第161臨時国会がはじまる
本日、臨時国会がスタートしました。10月12日から12月3日までの期間です。本会議で総理の所信表明とそれに対する野党のヤジを聞いていると、いよいよ初陣の論戦に向けての緊張感や高揚感というものが出てまいりました。気を引き締め戦ってまいります。
それにしても今年は豪雨や台風の多い年ですね。先週末は台風22号がありました。被害に遭われた方々には心からお見舞い申し上げます。9日の土曜日、私も東京から兵庫の明石市に向かっておりましたが、新幹線のダイヤが大幅に乱れました。何とか、明石での福祉フォーラムに出席でき、講師としての役目を果たせました。(フォーラムの様子はこちらです。→ http://www.komei.or.jp/news/daily/2004/1010_04.html) 翌日の日曜日は、福井県鯖江市、武生市、そして月曜日は滋賀県長浜市、彦根市、日野町と回ってきました。福井から米原に向かう特急しらさぎ号が、熊と衝突して一時ストップするというおまけまで付きました。
外交防衛から農林水産委員会へ
先月に行われた新たな組閣により、公明党からも大臣、副大臣、政務官が交代しました。その結果、参議院の常任委員会でも委員交代があり、私は外交防衛委員会から農林水産委員会へと変更になりました。実は、初登院の日に地元紙の取材で、これからは外交や農政に積極的に頑張りたいと抱負を語っていたわけですが、こんなに早く農林水産分野に携わるとは思っていませんでした。イラク特別委員会とともに全力で取り組んでまいりますので、宜しくお願いします。
今の農政の大きな課題は、食料・農業・農村基本計画の新たな策定や、BSE問題などがあります。しかし、地元の中国地方を回っていて、意外に多く聞こえてくる問題が、鳥獣被害です。特にいのししが田畑を荒らすのです。週末行った福井や滋賀でも、そんな悩みを聞きました。いのししの頭数が増えてきたことや、猟に規制がかかっていることもありますが、暮らしていた山に十分な食料がなくなってきたということも一因です。
日本の山に異変が起きている
最近ふと不安に思うことがあります。豪雨によりいとも簡単に山の斜面が崩れたり、土石流が発生したり、食料不足によりいのししや猿、鹿、熊(今年の熊の被害はちょっと例外的でしょうが)が山を下りてくる。日本の山林に異変が生じているのではないかと。しかし、不安というより現実のものとなっています。建築材や土木材の提供のため、これまで成長が早くまっすぐに伸びる針葉樹の杉の植林が盛んでしたが、負の側面も多く指摘されています。杉の根は直根のため土壌の保水力が不足していたり、針葉樹のため葉が落ちずに土壌の養分が不足したり、実がならないので食べ物が減っているといったことがあります。(個人的には花粉症に苦しんでいたりします・・・)水資源のかん養や山地災害の防止や、野生鳥獣に対する生息の場の提供といった森林のもつ公益的多面的機能をこのさい総点検して、山作り・森林つくりを国づくりと捉えて、国が本気で取り組む必要があると思います。林野振興対策という枠ではくくれない問題だと思います。
台風が上陸した先週末、熊との衝突で閉じ込められていた車内でこんなことを考えました。
(谷あい)
【エッセー】台風と熊に見舞われ、日本の山を想う