(公明党青年局のホームページに寄せたエッセーを転載します。)
まず、はじめにお知らせです。8月2日(火)に参議院で、郵政民営化法案の質疑がありますが、草川党参議院会長の関連質問のバッターとして質問することになりました。当日は、NHKが全国放送する予定です。持ち時間は短いですが、全国中継されるのは初めてですし、郵政民営化議論も最終版にきており、関心度もかなり高い質疑ですので、国民にとって分かりやすい議論をしていきたいと考えています。
ところで話は変わりますが、アイガモ農法というものをご存知でしょうか。これは完全無農薬・無化学肥料による水稲作で、雑草や害虫の除去にアイガモを活用するものです。アイガモ農法にアゾラという浮草を利用することがあります。アゾラは、カモのエサになり、水田を覆う雑草の生育を抑制する効果 もあります。アゾラを使うアイガモ農法は、アイガモ農法のうち約1割を占めます。
ところがこのアゾラの使用が禁止されそうになりました。特定外来生物被害防止法というものがあります。この特定外来生物に指定されたものの代表格に、魚のブラックバスがあります。この法律は、外来種が日本の在来種を駆逐してしまう恐れがあるときに、それを防ごうとするものです。
外来種のアゾラが在来種を絶滅に追いやる恐れがでてきたのです。しかし、特定外来生物に指定されますと、アゾラを使ったアイガモ農法はできなくなります。アイガモ農法をしている農家は、除草剤をつかわない、農薬を使わないことで、環境にやさしい農法に地道に取り組んでいらっしゃいました。それが、否定されてしまうので、私は個人的に大変なことだと思いました。
私は、アイガモ農法を研究している岡山大学の助教授にお話を聞きました。「アゾラの雑種の中には、胞子を作らず、在来種と交雑しないものもある」とのことだったので、環境省にも、一律にアゾラ全体を規制するのではなく、交雑しない種類は指定解除して欲しいことを訴えました。
結論的にいうと、助教授をはじめアイガモ農法に取り組んでこられた方々の熱心な訴えで、この在来種と交雑しない種類のアゾラは、特定外来生物の指定が解除されました。
環境省によれば、外来生物が引き起こす問題の多くは、外来生物が広域にわたって定着してしまった後に明らかになることが多く見られ、その場合、問題を解決するために多くの金額と時間と労力が必要となるとのことです。
特定外来生物被害防止法は非常に拘束力の強い法律なので、私も10年、20年の長期のスパンで、是々非々で対処していかなければならないと思っています。
【エッセー】アイガモ農法が存続へ