公明党薬物問題対策PT座長の谷合正明参院議員が提出に取り組んだ脱法ドラッグ規制の法案について、公明新聞に解説が掲載されました。以下、記事を転載します。
法案を参院に提出する谷合正明氏(左から2人目)ら=4月23日 国会内
公明など参院に改正案提出
覚せい剤や大麻などと同様の幻覚作用を持つ脱法ハーブが若者を中心に広まる中、公明党は4月23日、脱法ハーブに代表される違法な脱法ドラッグの規制を強化する、麻薬及び向精神薬取締法及び薬事法の一部改正案を、共産、社民両党を除く参院全会派と共同で参院に提出した。
麻薬取締官の権限強化
薬事監視員の抜き取り調査も可能に
同改正案は、脱法ハーブなど健康を害する化学物質として薬事法で輸入、製造、販売などを禁止している「指定薬物」の取り締まり強化が目的。このため麻薬取締官や薬事監視員の権限を強化する。
麻薬取締官は現在、麻薬や大麻、覚せい剤などの捜査・逮捕権限しかなく、指定薬物を取り締まることができない。その上、脱法ドラッグの販売は、暴力団などの犯罪組織によって行われることがあり、薬事法違反を厳しくチェックする薬事監視員による監視・指導には限界があると指摘されていた。このため、麻薬取締官に指定薬物を独自に捜査、摘発できる取り締まり権限などを持たせることにした。
また、薬事監視員などが、販売店など現場での立ち入り検査で指定薬物やその疑いがある物品を発見した場合、試験のために必要な最少分量を収去(抜き取り)できるようにする。拒んだ際の罰則規定も設けた。
脱法ドラッグは、薬事法に抵触しないようにハーブやお香などと称して露天やインターネットなどで販売され、若者を中心に乱用が広まり、社会問題化している。脱法ハーブを吸った人が自動車を暴走させる事故も目立つ。
改正案の提出に先立って、政府は今年3月、違法な脱法ドラッグを一網打尽にするため、薬事法で規制する指定薬物と成分構造が類似していれば一括して規制対象とする「包括指定」を行った。これにより2月20日現在の指定薬物数は851物質にまで拡大され、規制対象が大きく広がった。これは、いくら指定薬物に定めても、化学構造を一部変えただけの類似薬物がすぐに出回る“いたちごっこ”を繰り返しているためだ。
公明党は、これまでも脱法ドラッグを規制する薬事法改正や「包括指定」の導入をリードするなど違法薬物対策を推進してきた。さらに公明党は若者の間で広がる脱法ハーブなど薬物乱用を防ぐため、今国会での改正案の早期成立に取り組んでいく。
“夜回り先生”水谷修氏
改正案の早期成立を
現在、脱法ハーブなどに代表される脱法ドラッグが、若者たちの間に流行しています。この脱法ドラッグは、どれも、私たち専門家から見れば、依存性が強く、しかも、乱用者の脳や神経系に、一生にわたる障がいを残す、恐ろしい薬物です。
公明党は、いつも青少年の薬物問題について、熱心に取り組んでくださいます。若者の薬物使用の怖いところは、仲間内に伝染病のように一気に広まってしまうことです。一日も早い、法案の成立を望みます。
(公明新聞:2013年5月1日付より転載)