○谷合正明君 公明党の谷合です。
災害復旧について伺います。
五日現在、避難所生活を余儀なくされている被災者は、西日本豪雨では百十九名、北海道胆振東部地震では百五十五名と、一日も早い住まいの確保が必要でございます。政府には、自治体と連携し、万全の対応を求めたいと思います。
さて、岡山県の倉敷市では、真備町の被災者向けに、災害救助法に基づく応急的仮設住宅として、プレハブなどの建設型仮設住宅に加えまして、車両で運べるモバイル型住宅を国内で初めて採用しました。これ、配付の写真のとおりでございます。モバイル型住宅は耐震性、耐熱性などにおきまして一般住宅と同等以上でありまして、倉敷市は、メリットとして、迅速に設置、入居できること、再利用可能で解体処理が不要なこと、結果、トータルコストが低いことを挙げています。モバイル型住宅の在庫場所、部屋の間取りなどの情報を国が一元化し、迅速に確保できる体制を整えておけば、災害時に速やかな応急住宅の設置が可能となります。首都直下型地震などの際は広域かつ長期避難の受入れ施設として活用が期待されるところであります。
そこで、政府に伺います。いわゆるモバイル型住宅とはどういうものか、また災害時のモバイル型住宅についてどのように評価するか、また今後普及を検討すべきと考えますが、防災担当大臣、いかがですか。
○国務大臣(山本順三君) お答えをいたします。
モバイル型応急仮設住宅、いわゆるトレーラーハウスというふうに呼んでおりますけれども、これにつきましては、建設やあるいは設置が容易であるということもございまして、既に岡山県倉敷市真備町におきましては五十一戸のトレーラーハウス設置をされ、また、北海道胆振東部地震において被災した厚真町、安平町、むかわ町においても、第二期工事として十五戸のトレーラーハウス、これが十一月末までに設置される予定でございまして、被災地のニーズ等を踏まえた対応であるというふうに考えております。
議員御提案の在庫を持つこと、これは今御提案されましたっけ、このことにつきましては、想定する災害の被害、規模、場所等において、ストックをするスペース、これやあるいは数量に変動が生じるということ、また保管、管理する資材等の経年劣化、それから維持費、これも考慮しなければならないため、物理的に極めて難しいことではございます。
一方で、速やかにトレーラーハウスの供給ができるようにするために流通在庫の利活用が有効であること、また、このために都道府県が平時から事業者との協定を締結するなど、その体制整備を図っていくことが極めて重要であると。また、国がトレーラーハウスの設置事例から仮設住宅としての標準的な仕様の考え方をお示しするなど、発災後に迅速に供給できるように取り組んでまいりたいというふうに思っております。
○谷合正明君 この度の災害で初めて応急的仮設住宅として使用したものですから、まだ自治体によってはこうした存在を知らないというところが多いものですから、しっかり周知というか情報提供のほどをよろしくお願いしたいと思います。
さて、住宅再建は、被災地、被災者にとって最大の復旧復興課題であります。
倉敷市では、今月十三日から住めなくなった家屋の公費解体が開始されます。来年の九月までに公費解体を終わらせる計画となっております。一方、御案内のとおり、住宅業者は、来年三月までの契約は消費税八%、そして四月以降は一〇%の契約となります。公費解体の進捗によりましては、八%で契約となる人、一〇%で契約となる人が出てまいります。被災者生活再建支援金もありますけれども、住宅建設は大きな金額になるので何らかの措置が必要ではないかと、そうした声が実際に被災地、被災者から上がってきております。
まず、防災担当大臣にこの問題についての認識、また対応を伺いたいと思います。
○国務大臣(山本順三君) 今ほどお話ございました西日本豪雨を始めとする一連の災害による被災者の住まいの確保、再建のための支援としては、御案内のとおり、被災者生活再建支援金の支給というのがございますし、また、被災者の住まいの状況に応じて、独立行政法人住宅金融支援機構の融資、それから災害援護資金等の貸付け、災害公営住宅への入居、災害救助法に基づく住宅の応急修理など、総合的な取組を現在進めてきているところであります。
内閣府といたしましては、今後とも、被災者の住まいが円滑かつ迅速に確保できるように、被災者の、被災地の声をよくお聞きし、関係省庁と連携しながら取り組んでまいりたいというふうに思っております。
○谷合正明君 実は、すまい給付金という制度もあるんですが、これは所得制限も掛かっております。このすまい給付金は、東日本大震災ではこれ対象を所得制限なしで、また額も拡充して適用しているところでございます。また、ほかにも、熊本地震による被害からの復旧、今後の災害への対応の観点から税制上の措置も住宅関係でやっているところでございますので、これは住宅の話で、来年の消費税の話もありますので早急に政府として対応を検討していただきたいということを被災地の声を代表して申し上げたいと思います。
それから、農業について質問いたします。
この度の災害では、農業用ハウスの倒壊被害が深刻でございました。農水省は、被災者向け経営体育成支援事業を発動しまして農業用ハウスの再建に財政支援することになりまして、一日も早い営農再開を願うものであります。しかし、どの災害でもこの国の支援事業が発動されるわけではございませんで、一般に、災害では園芸施設共済での対応が基本となると思います。
ところが、この共済に加入している割合というのは、配付した資料にお示ししておりますが、都道府県別に数字がばらばらでございまして、吉川大臣の地元では高い加入率があるんですが、低い自治体もあります。今回、災害が少ないと言われ、加入割合が低い府県でもハウス倒壊が相次いだということであります。一方、農家サイドからは、保険料が高い、補償が少ないなどの声も聞きます。
政府として、この施設共済の加入状況をどう認識しているか、また、メリットをしっかり感じられる共済、加入しやすい仕組みに改良していくべきではないかと思います。目標を決めて加入促進を図るべきだと思いますが、農水大臣の見解をお願いします。
○国務大臣(吉川貴盛君) ただいま谷合委員から御指摘をいただきましたとおり、この園芸施設共済の加入につきましては、本当に都道府県ごとに見ると大きな差が見られます。この加入率は全国平均で四三%でございます。自然災害が多発する中で、施設園芸を営む農業者の皆様には、災害に自ら備えていただく観点から、園芸施設共済に加入していただくことが最も重要であろうと考えているところでございます。
そこで、これまで、利用者が加入しやすい仕組みにする観点から、補償内容を大幅に拡充もいたしました。さらには、共済金の支払を受けなければ掛金が下がる危険段階別掛金率を導入するなどの見直しを行ってきました。さらには、加入促進の観点から、農業共済団体によります全ての未加入者への戸別訪問などにも取り組んできたところでございます。また、私も、大臣を拝命いたしましてから、農業共済団体の皆さんには、少しでも多くの農家の皆さんがこの共済に加入をしていただくように働きかけを更に続けてほしいという要請もしてまいりました。
本年から、降雪前の十一月と台風前の六月を災害に強い施設園芸づくり月間と設定いたしまして、パンフレットやポスターの作成、配布、さらには農林水産省の職員が地方公共団体や農業団体に対する要請、キャラバンでありますけれども、重点的に今実施をしているところでございます。
加入率につきましては数値目標を定めてはおりませんけれども、より多くの方々に加入していただけるように、これからも加入を促進をしてまいりたいと存じております。
○谷合正明君 続けて、農業について質問します。
営農再開のためには一日も早い農地の災害復旧も必要でございます。農地、林地などの災害復旧事業では、市町村への補助金決定のためには、市町村がまず災害査定を行わなければなりません。ですので、災害査定はこれから実は本格化してまいります。
年末までにと言われている災害査定に間に合うかどうかというのが今市町村にとって気が気でないところでございまして、政府としてこの災害査定の時期に関して状況に応じて柔軟に対応すべきでありまして、自治体の災害査定が速やかに終わるよう支援していく必要があると考えておりますが、大臣の見解、いかがでしょうか。
○国務大臣(吉川貴盛君) 谷合委員におかれましては、直前まで農林水産の副大臣として災害対応に当たっていただきました。心から敬意を表したいと存じます。
今年は本当に災害が多い年でもございまして、これまでに、農地、農業用施設に約七万か所、金額にいたしまして約二千億円、十一月一日時点でありますけれども、甚大な被害が発生をいたしておりまして、一月三十一日までのこの補助率増嵩申請に間に合うように災害査定を今進めているところでありまするけれども、具体的には、災害査定を迅速に進めるためには、机上査定上限額の引上げ、さらには航空写真等を活用した設計図書の簡素化などの大規模災害時の災害査定の効率化を適用いたしまして、被災自治体の業務や期間等の縮減を今図っているところでございます。
また、それぞれの災害の発災直後から、被災の市町村に対しまして国の技術職員を今まで延べ約二千八百人派遣をしてまいりました。ちなみに、委員の御当地は、岡山県四百九人を派遣をしてまいりました。この派遣をいたしまして、復旧工法の指導や査定設計書の作成支援等を行ってきております。
また、現在も査定件数の多い広島県の市町村には十九人、北海道内の市町村にも四人の職員を派遣をいたしておりまして、災害査定のモデル設計書の作成を通じて市町村の職員が迅速に査定準備が進められますように技術指導を行っているところでもございます。
これからも全力で支援をしてまいります。
○谷合正明君 よろしくお願いします。
最後に、中小企業のグループ補助金について聞きます。
岡山、広島、愛媛三県ではグループ補助金が発動されました。中小企業にとってはこの制度は命綱でございます。
さて、小規模事業者からは、当面借入れをして対応予定であり、補助金の仮払いを可能にしてほしいという声も聞きます。いずれにしましても、個々の企業は資金繰りが大変な状況でございますので、いち早く採択をし、補助金決定を、交付をしていただきたいと思います。
そこで、経産大臣に、このグループ補助金の申請、採択の状況と今後の見通し、また、そうした小規模事業者の配慮を伺いたいと思います。
○国務大臣(世耕弘成君) このグループ補助金は、東日本大震災あるいは熊本地震で措置をいたしまして、中小・小規模事業者の皆さんから大変助かったという声が出ているわけであります。今回の七月豪雨災害でも、八月に予備費で四百一億円、さらに、今御審議いただいている補正予算には三百十四億円を計上させていただいています。
そして、都道府県における事務が円滑に進むよう、この予備費で措置をした直後から、岡山、広島、愛媛の三県に、過去、東日本大震災や熊本地震で実務に当たった、このグループ補助金に精通した職員を派遣をして支援を行ってまいりました。
その結果、もう現時点で既に四十八グループ、千者以上が認定をされておりまして、早ければ今月下旬には第一弾の補助金交付決定が行われる予定になります。これは、熊本地震と比べますと、おおむね一週間程度作業が早く進んでおります。逆に、国と自治体の作業が早過ぎて、一次公募に間に合っていない方もいらっしゃるかもしれません。これは、追加公募ですとか、県によっては随時募集ということをやっていますので、しっかりと今後追加の公募にも対応してまいりたいというふうに思っております。
○谷合正明君 そういうまだこれから申請する被災企業もございますので、是非、不採択になるのではないかなという心配の小規模事業者もいますので、しっかりとそうしたメッセージを発信して対応していただきたいと思います。
一日も早い復旧復興のために全力を挙げることをお誓いしまして、質問を終わりたいと思います。