2024年06月20日 1面
自民党派閥の政治資金問題の再発防止に向け、同党が提出した改正政治資金規正法が19日の参院本会議で、自民、公明両党の賛成多数で可決、成立した。立憲民主党、日本維新の会など野党各党は反対した。改正法は、議員の責任・罰則の強化と政治資金の透明性向上が柱。公明党が「政治改革ビジョン」を掲げ、訴えてきた内容が全面的に反映された。
改正法では、不正に対する抑止力を高めるため、会計責任者だけでなく議員本人も責任を負う、いわゆる「連座制」を強化。政治団体の代表者(議員)に収支報告書を確認したことを示す「確認書」の提出を義務付けた上で、会計責任者が不記載などで処罰された場合、確認を怠っていれば罰金刑を科し、公民権停止にすることとした。
政治資金パーティーの透明化に向けては、パーティー券購入者の公開基準額を寄付と同じ「5万円超」に引き下げ。支払いは原則、預貯金口座への振り込みに限定した。
政党から議員が受け取った後、使い道が明らかにされていない「政策活動費」については、使用目的などが分かるように「項目別の金額」と支出した「年月」を政党の収支報告書に記載。政治資金に関する独立性が確保された第三者機関の設置を決め、政策活動費の支出に関する監査のあり方を含めて検討するとした。
このほか、政治団体間の資金移動の規制強化や、所属議員が政規法違反などで起訴された場合に政党交付金の交付を停止する制度を創設することを明記した。
また、国会議員関係政治団体の収支報告書のオンライン提出、インターネットでの公表を義務付け。収支報告書に記載する個人寄付者の個人情報保護への配慮策も盛り込んだ。
施行日は一部を除き、2026年1月1日。施行後3年をめどとした見直し規定も記した。
■不正の再発防止こそ政治の責任/参院本会議で谷合氏が賛成討論
採決に先立ち賛成討論に立った公明党の谷合正明氏は、改正法について「政治資金の流れを広く国民に公開し、その是非についての判断を国民に任せるとの政規法の趣旨に則り、罰則の強化と透明性の向上を図るものになっている」と強調。
さらに、「公明党は結党以来、不適切な政治資金の問題には、どの政党よりも厳しく追及してきた。繰り返される『政治とカネ』の不祥事の再発を断ち切ることは政治の責任だ」と力説。国民の政治に対する信頼回復に向け「今後も不断の政治改革に努めることを誓う」と訴えた。