谷合参院議員(公明党青年委員長)が、青年委員会で活発に取り組んでいる「携帯電話の回収(レアメタル(希少金属)・リサイクル)」が各地で動き始めました。
以下、公明新聞の記事を転載します。
(東京事務所)
レアメタル・リサイクルへ
使用済み携帯など
公明党青年委員会が、その「青年力」を駆使した署名運動などを通して強く求めてきた、携帯電話などの小型家電を回収してのレアメタル(希少金属)・リサイクルの取り組みが広がっている。政府レベルでは、環境省が使用済み電気電子機器のレアメタル・リサイクル推進事業の年度内実施をめざすなど、本腰を入れ始めている。また、地方自治体でも、小型家電回収の先駆的な取り組みを行ってきた秋田県が10月から回収地域を全県域に拡大したのをはじめ、東京都や北九州市も新たに回収実験をスタートさせた。
大学や駅にBOX設置
周知徹底と意識向上がカギ/東京都
携帯電話や音楽再生機などの小型家電に含まれている貴重な金属の総量は、世界有数の貴金属鉱山の埋蔵量に匹敵するといわれる。しかし、各製品に含まれるレアメタルは、微量・多種類のため、その再資源化を図るには、大量の使用済み小型家電を効率よく回収できるシステムの構築が必要である。
東京都は10月2日から、都内の大学構内や地下鉄の駅など若者や人が集まる場所に専用の回収BOXを設置し、携帯電話の回収実験を始めた。11月30日まで回収に取り組むと同時に、意識調査も実施する。都は「今回の取り組みを足がかりにレアメタルのリサイクルを拡大していきたい」と意気込みを示している。
都の回収事業は、通信事業者団体の電気通信事業者協会などでつくる「モバイル・リサイクル・ネットワーク」の取り組みに協力したもので、同ネットワークが既に回収BOXを設置している携帯電話専売店や家電量販店だけではなく、いわゆる“公共空間”へと場を広げた形だ。
同ネットワークは2001年から自主回収に取り組んできたが、回収量は、当初の1300万台をピークに減少を続けている。07年度では約半数の644万台にまでに落ち込んだ。
減少の理由について、電気通信事業者協会は「端末を処分せずに手元に置いておく傾向が強まっている」と指摘。今年5月に行ったアンケート調査では「何となく」や「どのように処分したらいいか分からない」との消極的理由で手元に置かれたままになっていることも明らかになり、都民への周知徹底や、意識向上を図る必要性が浮き彫りになっている。都は「人口の多い東京都で実施されるということは、日本だけでなく、世界に向けてのPRにもなる」としている。
推進事業を前倒し実施/環境省
新システムの開発急ぐ/経産
署名運動 公明党の「青年力」が後押し
レアメタル・リサイクルの実現に政府も本腰を入れ始めている。環境省は、国会で審議中の2008年度補正予算案に使用済み電気電子機器のレアメタル・リサイクル推進事業を新たに計上。来年度実施予定だった施策を前倒しして、今年度中から取り組む計画だ。
この推進事業は、携帯電話などの使用済み小型家電に含まれる有害物質の適正処理を検討するとともに、レアメタル・リサイクルの回収↓中間処理↓製錬といった各工程での課題解消をめざす。斉藤鉄夫環境相(公明党)は「先頭に立って、あらゆる機会を通じて(回収を)呼び掛けたい」と国会答弁でその意気込みを表明した。
一方、経済産業省は、回収した小型家電を部品ごとに分解した後に、化学薬品を使ってレアメタルを抽出するリサイクル・システムの開発を急いでいる。
公明党は、今年5月から「携帯電話の回収、リサイクルの推進」に関する署名運動に取り組み、47万人の署名を政府に提出。谷合正明・党青年委員長は、「若者の視点や問題意識が出発点となった署名運動が、政府の取り組みを大きく後押ししたことに大きな意味を感じている。これからも公明党の『青年力』を発揮していきたい」と語っている。
地上の資源つくり出す/「もったいない」など“日本らしさ”世界へ発信
東京オリンピック・パラリンピック招致委員会事業部門マネージャー/相原正道氏
『携帯から「金」をつくる!』の著者で、東京オリンピック・パラリンピック招致委員会・事業部門マネージャーの相原正道氏に携帯電話リサイクルについて聞いた。
――なぜ、携帯電話リサイクルなのでしょうか。
相原正道氏 地下の資源が枯渇しつつあると言われているが、携帯電話などの中には「地上の資源」がたくさん含まれています。この「地上の資源」を、もう一度使えるよう「つくる」ことが大事です。
例えば、1トンの携帯電話から約150グラムの金をつくることができます。この数値は、世界最大の南アフリカの金鉱山よりも最大30倍の金鉱脈が含まれていることを示しています。
それは、日本が世界ナンバーワンの金鉱脈を持っていることであり、いつの間にか「黄金の国・ジパング復活」というほどの衝撃です。
――東京都も携帯電話の回収に乗り出しました。
相原 東京都が都道府県で初めて事業として始め、「地上にも資源がある」ということをPRしていることは、とても意義深い。
また、人口が多い東京都が取り組むことは、日本全国に対する啓発になるとともに、世界中に日本の環境技術やブランドを宣伝することにつながります。
携帯電話リサイクルには、日本の先端技術、絵文字メールやアニメなどの“ケータイ文化”、「もったいない」の精神という日本らしさがそろっています。
それは、海外から入ってきた「ロハス」や「スローライフ」などに負けないメッセージだと思います。
また、2016年の東京オリンピック招致に向けても、競技施設の7割をリユース(再使用)したり、人工の森を造成するなど、キーワードの一つは「エコ」です。
東京には、世界最先端の環境技術が集まっています。それを、携帯電話リサイクルとオリンピックで、どんどん世界に発信していきたい。
――公明党青年委員会は携帯電話リサイクル署名などの運動を行ってきました。
相原 私自身も東京オリンピック招致で署名運動をやってきたので、47万人の署名の貴重さを実感します。これだけ多くの皆さんが携帯電話リサイクルの取り組みを後押ししてくれていることは、『携帯から「金」をつくる!』の著者としても大変うれしい。皆さんとともに、携帯電話リサイクルを全国に広げていきたいですね。
(10/11付 公明新聞より転載)