○谷合正明君 公明党の谷合正明です。
今日は、四人の参考人の皆様、大変にありがとうございます。
私の方は、男性の育休取得について絞って質問をしたいと思っております。
男性の育休取得率は過去最高になったものの、依然として女性の取得率に比べますと低いわけでございますし、政府の一三%の目標達成というのは本当にこれ容易ではございません。そもそも、男性が育休取得するかしないかに限らず、家事、育児に参加する時間というか、そもそもそこが非常に我が国は低いわけでございます。まずは本人の意識改革というのも必要だと思います。
その上で、男性にアンケートを取ると、育休を取得したいかどうかを希望を聞けば、取得したいとする割合が当然政府目標の一三%より高いわけです。したがって、取りたくても取れない、そうしたニーズをまず埋めていくということと、やはり裾野を広げていくということでは、大企業だけでなくて中小企業だとか、又はなかなか取りづらいと言われる非正規の方に育休の取得の取りやすさというのを裾野を広げていくということが重要だと思っておりまして、私は、そういう意味では、本人の意識改革のみならず、上司の意識改革という意味ではイクボスというのは本当に今極めて重要だなと思っております。
そこで、まず池田参考人からお伺いします。
参考人は、私、事前にいただいた資料の中で日経新聞の中の連載のコラムを読ませていただきました。その中で、いわゆる男性の育休取得について、表面的な制度利用の有無ではなくて、実質的に仕事と子育てを両立できるかを問う視点というのが大事ではないかというふうに言われております。今回の育児・介護法案というのはいわゆる緊急的セーフティーネットの対象でありますから、必ずしもこれが男性の育休取得につながるかどうかというのはこれはまた別の課題なんだというふうに、参考人の認識だと思います。
その意味で、改めて、この男性の育休取得をしていくためには、参考人の言われている実質的な仕事と子育ての両立ができる視点、これはどういうものかというのをもう少し具体的に教えていただければと思っておりますが。
○参考人(池田心豪君) コラムを読んでいただきましてありがとうございます。
まず、具体的な場面を想定してみたときに、先ほど父親産休の話ありましたが、産後の一か月の間、女性は出産した後やはり余り体を動かさない方がいいというふうに言われておりまして、私も子供が生まれたときにそのように妻は産院で指導されて、その間、じゃ家事、誰がやるんですかという問題が発生しますね。通常、里帰り出産したりとか実家のお母さんに来てもらったりということがあるんですが、夫婦でやりくりしていくときには、この一か月間、やはり男性が家事をしていく必要がある、つまり育児休業のやっぱりニーズが発生するというのがあります。
もう一つが、育児休業の今度その出口のところで、デュアルキャリアで、夫婦で共働きでやっている場合には、妻が復職する、その復職の時期を、ここは先ほど来、育児休業の延長で問題になっているところですね、休業期間を早める。一か月、二か月復職を早めるということであれば、当然、夫が一か月、二か月取るという、そういうことになるというのが、具体的なそういう夫婦の分担の場面に合わせたときに、どこに男性が休む必要があるのかということをやっぱり問題にすべきであって、表面的に五日取りました、一週間取りました、一か月取りましたということには余り議論を深める意味がないかなというふうに私は認識しております。
以上です。
○谷合正明君 ありがとうございます。
続いて、田島参考人にお伺いします。
審議会の中で、パパ・ママ育休プラスの利用率が非常に低いということが議論になって、今回、政府にもこの周知徹底というのを要請しているわけでありますが、そもそも、これ、何でここまで利用率が低いのか。それは周知が単純になされていないだけなのか、それとも制度にやはり使いづらさとか欠陥があるのか、あるいは、そもそも社会の意識の問題なのか、こういった点について、今後、政府に要因分析を求めているわけでありますが、参考人としての御所見どういうものかということと、やはり育休取得率の一三%の目標を達成するに当たっていろいろ議論がなされたと思います。男性にある程度義務付けを課した方がいいのではないかとか、いろいろあったと思いますが、参考人のこの一三%目標達成に向けての考え方についてお伺いしたいと思っております。
○参考人(田島優子君) パパ・ママ育休プラスの制度が活用されておりませんのは、まず第一に認知度が低いということが原因だと思っております。この制度があることを御存じの方は極めて少数でございますので、これをやはり政府の方でももっと周知徹底を図っていく必要があると考えております。
それから、仮にこれが周知されましても、やはり今の社会環境ではなかなか男性が育児休業を取りにくいという企業内の風潮がございますので、この点を改善していかないと、周知されても取得されるということにはならないだろうと考えております。
それから、企業の中でなるべくトップが男性の育児休業の取得を社員に行わせるという意識の下にイクボスの研修というのも強力に推し進めていけばかなり効果が出てくると思いますので、働き方改革も当然必要でございますけれども、そういう男性が育児休業を取るということについての社会の意識を早急に変えていく必要があるだろうと思っております。
○谷合正明君 ありがとうございます。
やはり意識改革という話が出ましたけれども、そこで駒崎参考人に伺いたいと思います。
私も国会議員連盟で男性の育児参加を進めようということでイクメン推進議連というものを立ち上げさせていただいたものですから、駒崎参考人の今日言われた男性の産休制度であるとか、あるいは障害者雇用の法定雇用率を参考にした制度であるとか、これは非常に有意義な提案だなというふうに思って聞かせていただいた次第でございます。
その中で、私も地元にいろいろ帰ってみると、やっぱり中小企業に勤めている従業員の方が圧倒的に多いわけでございまして、そういう話をすると、これは大企業では制度整っているけど、中小企業はやっぱりなかなか言い出せない雰囲気があると、制度もなかなか使った人がいないとか、制度も企業の中でどうなっているか分からない。
そこで、駒崎参考人は実際に経営者の立場でもございまして、今日提案いただいたこの男性産休であるとか、あるいはいわゆるペナルティーとしてのむちですよね、これもやっぱり中小企業というふうになるとなかなか一気に広めることはできないとは思いますので、改めて中小企業へのこの男性の育休取得の取得率、あるいは男性の家事、育児参加の、何ですかね、浸透をさせていくということについての御所見を伺いたいと思います。
○参考人(駒崎弘樹君) ありがとうございます。
よくその議論ってあるんですけれども、確かに大企業の方が制度は整えやすいんですが、風土をつくりやすいのはどちらかというと中小企業だったりします。つまり、制度ないけどうまいことやろうよみたいな形の雰囲気をつくっていくということは、実は中小企業、割とトップがやろうよと言ったらもうやるみたいな感じになったりしますし、中小企業は中小企業の変え方というのはあるかなというふうに思っています。
実際、イクボスアワードとかイクメンアワードをやっていく中でも、現場からの声だと中小企業でやっているところ多々ありますし、中小企業でも、制度的にはそんなにないんだけれども、働き方の自由度というのはこんなに高めてやっているんですよみたいな事例というのはかなり出てきているので、中小企業だからできないという感じでもないかなというふうには思っています。
ですが、法定雇用率みたいなものの制度化をするに当たっては、確かに、大企業の率は何%で中小企業の率は何%だよみたいな階段はつくってもいいかなというふうに思っています。それは障害者雇用の場でも同じかなというふうに思いますので、そこは段階は付けていくべきなんじゃないかなとは思います。
○谷合正明君 大変ありがとうございます。
時間の関係で三人の参考人にしか質問できなかったんですけれども、村上参考人、誕生日、改めておめでとうございます。そのことを申し上げまして、質問とさせていただきます。
ありがとうございました。