2023年12月25日 2面
公明党の核廃絶推進委員長として私は、11月27日~12月1日に米ニューヨークの国連本部で開催された核兵器禁止条約(核禁条約)の第2回締約国会議に出席しました。
残念ながら日本政府がオブザーバー参加を見送る中、公明党の出席は昨年に続き2回目です。
まず、開会前日に行われたICAN(核兵器廃絶国際キャンペーン)主催の会合では、若い世代が積極的に議論する姿が印象的でした。核兵器や地球温暖化に対する危機意識は高く、いずれも国境や世代を超えて悪影響を及ぼすことから、グローバルな連帯の必要性が叫ばれました。改めて、地球規模の課題を解決する視点で核廃絶に取り組んでいかなければならないと認識を深めました。
開会日に行われた「国会議員会合」に臨んだのは、14カ国23人。全員が条約に批准していない国の政治家です。米下院議員をはじめ、G7(先進7カ国)や、政権与党の参加もありました。核禁条約の普遍化をめざす上で、会合が重要な役割を担っていると実感しました。
■日本の締結へ環境整備に尽力
私は会合で、公明党が結党以来、一貫して核廃絶に取り組んできた歴史に触れ、核禁条約について「わが国が締結・批准できる環境整備に取り組んでおり、オブザーバー参加を求めている」との基本姿勢を伝えました。
さらに、唯一の戦争被爆国・日本の政治家として、市民社会の声も踏まえ、日本が核禁条約に貢献できる分野を提言。具体的には、条約が定める「被害者支援」と「環境修復」を挙げ、これらを推進するための「国際信託基金」の設立に向けた動きを歓迎するとともに、準備会合を被爆地・広島、長崎で開くよう提案しました。
締約国会議では「基金設立への議論を本格化させる」ことが決まったため、今後、実現へ貢献していく考えです。
最終日に採択された政治宣言には、「核リスク増大と核抑止の永続を傍観しない。人類の存亡に関わる核兵器の脅威に対処し、禁止と廃絶に向けて確固たる決意で取り組む」とうたわれました。第2回会議は、核の使用や威嚇は絶対に許してはならないという強力な規範、メッセージを発信する役割を果たしたことは間違いありません。
公明党は、核抑止に代わる安全保障のあり方や「核の先制不使用」誓約の議論を日本が積極的にリードするよう求めています。今後も多様なステークホルダー(利害関係者)と力を合わせて、核廃絶をめざします。