2023年11月09日 7面
岡山県倉敷市の真備町地区などで進む、1級河川・高梁川と小田川の合流点を下流へ付け替える工事で、小田川に新しく整備された河道への通水が10月29日、開始された。これは2018年7月の西日本豪雨を受け、国土交通省と県・市が連携して進めている治水対策事業。来春の完成へ最終局面に入った。同日開催された通水式には事業を推進してきた公明党の谷合正明参院幹事長、日下正喜衆院議員、地元の県・市議らが参加した。
■決壊河川の付け替え工事で/来春完成、公明の連携で工期5年短縮
西日本豪雨では、高梁川の水位が上昇し、支流の小田川の流れがせき止められる「バックウオーター(背水)現象」が発生。小田川や、その支流の堤防が決壊したことで、真備町地区は市街地の大半が浸水し、51人が亡くなるなど甚大な被害を受けた。
19年6月に着工した治水事業は、小田川の高梁川への合流位置を約4・6キロ下流へ付け替えることで水位を下げ、バックウオーター現象を抑えるのが狙い。24年3月の完成予定を目前に、今回、合流点を付け替えるために設けられた小田川の新河道への通水が開始された。今後は、最終工程として、現在の合流地点を仕切って小田川と高梁川を分離する堤防の建設を進める。
公明党は、国会議員と地方議員の連携で事業を推進。工事の完成時期前倒しに総力を挙げ、当初10年かかるとされた工期の5年短縮などを実現した。
通水式であいさつに立った谷合氏は「真備の災害を目の当たりにした議員として命と地域を守る防災・減災、国土強靱化に一層取り組んでいく」と力説。日下氏は「公明党は、河川流域の住民と行政が一体となって水害に備える流域治水に総力を挙げたい」と決意を述べた。
式典終了後、谷合、日下両氏は、吉田徹、井出妙子、角屋忍の各県議、生水耕二、新垣敦子、薮田尊典、中西善之の各市議と共に小田川の新河道を視察。一行は「いよいよ工事は最終局面。円滑に進み、無事故で完成するよう推進していこう」と確認し合った。