11月30日にバングラデシュ、スーダンの海外視察から帰国しました。特にスーダンではスーダン和平合意履行状況を自分の目で見ることができ、非常に有意義でありました。南北の和平合意は基本的には守られているものの、エリトリア、ウガンダ国境周辺では治安確保は困難な様子でありました。スーダン南部の状況について一言で言うと、内戦で物資流通が寸断された陸の孤島といったところでしょうか。建物らしき建物の数は非常に限られておりました。現地では、国連関係者、政府閣僚、NGOスタッフなどとお会いしました。国連難民高等弁務官事務所の現地責任者からは、日本政府のスーダン支援に対する感謝、日本のNGOに対する期待の高さ、あるいは個人的にということで、現在展開中のスーダンPKOへ自衛隊の派遣を検討して欲しいなど、話しを伺いました。スーダン政府の国際協力大臣、人道支援大臣からは、日本との2国間協力への感謝もありました。私の方からは、日本のNGOが現地で活動する上で必要なNGO登録などを円滑に執り行って欲しい旨をお願いしました。詳しい視察内容については、また後日まとめることとします。
遠いアフリカのスーダンの話ではありますが、日本の国会でも昨年の通常国会の冒頭で、スーダンPKOへの自衛隊派遣について議論がいくつかありました。治安状況をよく見極め慎重に対応しなければならないというのが、議論の中心でした。現在、現地の安全確保については慎重に対応する状況には変わりありませんが、そういった地域で、日本人女性を含め若いスタッフが国連、NGO、日本大使館に20人近く働いていることは、もっと日本で知られてしかるべきだと思います。私見ですが、安全が確保されていないから、自衛隊をスーダンに派遣できないという理由は、現地ではあまり通用しない、リアリティに欠けるものだと思います。もちろん複合的に自衛隊派遣は判断されるべきであることはもちろんではありますが。
政治的な話しを抜きにすると、個人的にはナイル川で見た朝日、ジュバで宿泊した野営テントでの生活、スーダン人の穏やかな性格など印象に残りました。
スーダンでは写真も多く撮ってまいりましたので、HP上でフォトギャラリーでアップしていきたいと思います。
(谷あい)
【エッセー】スーダン視察から帰国