○谷合正明君 公明党の谷合正明です。
私の方からも、まず、この度の熊本地震でお亡くなりになられた方々に対します心から御冥福をお祈り申し上げますとともに、被災者の皆様に心よりお見舞いを申し上げます。
この度の熊本地方を震源とする地震によりまして、四十九名の方、また震災関連死の方も含めますと六十二名の方が犠牲になりました。また、安否不明の方が一名いらっしゃるということでございます。重傷者が二百八十三名、この数字は消防庁の速報を基に申し上げておりますけれども、重傷者が二百八十三名、また、全壊世帯が千六百九十六世帯、半壊世帯が千六百十六世帯、そして、避難者は約四万八千人ということでございます。
こうした大規模な災害に際しまして、我々公明党といたしましても、この土日は特に、九州地方関係の国会議員、河野義博理事も九州の被災地に入っておりますけれども、政府、自治体とともに緊密に連携いたしまして、また、民間の関係者の皆様と協力をしながら、被災者支援、被災地復旧のために全力を挙げてまいる所存でございます。
そこで、まず、被災者の住まいの確保という点について確認したいと思います。
十四日の最初の地震から既に十二日がたちました。ただ、いまだ余震が続くという中でありまして、被災者の方の生活、不安の中での生活というものが続いております。その中で、一刻も早く避難所から、また車での不自由な生活から、安心した避難生活、生活環境、住環境に移っていくことが極めて重要であります。
現在、住宅が全半壊した被災者に対しましては、既に県営住宅の空き部屋への入居募集が始まっております。また、応急仮設住宅についても、熊本市や被災市町村が建設の検討や適地探しを始めております。東日本大震災のときと同様に、みなし仮設住宅の需要も大きいというふうに伺っております。そうした中、罹災証明のための職員派遣ですとか、あるいは公的住宅の空き部屋提供でありますとかプレハブ住宅メーカーへの早期供給要請など、国としてもできることを最大限やっていただきたいと思っております。
そこで、被災者の生活再建、住まい再建に対する国としての支援策をまず伺いたいと思います。
○政府参考人(林俊行君) お答えいたします。
罹災証明についてお尋ねがありました。
罹災証明につきましては、応急仮設住宅の供与あるいは被災者生活再建支援金の支給など、様々な被災者支援策の適用の基礎となっておりまして、被災者の生活再建、住まいの再建のために、政府として最優先で交付の迅速化に取り組む必要があると考えております。
このため、内閣府におきましても、四月二十日に熊本県、四月の二十一日に大分県に職員派遣を行いまして、この被害認定のための説明会を行わさせていただきました。また、まずは国の職員を被害認定のためにということで、一両日中にも九州財務局の職員を派遣をしたいと考えております。
また、現在、県を通じまして、市町村に対しまして、必要となります応援職員数の確認を行っております。これについて県で取りまとめていただいた後、九州地方知事会などの協力を得まして、応援職員の追加派遣を行わさせていただきたいと思っております。
○政府参考人(由木文彦君) 続きまして、私から、公的住宅、それから応急仮設住宅についてお答え申し上げます。
被災をされた方の応急的な住まいを確保いたしますために、四月の十八日に私どもの方から全国の都道府県等に対しまして、公営住宅などの空き住戸の提供への協力を要請をいたしました。
現在、被災者に提供可能な公営住宅等の空き住戸につきましては、全国で九千五戸を確保いたしております。このうち、昨日までに、熊本県内において入居決定したものは四十四戸、県外の九州各県においてURを含めまして入居決定したものは二百三十二戸、これらを含めまして全国で入居決定したものは三百十三戸という状況になっております。
また、応急仮設住宅の建設についてでございますが、熊本県は、一般社団法人のプレハブ建築協会とそれから県の地元二十二社から成っております熊本県優良住宅協会、この二協会との建設協定を結んでおります。私どもは、四月の十四日にこの一般社団法人のプレハブ建築協会に対しまして、県からの要請があり次第速やかに対応できるよう準備をしてほしいという要請をいたしたところでございます。
これを受けまして、同協会は、今、熊本県と現地において協議を開始しているところというふうに承知しております。現在、この熊本県の優良住宅協会とプレハブ建築協会、合わせまして約三千戸の応急仮設住宅について工事に着手する準備があるということを県の方で確認している状況であるというふうに聞いております。
また、あわせて、昨日でございますけれども、UR、岩手県、宮城県及び福島県から職員の八名を応援のために熊本県に派遣をしたところでございまして、今後、この仮設建設の状況に応じまして、更に増員で派遣をしていくことも検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。
○谷合正明君 住宅の早期の確保についてしっかりと努めていただきたいと思いますし、また、被害認定という話もございました。今後、今全国各地で災害義援金ということで多くの有志の方が募金をされているわけでありますけれども、それを被災者の方にお見舞金として配分していくに当たっても、実際の被害認定も極めて重要になってまいりますので、こうした点についても内閣府においてもしっかりと対応していただきたいと思います。
特に、今回の災害におきましては、道路そして鉄道、飛行機ということで、交通インフラの影響もあったわけであります。先ほども大臣の答弁からもありましたけれども、この交通インフラの早期回復というのは、被災地の復旧のためにも、また九州全体の物流の回復のためには極めて重要でございます。
九州新幹線についての復旧のめどについては先ほど来答弁が出ておりますのでそこは省きますけれども、ただ、この九州新幹線というのは整備新幹線です。整備新幹線として開通した路線としては初めての本格的な地震被害と思われます。比較的新しい設備が損傷したことに対する国土交通省の認識をまず伺いたいと思います。
○政府参考人(藤田耕三君) 九州新幹線につきましては、一九九五年の阪神・淡路大震災を受けて見直されました耐震基準に基づいて整備をされております。このため、高架橋等には倒壊につながるような大きな損傷は確認をされておりません。
ただ、一方で、今回の地震では防護壁の落下でありますとか熊本駅での天井からの落下物など、いわゆる非構造部材に損傷を生じております。国土交通省としましては、これらの事象を含めまして今回の熊本地震における被害を検証した上で、今後の鉄道、新幹線の耐震対策について検討を行ってまいりたいと考えております。
○谷合正明君 非構造部材の問題があったという御認識が示されました。これは東日本大震災のときにも体育館なんかの天井のぶら下がっているものが落ちてきたということで被害があったということで、ここは非構造部材についても極めて重要な課題であるというふうに私も思います。是非、そうしたことも含めて今後の対応をしていただきたいと思います。
ここで確認ですけれども、九州新幹線はいわゆるJR九州と鉄道・運輸機構の上下分離方式でやっておりまして、機構が新幹線施設の建設、保有をしてJR九州に施設を貸付けするという方式かと認識しておりますが、今回、このような災害のときの工事、復旧の負担というのはどちらが負担をするのでしょうか。また、この度、JR九州の経営について与える影響というのはどういうようなものがあるんでしょうか。
○政府参考人(藤田耕三君) 九州新幹線を含む整備新幹線におきまして地震等による被害が生じた場合、その取扱いについては、鉄道・運輸機構とJRとの間の貸付協定で定められております。九州新幹線につきましては、JR九州が土木構造物保険に入っておりまして、貸付協定におきましては、この保険でカバーされる範囲を超える部分の負担についてはその都度、鉄道・運輸機構とJR九州が協議して定めるということにされております。
今回の九州新幹線の復旧工事費については、現在、JR九州が応急復旧工事を全力で行っているところでありますが、最終的な復旧工事費について今後精査される予定であります。この精査結果等を踏まえて、貸付協定に従って対応されることになるものと考えております。
それから、経営への影響でございますけれども、現時点では、九州新幹線の不通による減収額あるいは被害を受けた鉄道施設の復旧に係る費用、これがまだ明らかになっておりません。このため、JR九州の経営への影響ということを見通せるまでには少し時間が必要であると考えております。
○谷合正明君 続きまして、熊本空港のことについて質問をいたします。
先ほどの答弁でもございましたが、現在、七割程度の便数まで回復しているという話でございました。高速道路や新幹線は全線開通ということで、数日以内にもということでございますが、一方で、この熊本空港につきましても、周辺地域を含めた物流でありますとか人の流れの確保のためにも、一刻も早い完全復旧、機能回復が待たれると考えますけれども、この熊本空港の復旧の課題、今後の見通しについて、熊本空港の設置管理を行う国土交通大臣に確認をさせていただきたいと思います。
○国務大臣(石井啓一君) 熊本空港におきましては、十九日より旅客便の運航が順次再開をされまして、現在、通常の約七割に当たる約五十便が運航されております。空港ターミナルにつきましても、二十三日より使用できる搭乗ゲートが一つ増えて四つとなりまして、これにより当面の輸送需要には十分対応できると考えております。ちなみに、四月二十四日の搭乗率はおおむね六〇%程度でございます。
一方、空港ターミナルにおきましては、依然として一部天井の崩落などのおそれがあるなど非常に大きな被害が生じておりまして、立入りが制限される区域も多く存在している状況であります。国土交通省といたしましても、早期の復旧に向けて、被害の全容解明や、それを踏まえた対応につきまして、引き続き、空港ビル会社等の関係者と調整を行ってまいりたいと考えております。
○谷合正明君 分かりました。需要に応じた形というのもあるとは思いますけれども、早期の復旧というものも併せて私の方からお願いしたいと思います。
それでは、交通インフラに引き続きまして、次に、河川堤防や土砂災害についての今後の対応について伺いたいと思います。
まず、河川堤防でございますけれども、四月二十四日の時点で国管理の河川の区間において、百三十八か所でしょうか、堤防の亀裂や沈下等が確認されているとのことであります。今後、二次災害が発生することを回避しなければなりません。
そこで、堤防の緊急災害復旧工事の現状、どのようになっているのか、今後の対応を含めてお伺いしたいと思います。
○政府参考人(金尾健司君) お答え申し上げます。
今回の地震により、熊本県内の国管理河川においては、これまでの点検により、堤防天端のひび割れや堤体の沈下等の変状を三水系六河川、百三十八か所で確認しております。そのうち、比較的変状の小さな被災箇所につきましては、既にひび割れの補修などの応急対策を完了させております。また、堤体の変状が比較的大きい緑川水系の十一か所につきましては、変状した堤防の盛土をやり直すなどの緊急的な復旧工事に着手をしておりまして、今月中に完了する予定で鋭意取り組んでおるところでございます。
また、熊本県と熊本市の管理する河川においては、現在までに四十三河川、二百三十七か所で堤防等の被災が確認されております。これらの河川についても、熊本県、熊本市において現在応急対策を実施しており、本格的な梅雨期に備えるべく、できるだけ早く完了するよう、鋭意取り組んでいるところであると伺っております。
○谷合正明君 分かりました。梅雨期に備えましてしっかりと対応していただきたいと思いますし、東日本大震災のときでも堤防の損傷などの被害が出ておったわけでございますので、この度の災害が起きた地域のみならず、全国的に堤防の安全点検というものもしていただきたいというふうに思っておるわけであります。
次に、土砂災害について伺います。
南阿蘇村では大規模な土砂災害が発生しまして、国道が寸断されるなどの被害が生じました。阿蘇周辺におきましては、火山灰の積もった土地という性質上、土砂崩れが生じやすいというふうに聞いております。梅雨の時期を迎えるに当たりまして、被災地域全体において地震の影響により地盤が緩んでいることから土砂災害が生じやすい状況になっております。現在の土砂災害、確認されているもので熊本県で六十九か所あるというふうに伺っておりますし、細かく見れば、土石流がどうなのか、地すべりがどうなのかと。また、これは熊本県だけじゃないと思います、大分県等にも広がっていると思います。
この二次災害の発生を防ぐためにも被災地域全体にわたって土砂災害対策を行う必要があると思いますけれども、国土交通省の見解を伺いたいと思います。
○政府参考人(金尾健司君) お答えを申し上げます。
今回の地震により地盤が大変緩んでおりまして、被災地では降雨が続いていることから、引き続き土砂災害に十分注意する必要があります。このため、土砂災害警戒情報の発令基準を引き下げて運用するとともに、住民に対して危険なところに近づかないよう注意喚起を行っておるところでございます。
また、今後の降雨に備え、緊急度の高い危険箇所、これは約一千百か所ございますけれども、この点検を実施しており、特に緊急度の高い箇所は県、市町村に速やかにお知らせするとともに、その他の箇所も含めまして今週中に結果を取りまとめてお知らせする予定でございます。
さらに、市町村等からの土砂災害に関する調査の要請に対しまして、土砂災害対策アドバイザー班が現地を確認し、必要な助言を実施しております。特に被害が大きい南阿蘇村の山王谷川や立野川地区などにおいては、土砂で埋まった河川の掘削や大型土のうの設置など、熊本県が専門家の助言を聞きながら応急工事を実施しているところであります。
今後とも、二次災害防止のため自治体への支援に引き続き全力で取り組んでまいります。
○谷合正明君 是非よろしくお願いいたします。
最後に、大臣に改めて震災対応への決意を伺って質問を終わりたいと思いますが、今日、私の方から、被災者の皆様への住まいの確保について、そして新幹線や航空、飛行場等の交通インフラの早期回復について、そして河川堤防や土砂災害に対する備えについて質問をさせていただきました。国土交通省はこのこと以外にも様々道路のことも含めて所管することが多いわけでありますけれども、改めまして大臣のこの度の熊本地震に対する対応の決意を伺って質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(石井啓一君) 安倍総理からは、できることは全てやるという方針で、政府一体となって、被災者そして被災地の復旧のために全力で取り組んでほしいという指示をいただいているところでございます。
国土交通省といたしましても、交通インフラや住まいの確保など、被災地の復旧に今後とも全力で取り組んでまいりたいと存じます。
○谷合正明君 終わります。どうもありがとうございました。