派を超えて合意。ようやく、11日の参院本会議で法案が可決、成立しました。
このとき来日していた在ブラジル原爆被爆者協会の森田隆会長と国会でお会いした際、「悲願が実現し、感無量です」と喜んでいたことは忘れられません。関係者も「公明党がやらなかったら絶対にできなかった」と高く評価しています。被爆者たちと連携し、実現への推進役を果たしたのは、公明党です。
――今後の在外被爆者の支援については。
谷合 在外被爆者への医療費助成は年間14万5000円の上限があり、各国の医療保険制度によっては、費用が不足する場合もあります。助成費の上限緩和もしくは撤廃、医療支援が今後の課題です。国内被爆者については医療費の自己負担分を国がもつなど、援護格差は依然として大きいです。
また、手帳申請には、医師による診断書や被爆の証人が必要です。診断書を書く医師は、被爆の知識も必要となってきます。原爆症の認定申請についても、今のままでは国外でできません。
これらは運用上の課題として、柔軟に対応していかなければなりません。早期に解決できるよう強く働き掛けていく必要があります。公明党は、どこまでも被爆者の立場に立ち、支援に全力で取り組んでいきます。
(6/22付 公明新聞より転載)
在外被爆者の救済に光…公明新聞【中国地方版】