本日より第169通常国会が召集された。150日間の会期である。
前半国会は道路特定財源の暫定税率が焦点になる。
特に地方は車社会だ。どこに行くにしても車がないと行けないところが多い。一家に2台、3台の車を持つことも多い。だから、税、維持費、燃料費が高いという声は昨年の参院選前から聞いていた。
一方、道路が必要だという声も地方からあがる。かつて山陰地方のある地域での会合では、参加者全員から道路をつくって欲しいと言われた。唯一の生活道路の国道9号線が災害で不通になったのだ。
与党は、緊急時の道路整備、踏切対策、歩道整備、橋の補修、渋滞対策、高速道路の料金引き下げのためにも暫定税率を維持するという考えだ。
民主党も必要な道路はつくると言っている。ここは与党とも同じだ。しかし、民主党は暫定税率撤廃を主張する。しかも地方自治体には1円たりとも迷惑をかけないと言う。
問題は根拠となる財源を明示していないことだ。地方自治体が民主党案に反対しているのはこのためだ。
農業の戸別所得補償法案の時もそうだった。子ども手当創設の時もそうだった。財源を尋ねると決まって返ってくる言葉が、「政権を取ったら財源を含めて実現する」だ。空手形ばかり発行しないでもらいたい。
かつても業界団体から暫定税率を元に戻すべきという声はあがっていたが、一つの政党がガソリン税の暫定税率撤廃を基本理念として掲げたことはなかったと聞く。かつて自民党にも所属していた民主党の古い議員さんなんかは、いつから暫定税率を撤廃せよと言い出したのか。
もうひとつの問題は、与党とは一切に協議に応じないということだ。生活者のことを考えれば、民主案と与党案の良いところを調整することだって可能なはずだ。しかし、このままでは生活者の視点に立った建設的な合意形成は期待できない。「生活第一」というより「政局第一」ではないか。
「ガソリンが25円値下がります」というビラを街中の車に配ろうとするよりも、まず財源をしっかり考えてもらいたい。もっとも道交法の疑いで民主党ビラは配れないことになったようだが。
(谷あい)
道路特定財源について (その1) ― 政局第一の民主党