2023年08月18日 1面
【マニラ17日=所正夫】公明党東南アジア諸国連合(ASEAN)訪問団の団長として、フィリピンを訪問中の山口那津男代表は17日、マーティン・ロムアルデス下院議長、ルーカス・ベルサミン官房長官と、それぞれ首都・マニラで会談した。力ではなく「法の支配」に基づいた国際秩序の確立へ連携を強化することで一致した。党訪問団の浮島智子政務調査会副会長(衆院議員)、谷合正明広報委員長(参院幹事長)が同席した。
下院議場で行われたロムアルデス議長との会談で山口代表は「日本とASEANが友好協力関係を結んで今年で50年の節目を迎える。両国の関係をより深めていきたい」と表明。12月に東京でASEAN特別首脳会議が行われることから、マルコス大統領らの来日に期待を寄せた。
さらに山口代表は、日本とフィリピンの共通点として台風や火山の噴火など自然災害の多さを指摘し、「災害を防ぐためのインフラ整備で協力を進めていきたい」と訴えた。また、日本の海上保安庁などがアジア諸国から留学生を招いて研修を実施する「海上保安政策プログラム」を通じた海上保安分野での人的支援・交流を今後も継続していきたいと述べた。
ロムアルデス議長は「両国の友好関係は、前例がないほど強くなっている。このつながりをさらに強めていきたい」と強調。これまでのフィリピンに対する日本の幅広い支援に感謝を表明した上で、法の支配を確立するための海上保安分野での連携強化を望んだ。
■ベルサミン官房長官とも一致
一方、大統領府で行われたベルサミン官房長官との会談で山口代表は「日本は東シナ海、フィリピンは南シナ海で力による一方的な現状変更の試みに直面しており、その意味での同志国でもある」と述べ、フィリピンの沿岸警備隊に対する支援を一層強力に進めていきたいと訴えた。
これに対してベルサミン官房長官は「日本は最も強い同志国だ。公明党が日本政府と一体となって、海洋における法の支配の確立に取り組んでいることに感謝している」と応じたほか、両国間での人的交流や文化交流を進めることに意欲を示した。