本日2019年6月13日、公明党外交部会・SDGs推進委員会合同で「SDGs(持続可能な開発目標)達成への政策提言」を官房長官に提出致しました。以下、その提言内容を掲載します。
SDGs(持続可能な開発目標)達成への政策提言
公明党外交部会長 遠山清彦
SDGs推進委員会座長 谷合正明
SDGs(持続可能な開発目標)は、貧困、保健、女性、防災等の地球規模課題を含む広範な社会・経済・環境問題の解決を目指す国際社会の共通目標であり、国内の社会的課題の解決を図る上でも重要な目標である。「誰一人取り残さない」との理念は、一人の声を大切にしてきた公明党の伝統的な政治姿勢とも合致する。
国際的に、分断や対立によって社会不安が高まり、国内においても「人づくり」が重視される中で、人間の安全保障の理念に基づいた、人に焦点を当てるSDGsの取組はますます重要であり、政府においては国際社会及び日本国内の隅々までSDGsが浸透するよう努めていくべきである。
本年、我が国は、6月に大阪で開催するG20サミットや8月に横浜で開催するTICADⅦを迎え、さらに9月に開催される国連総会ではSDGs採択後初となるSDGs首脳級会合も予定されている。年内には、SDGs実施指針の改訂も予定されている。
SDGs達成の目標年である2030年まであと10余年。我が国はSDGs先進国を目指し、政府、自治体、NPO/NGO、企業、教育機関などがそれぞれの持ち味を生かし、国民の意識を高めながら目標達成へ向けて果敢に挑戦すべきである。公明党外交部会とSDGs推進委員会は、以下の通り、SDGsの一層の推進を政府に申し入れる。
○ 2020年東京オリンピック・パラリンピックや2025年大阪・関西万博の機会をいかし、国内外の関係者を一堂に集める「SDGs推進ステークホルダー会合(仮称)」の開催を検討すること
○ 「Society5.0」の推進にあたり、産業界や企業に対するSDGs経営への取組支援やスタートアップ事業者に対する支援を強化すること。特に中小企業・小規模事業者にSDGsの認知度と具体的な取組が広がっていくよう取り組むこと
○ 地方自治体におけるSDGs達成に向けた取組割合を2020年までに30%に向上させるとの目標を達成するため、地方創生推進事業の一環としての「SDGs未来都市」及び「自治体SDGsモデル事業」の選定など、SDGsに取り組む自治体が一層増えるよう自治体向け施策を強化していくこと
○ 女性や若者の活躍推進の施策をしっかりと図っていくこと。当事者の声が国や自治体の施策に反映されるよう、施策推進体制の仕組みを強化すること。また市民社会側との一層の連携強化をはかること
○ 新学習指導要領に基づき、児童生徒がSDGsやESD(持続可能な開発のための教育)について取り組む機会を十二分に確保すること。大学など高等教育におけるSDGsの普及にも努めること
○ 子どもの貧困対策や共生社会実現に向けた施策など、貧困を始めとする国内における社会的課題に対する取り組みの主流化を図り、推進体制を一層強化すること
○ G20やTICADⅦでは、SDGsを中心的課題の一つとして位置付け、特に質の高いインフラ、防災、海洋プラスチックごみ対策、気候変動、女性、保健、教育、食品ロス削減等の分野で、我が国が国際社会の議論をリードすること
○ SDGs達成のために必要な資金需要を確保するために、新たな資金調達法として休眠預金等活用の拡充や、「国際連帯税(仮称)」創設を検討すること
○ SDGsに係る施策の実施について、「SDGs推進法(仮称)」を策定し、関係省庁一丸となって推進すること