最近、なんだかクジラに触れる機会が多い。
※ これはクジラのひげです。ひげと言われても分からないかもしれませんが、歯ぐきの皮膚が爪のように硬く変形したものです。これが上あごに2~300枚も並んでいて、餌と海水を一緒に飲み込んだあと、海水だけひげフィルターを通じて吐き出すとのことです。
先週の水曜日は、党の農林水産部会があり、水産総合研究センターの小松正之理事から捕鯨問題について詳しい話を聞きました。この方、理事というよりはクジラ博士で、理論から文化まで広範囲に何冊も著作をもっていらっしゃる方であります。
クジラ料理、ペリー来航とアメリカの捕鯨が関係あったこと、あるいはIWC(国際捕鯨委員会)の交渉の舞台裏などを聞きました。
そして、昨日の日曜日には下関市に参りました。地元の議員さんたちが企画したあいさつ回りの行程には、捕鯨関係者との意見交換会がありました。下関といえばフグを思い浮かべますが、クジラも大変に有名なところです。
クジラの卸売会社であり、クジラ料理の商品開発も手がける、マル幸商事の社長から、再度クジラについて詳しい話を聞くことになりました。
クジラ肉の価格を下げること、クジラ料理を消費者にPRすること、特にクジラを食べたことがない若い世代に食べてもらうことの重要性などのご意見をいただきました。ちなみに下関市では年に1回給食でクジラが出されます。
私のような若い世代は、クジラというのは、本来食べてはいけないものという刷り込みがあって、そういう誤解を取り除くことが大事だと思います。捕鯨には商業捕鯨と調査捕鯨があるのですが、商業捕鯨は1982年に停止されたままですが、調査捕鯨は続いています。今、日本で食べることができるクジラ肉類は、鯨類捕獲調査の副産物としてのものなのです。
また年配の世代では肉の代わりにクジラを食べていた記憶があり、あまり美味しくないというイメージがあるみたいです。
とにかく、一度断絶されたクジラの食文化を各世代に理解してもらうことが大事です。クジラこそ、食育の格好の教材だと思いました。
※ クジラ料理です。写真に写っていませんが、竜田揚げは人気の料理です。鯨ジャーキーとか、鯨ベーコンが個人的には好みでした。酒のつまみによくあう。
今週は捕鯨議員連盟の会合が国会であります。IWC(国際捕鯨委員会)の国際会議を控えて、国会議員に説明があります。商業捕鯨再開までは長い道のりでありますが、食文化としての鯨の重要性を日本人が理解を深めていくことは非常に大事なことだと考えます。
くじらウィークはまだまだ続きそうです。
(谷あい)
【エッセー】くじらウィーク