2023年12月09日 1面
公明党SDGs推進本部(本部長=谷合正明参院幹事長)は8日、外務省で上川陽子外相に対し、国連が掲げる持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向けて、政府が年内にも改定する「SDGs実施指針」に関する提言を行った。上川外相は「できる限り指針改定に提言を反映させていきたい」と述べた。
谷合本部長らはSDGsの進捗状況に関して、国内では地方やビジネスの現場に浸透したものの、ジェンダー平等や気候変動対策が課題として指摘されていることに言及。国際社会ではコロナ禍やウクライナ危機などにより目標達成の取り組みが遅れていると指摘した。その上で、国連が2024年に開催予定の「未来サミット」を見据え、日本政府として国際社会をリードし、「国内外の取り組みを抜本的に加速してもらいたい」と訴えた。
提言では、SDGsの推進に向けて若者の参画を後押しし、多様なステークホルダー(利害関係者)との連携促進の必要性を強調。「女性/ジェンダー」「議会」をステークホルダーとして明記するよう求めた。
優先的な取り組み課題では、ジェンダー平等や貧困・格差への対応を挙げ、積極果敢な取り組みを要請。経済・社会の変容の中で取り残される可能性がある中小企業や農林水産業などの小規模事業者への支援強化も訴えた。
さらに急速に広がる地方での取り組みを国が後押しすることに加え、地方の機運の高まりを日本の特色として国際的にアピールし、地方間連携につなげるよう要望した。
一方、国際分野においては、「人間の安全保障」の理念の下、政府開発援助(ODA)の国際的目標を念頭に、国際保健や気候変動、教育など各分野で日本の特色を生かした貢献と連携推進を促した。
SDGsを巡って公明党は、推進本部を設置し地方議員とも連携して、国、自治体の取り組み強化を推進してきた。今回の実施指針改定に向けては「SDGs市民社会ネットワーク」などと意見を交わすなど活発に議論してきた。