11月21日付けの公明新聞4面に掲載されている「ヤングホームページ」の記事をアップしました。公明党青年局の活動を紹介します。
以下、公明新聞の記事を転載します。
(東京事務所)
こちら南元町支局何でも調査班
日本人の2人に1人ががんになり3人に1人ががんで死ぬ……
支局長 日本人のがんが増えているね。1980年に脳血管疾患(脳卒中、くも膜下出血、脳梗塞など)を抜いて死因の第1位となって以降、がんの増える勢いが止まらないね【図1】。今や、日本人のおよそ2人に1人が、がんにかかり、3人に1人が、がんで死亡している。
京子 毎日新聞社が9月に行った「健康と高齢社会に関する世論調査」でも、回答した国民の半数近くが「いま一番恐ろしい病気は、がん」と答えています。ただ、がんの恐ろしさをしっかり認識しているかといえば、内閣府が今月10日に発表した「がん対策に関する世論調査」では、がん検診を一度も受けたことがない人が5割を超えていたわ。
一平 検診率の低さは、がんの認識不足から来ているのではないでしょうか。そこで今回は、若い時から「がんとは何か」を知っておくために勉強しましょう。
支局長 東京大学医学部附属病院の中川恵一放射線科准教授によると、がんの原因は細胞分裂の失敗で、老化の一種ともいえるため、長寿大国の日本でがんが急増しているそうだ。冷蔵庫の普及や食生活の欧米化で胃がんが減少し、乳がんや前立腺がんなどが増えている。こうした欧米型のがんには放射線治療が有効で、米国では、がん患者の6割が受けているのに日本では4人に1人という低さ。今後、放射線治療の出番が急速に増えることは間違いないだろうね。
一平 がんは日常生活に気を付ければ、ある程度防ぐことが可能ですよね。例えば、バランスのとれた食事はがん予防に効果的といいます。これらをまとめたのが国立がんセンターなどから提唱されている「がんを防ぐための12カ条」【図2】です。この12カ条を積極的に実行すれば、がんの約6割(禁煙で3割、食生活の工夫でさらに3割)が防げると考えられています。特にたばこはがんの原因の3割程度を占めるもので、禁煙は一番大事ですね。特に若い人の喫煙は危険で、20歳未満で喫煙を開始した人は、吸わない人の約6倍も肺がんによる死亡率が高くなるそうです。
『「予防12カ条」の実践で、がんの約6割防げる』
『20歳未満の喫煙で吸わない人の6倍の死亡率』
支局長 予防教育も問題だが日本では治癒できないがん患者、痛みなどの症状を持つ患者の苦しみを和らげる治療も遅れている。体の痛みを取るだけではない緩和医療の考え方が欧米では確立しているんだ。
京子 諏訪中央病院の鎌田實名誉院長は、「緩和医療というのは、心の痛みも、社会的な痛みも、スピリチュアルな痛みも取ることを目標にしている。だから緩和医療は、がん治療に良い効果を生む。心と体はつながっているから、希望を持つことや、笑うこと、時には宗教の力も大きい」と話しています。
一平 がんの痛みを和らげるモルヒネの使用量が日本はカナダ、オーストラリアの約7分の1、アメリカ、フランスの約4分の1と先進国中、最低レベルです。
支局長 日本はいまだに「麻薬を使うと中毒になる。寿命が短くなる」などの思い込みがある。実際には、モルヒネなどを適切に使って痛みのない患者の方が長生きする傾向がある。食事もとれ、睡眠も確保できるのだから当然といえるね。
京子 緩和医療が遅れているということは、それだけ、がん患者が痛みに耐えてきたということ。こうした患者の苦しみを取り除くため、公明党などの努力で今後5年以内に、日本のがん医療に携わる約10万人の医師に対して行う緩和ケア研修も始まったわ。
一平 公明党は、がん対策に大きな成果を上げています。公明党の真剣な取り組みによって「がん対策基本法」が成立し、(1)放射線治療の普及(2)初期段階からの緩和ケアの実施(3)がん登録――が盛り込まれたことは日本のがん医療の大きな前進です。国民の生命を守る公明党の取り組みに大いに期待しています。
(2007/11/21付 公明新聞より転載)