2024年01月25日 2面
■予算案、税制法案、年度内成立へ全力
佐藤茂樹国会対策委員長 26日から通常国会が始まる。まず2024年度予算案、税制改正関連法案の早期成立、執行を進め、能登半島地震の支援や物価高、少子化対策など国民生活に直結した政策課題に総力を挙げて取り組む。公明党の主張を堂々と訴え、国民の期待に応えていきたい。
高木陽介政務調査会長 年頭にマスコミ各紙が報じた主要企業への調査では、今後半年程度の景気が「回復する」との回答が9割に上った(3日付「読売」)。日経平均株価が34年ぶりに3万6000円台を回復し、今年の春闘で経団連は「昨年以上の賃金引き上げに果敢に取り組んでいきたい」との方針だ。物価高を上回る賃上げで経済の好循環を実現させ、30年続いたデフレからの完全脱却を達成させたい。
古屋範子副代表 同時に、そうした経済社会の変化に弱い立場の人が取り残されないよう支援していくことが重要です。それこそ「福祉の党・公明党」が果たすべき役割ではないでしょうか。
山口那津男代表 その通りだ。政治の役割は、福祉を充実し、国民生活を守り抜くことにある。結党以来、公明党が福祉を重視してきたのは、公明党が大衆の中から誕生し、庶民の切実な願いや期待、すなわち“衆望”に応える使命を担っているからにほかならない。
石井啓一幹事長 1964年11月17日の結党大会の会場に「大衆福祉の公明党」と書かれた大きな垂れ幕が掲げられたのは、その決意を込めたものだ。当初は既成政党から「政治は慈善事業ではない」などと嘲笑されることもあったが、公明党議員の不屈の闘いで社会保障は今や「人間の安全保障」の柱の一つとして政治のメインテーマとなった。児童手当の創設・拡充や幼児教育・保育の無償化、消費税の軽減税率の実施など公明党が築いた実績は他党の追随を許さない。
■低所得者、中小企業置き去りにしない
高木 最近でも、福祉の視点から公明党が訴えた政策の多くが前進している。物価高対策では、1人当たり4万円を所得税や住民税から差し引く定額減税を実施し、低所得世帯には住民税非課税世帯を対象に7万円を給付する。低所得の子育て世帯には子ども1人当たり5万円の加算措置を設けた。7万円給付は、昨年末までに全市区町村の約9割で予算化され、今月末までには約900の自治体で支給が始まる。公明党の地方議員が各自治体で早期実施を申し入れた結果だ。さらに、こうした給付の対象にならず、減税の恩恵を十分に受けられない人にも給付を行う。
■通常国会、賃上げ、児童手当拡充など確実に
谷合正明参院幹事長 物価高対策でカギを握るのは、雇用の7割を支える中小企業の賃上げだ。ただ、立場の弱い中小企業は、労務費などの価格転嫁がしにくい。公明党は、価格転嫁を促すための交渉指針の策定を推進し、赤字でも賃上げを行う中小企業などを対象に、控除しきれなかった税額控除分を5年間繰り越せる措置も創設した。日本商工会議所の小林健会頭は「極めて画期的であり、大変心強い」と評価している。
石井 東京大学大学院の渡辺努教授は、物価高が賃上げを促す「好循環」の恩恵を受けるまで時間がかかる低所得者や中小企業などの「不遇感が社会に分断を生み出してしまえば、好循環は実現できず、将来世代に大きな損失を与えてしまう」と危惧、「公明党には好循環の恩恵を受けるまでに時間がかかる人々へのケアの眼差しがある」(月刊誌「第三文明」2024年1月号)と洞察している。公明党は、社会の分断や格差といった問題に対応する上でも重要な役割を果たしている。
古屋 子育て支援も同様です。子育ては社会全体で支えるべきで、親の経済状況によって子どもの教育に格差が生まれてはなりません。今年4月から3年間、政府の「こども未来戦略」に基づき、少子化対策に集中的に取り組む「加速化プラン」が実行されます。これには公明党が「子育て応援トータルプラン」で掲げた施策が随所に盛り込まれています。
高木 その象徴と言えるのが児童手当の拡充だ。今年10月分から所得制限をなくし、支給対象を高校3年生(18歳)まで拡大。第3子以降は月3万円に増額する。日本大学の末冨芳教授は「公明党がいなければ実現できなかったものであり、政府の子育て政策を引っ張っている」(23年10月12日付本紙)と評価は高い。
■社会保障の充実ますます重要に
佐藤 今月、経済界や労働界、有識者などの有志による「人口戦略会議」は2100年に人口8000万人での安定をめざす提言をまとめた。少子高齢化・人口減少社会が本格的に到来している。公明党はその中で、子どもから高齢者まで安心できる「全世代型社会保障制度」の早急な実現をめざしている。
山口 社会保障の充実は、個人の自由や生活を支えるセーフティーネット(安全網)の構築、社会の分断や格差を防ぐ――など、ますます重要になってきている。31日からの衆院代表質問を皮切りに、いよいよ国会論戦がスタートする。国民生活を守るため結束して「福祉の党・公明党」の真価を発揮していきたい。