○谷合正明君 公明党の谷合正明です。
まず、平成二十六年、この夏以降、集中豪雨、また大雨、台風被害等で犠牲になられた全ての方に御冥福をお祈り申し上げますとともに、被災された皆様に心よりのお見舞いを申し上げたいと思います。
私も、今月二十一日、二十三日と広島市の安佐南区、安佐北区の災害現場と、それから避難所を地元議員と共に回りました。そこで感じたことは幾つかあるわけでありますが、一つは、本当にこの今回の災害が、規模が本当に大きいものだったということを実感をしました。
そして、よく言われているとおり、広島の土壌が真砂土という崩れやすい土壌であるからということも当初は言われておりましたけれども、一方で、一つ違う沢に行くと岩がごろごろ流れて、崩れているようなところもあって、要するに、水を含んでも流れにくい堆積岩も崩れてしまったのではないかというふうに言われている、それぐらい大きな被害であったと思っております。そういう意味で、しっかりと検証していく必要があるんだろうなと私は思っております。
また、何といいましても、住宅街あるいは生活道路に土砂がいまだに堆積をしているという状況ですから、これを一刻も早く除去をしないと生活再建というところに行かないと。これは精神的にも物理的にもこのことは言えていると思っております。
それから、テレビで報道される現場ばかりに注目が集まってしまうわけでありますが、同じ町内でもちょっと一歩外れると全く注目されていないんだけれども実は被害があったりですとか、また、違う町内でもそこに行く道路のアクセスがなかったりですとか、様々私自身も現場に行って反省したわけでありますが。
実際に歩いてみますと、住民の方からちょっと話を聞いてほしいと。一見すると新しい、新築の家で全く被害がなかったかのような住宅が何軒かあったわけでありますが、よく見ると住宅の裏ののり面の部分が住宅の基礎の部分から崩れ落ちていて、これはちょっと危ないという状況が一見してあるわけでありますが、しかしながら、その住民の方にそこに住んでいいのかどうかさえ情報がまずないわけでありまして、もっともっと本当に被災者の小さな声というか声なき声もこれから真摯にこれ耳を傾けていかなければいけないなと私は思いました。これは、広島の現場のみならず全国各地の現場でもそうだと思っております。
今回、質問させていただきますけれども、全国に共通する課題といたしまして、避難勧告、土砂災害防止法、そして被災者支援について質問をいたしたいと思います。
まず、避難勧告についてでありますが、これは先ほど来委員会の中でも指摘がありますが、今回の避難勧告が、実際、土砂災害後に発令したということであります。これは、マスコミの報道からで、市当局の声として、例えば、夜間であること、避難所に職員を事前に配置しなければならなかったとか、あるいは空振りによる避難勧告の信頼度の低下といった声が上がってきたわけであります。
まず、この避難勧告のタイミングであるとか、こうした声について、大臣の受け止めというのはどういうものかと。そうしたちゅうちょした理由というものはやむを得なかったものなのか、あるいは、これを今後ほかの自治体は何を教訓としていかなければならないと、この辺りをまず最初に大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(古屋圭司君) 今回は深夜ですので、いろんな理由は今委員御指摘のようにあろうかと思いますけれども、結果として避難勧告の発令が遅れましたよね。これはもう現場の消防責任者も言明していますので、それを言ったことは非常に残念ですね。
やはりこういった避難勧告・指示というのは災害が起きてからでは遅いんですね。事前にしっかり出すということだからこそ、私も空振りを恐れずにということを常に申し上げていたわけでありまして、やはりそういった認識を住民の皆さんも、そして首長さんも持っていただくことが必要だと。
ちなみに、今年の五月ぐらいだったと思いますけれども、水害で被害を受けた首長さんが、三十ぐらいあるんですが、水害サミットという勉強会をつくっていまして、そこで報告書を出したんですね。冒頭に首長十一か条というのがありまして、これは非常に分かりやすいんです。第一条に、避難勧告はちゅうちょするな、第二条、判断の遅れが致命傷になると書いてあるんですね。やっぱり、これは本当に首長さんに、水害で本当に苦労された皆様方が何年にもわたって議論してきた結果作った報告書でございますので、そういったことはしっかり首長さんも受け止めていただきたいなというふうに思います。
○谷合正明君 ありがとうございます。
今回、広島市が避難勧告を出せるタイミングは幾つかあったのではないかというふうに指摘をされております。その一つが、土砂災害警戒情報というものが発令された、これは二十日の午前一時十五分だと思いますが、この時点であったとも言われております。
これは平成二十二年なんでしょうか、土砂災害で避難勧告を出した市町村にその理由を聞いた調査で最も多かったのが土砂災害が予想されたためと、次に土砂災害が発生したということで、三番目の理由で土砂災害警戒情報となっております。
まず、この土砂災害警戒情報が発令された時点で避難勧告を出すというふうにしている基準、そういう基準を持っている市町村というのはどの程度あるのかということを把握されているのか。そして、内閣府でこの度ガイドラインの案をまとめられておりますけれども、この土砂災害警戒情報の発令時点で避難勧告の発令にしていくということが示されているわけでありますが、改めて、今回の災害を受けて、避難勧告の発令にしていくことを自治体に強く促していくべきではないかと思いますが、確認させていただきたいと思います。
○政府参考人(日原洋文君) お答えいたします。
土砂災害警戒情報を避難勧告の発令基準としている自治体の数というのは現時点で把握しておりませんので、今後調査をしてまいりたいというふうに思っております。
なお、広島市につきましては、元々土砂災害警戒情報以外の発令基準を持っておりましたけれども、それに加えまして土砂災害警戒情報も発令基準の一つとして設定したものと承知しております。
避難勧告の判断・伝達ガイドラインにおきましては、土砂災害警戒情報を避難勧告発令の判断基準として示しております。これは、今お話がございましたように、土砂災害のおそれがある場合という曖昧な基準ではなかなか判断ができない。特に、土砂災害が起きるか起きないかというのは、先ほど来お話しのように、かなり専門的な知見が必要になってまいります。土砂災害警戒情報は、地質の状況でありますとか、その間におきます土壌におきます水分量等々、あるいは気象庁におきます今後の降雨の予測等を全部計算した上で一定の基準に基づいて出しておりますので一番確実であるということから、それを発令基準として使うようにガイドラインでは定めたところでございます。
四月にガイドラインを定めた後、特に土砂災害についてはいち早くこれを使うようにということを注意喚起しておったんですけれども、更に改めてその徹底を図ってまいりたいというふうに考えております。
○谷合正明君 避難勧告等の判断・伝達マニュアル作成ガイドライン案についてでありますけれども、ここでは、やはり一年から二年の試行期間を経て確定していくということになっているわけでありますが、今少し答弁で触れられておられましたが、土砂災害のような場合はこのガイドラインをすぐにでも取り入れることができるというふうになっておりまして、高潮被害などと違って、今回のような災害を教訓として、改めて速やかに各自治体でこのガイドラインの案をこの土砂災害の部分については反映してもらうように徹底していくべきではないかということを要請したいと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(日原洋文君) お答えいたします。
委員御指摘のとおり、通常の洪水氾濫の場合には地域においていろいろな考慮すべき要素がいろいろ入ってくるわけでございますけれども、土砂災害に関しましては、基準については土砂災害警戒情報を基準として発令してほしい、それから、対象エリアについては土砂災害の警戒区域、警戒区域がない場合には危険区域、地区というものを対象に、その隣接地も含めてですけれども、発令してほしいということをガイドラインに定めておりますので、どちらかといえば迷いはないという部分がございます。
それと、一旦災害が発生した場合に人的被害に直結する可能性が高いということで、そういう観点から、実は土砂災害と津波に関してはこのガイドラインの中でも早期に適用をお願いしてきたところでございますけれども、その趣旨がまだ徹底していないようですので、再度徹底してまいりたいと思います。
○谷合正明君 それから、もう一つ細かいところで、避難勧告の一歩手前で避難準備情報というのがありますよね。今回、広島のケースでは、気象条件の関係でいつの時点で発令できたのかというのは難しい側面もあるとは思うんですが、まず、発令されたか否かの事実を確認したいとともに、基本的に、この避難準備情報というのは今自治体ではそれが発令できる体制に整備されているのかどうか、全国的な話として、その点を確認させていただきたいと思います。
○政府参考人(日原洋文君) 広島市におきましては、避難準備情報という名称ではございませんが、先ほどもございました、大雨警報が出されたときに、その警報が出されたので早めの避難を心掛けてくださいというようなことを行っております。
具体的に申しますと、二十二時に広島市に大雨洪水警報、注意報が出ているということで、崖の近くなど土砂災害の発生しやすい地区にお住まいの方は、異常を感じた場合、早めの避難を心掛けてくださいということを伝えております。また、一時四十一分には、広島市に土砂災害警戒情報が発表されたということで、同じように早めの避難を心掛けてくださいということを言っております。それから、二時五十分にも同じようなことを出しております。
ということで、早めの避難を心掛けてくださいという通知はいたしておるんですけれども、通常の避難準備情報とちょっと違うのは、通常は避難準備情報を出した場合には避難所を開設した上で準備情報を出すケースが多いんですけれども、広島市の場合には、知人とか友人、そういった自分の知り合いの中で安全な場所に避難してほしいというような前提でこの早めの避難を呼びかけているというところが避難準備情報と若干違うところかと考えております。
○谷合正明君 分かりました。
住民にとってみると、その辺の情報の、何というか、意味合いが正確に認識されていたのかどうかということもあると思いますし、それから、このガイドラインの案でもやはり避難準備情報にも触れられておられます。これは、要するに避難勧告の一歩手前で、いわゆる災害弱者と言われるような方々にとって有益な情報提供というのが趣旨でございますから、今回、災害の犠牲になられた方にはやっぱり災害弱者と言われるような方々が含まれているわけでありますから、この辺りも検証をしていただきたいと思っております。
次に、国交省に来ていただいておりますが、ゲリラ豪雨の雨量観測の精度を上げるためのXバンドマルチパラメーターレーダーの配備状況と増設について確認させてください。
今、このXバンドマルチパラメーターレーダーが政令指定都市をカバーする全国大体四十か所に配置されているかと思いますが、気象庁としても、このゲリラ豪雨に対して警報を出す参考にする有益な情報として、このXバンドMPレーダーを有益な情報として見ております。
人口密集地でも局地的に豪雨災害が起きるという今回を教訓として、政令市もそうですけれども、例えば人口が多いところ、県庁所在地等、もう少しこのレーダーを広げていくべきじゃないかなと私は思っております。この点についていかがでしょうか。
○政府参考人(池内幸司君) 今委員御指摘ございましたXバンドMPレーダーは、人口、資産が集中しております指定都市等におけるゲリラ豪雨対策として整備を推進しているところでございます。整備状況を申し上げますと、今後、平成二十六年度中に一基、平成二十七年度中に一基追加いたしまして、平成二十七年度中に三十九基による観測体制となる予定でございます。
あと、既に日本全国をカバーしております既存のCバンドレーダーにつきましても、このXバンドMPレーダーで新たに培いました技術、そういったものを導入いたしまして、XバンドMPレーダーに近い精度を出せるような高精度化にも、高性能化にも取り組んでおるところでございます。
このXバンドMPレーダーとそれからCバンドレーダーを適切に組み合わせることで、全国でほぼリアルタイムでより詳細な降雨観測を実現できるように検討してまいりたいというふうに考えております。
以上でございます。
○谷合正明君 適切に組み合わせていただきたいんですが、山間部ではなかなか技術的には難しいとも聞いております。一方で、例えば政令市以外のところでも富山とか金沢をカバーしたりしているわけでありますから、もう少し柔軟に増やしていっていただきたいと私たちは思っております。
それで、避難勧告については、私はもっと早く出せなかったのかという趣旨でこれまで質問をしてまいりましたけれども、大臣に、ちょっと違う角度になってしまいますが、やはり一方で、災害が起こる前に必ず勧告が出るという考えは捨てるべきであるという、そういう指摘もあるんですね。それは私もまあもっともだなと思っております。
そういうことを考えますと、やはり特に危険箇所にお住まいの方の住民の防災意識を高めていくということは極めて重要であって、この辺り、今後どういう対策を取られていくのかについて、大臣のお考えを確認させていただきたいと思います。
○国務大臣(古屋圭司君) 確かに、最近はゲリラ豪雨、集中的に短時間で降雨がありますので、確実な予測が困難ということもありますですね。そういう状況の中ですから、やはり、勧告が仮に出されていなくても、自らの身は自ら守るという考え方で、身の危険を感じたらちゅうちょなく自主的に避難をするという考え方を自らが醸成していくということも大切かもしれませんね。
その意識を醸成させるためには、やっぱり住民一人一人が、いろんな災害がございますのでその災害種類ごとに、どういうような状況になったらどこに避難すればいいのか、どういった身の処し方をすればいいのかということをまとめた災害・避難カードを、これは自治会、自治体なんかも協力をして作っていただいて、そういうようなものを携帯をして常にそういう考えを持っているということも非常に大切だと思いますね。
だから、そういう言わば自助、共助、公助の部分で、自助の部分ですね、やはりアンケートでも公助に比べて自助が、公助が三分の一になって、自助、共助が極めて大切だというアンケート結果も出ていますので、むしろ国民の皆さんお一人お一人がそういう認識を持ちつつ、持ち始めているというふうに言ってもいいかもしれません、そういった取組をしていくこと。
それからもう一つ、その判断をするためには、今、国交省の方からもXバンドレーダー、ナウキャストの話もございましたが、やっぱりそういう細かなメッシュの情報をしっかり個別的に受信できるいわゆるプッシュ型の情報の整備、これは防災行政無線をデジタル化するとか、そういう新しい技術も必要だと思います。そういったものもしっかり配備をしつつ、国民の皆さんの意識改革をしていくということが大切だと思います。
○谷合正明君 大臣の方から、防災避難カードですかね、防災カードなのかな、こうしたものを使っていくというお答えがございました。これをどういう地域の方にまず優先的に使っていただくかということでもあるんですが、土砂災害に関して申し上げれば、例えば土砂災害防止法では、土砂災害警戒区域だとかあるいは特別警戒区域と指定されれば、法的根拠に基づいてそういった対応があるのかもしれませんが、一歩先んじて、先ほども関連の質問がありましたが、危険箇所、ここの住民の方には、今大臣が言われたような防災カード、これを積極的に使っていくということを決めていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(古屋圭司君) 今御指摘の、私、今、いわゆる災害・避難カードという、ちょっと防災というか、災害・避難カードというふうに申し上げたんですが、やっぱりそういうものを配付するには、確かに、土砂災害の危険箇所、こういった対象の地域の皆様には、できるだけ地方公共団体も協力をしてそういったところを配っていくというのも一つの私は方法だというふうに認識をいたしております。
これはしっかり地方公共団体ともよく相談をして、そういう対応のお願いをしていくということ、丁寧な対応が必要だと思いますので、委員の御指摘を踏まえてしっかり我々内閣府としても対応していきたいと思っています。
○谷合正明君 土砂災害防止法について改めて聞きます。
危険箇所が全国で五十万を超える箇所があります。そのうち、イエローゾーン、いわゆる土砂災害警戒区域に指定されているのが七割ということなんですが、ここでちょっと改めて確認しますが、その危険箇所を基礎調査した結果、イエローゾーンとかに指定されなかったという例があるのかどうかです。例えば、住民の説明に時間が掛かって指定までに至らないとか先送りされているということは除いて、危険性という観点において、基礎調査した結果、やはり危険箇所が危険じゃなかったというようなことはあるんでしょうか。ないと思うんですが、そこを確認させてください。
○政府参考人(大野宏之君) お答えいたします。
基本的には、土砂災害の危険箇所、これはある一定の基準で抽出するものでございますので、ここを精査しますと、ほとんどの箇所は危険になってございます。ですから、こういったところが基礎調査をやって完全になくなるということは恐らくないのではないかと思います。
ただ、土地の形状が変わって、例えば山がなくなってしまっているとか、宅地を開発するときに山を切ってしまって山そのものがなくなっているとか、特別なそういった地形の変更、こういったことをやっているケースは、ごくまれではございますが、ございます。けど、基本的には、やはり危険箇所というのは、その後、基礎調査をしても危ないという実態はあるかと思われます。
○谷合正明君 防止法の法改正なのか運用の見直しなのか分かりませんけれども、ひとつやはり危険箇所からイエローゾーンに指定される時間が長いと、長期間にわたっているということを鑑みますと、今やはり取らなければならないのは、そのグレーゾーンというんでしょうか、その合間、谷間の期間を何としても対処しなきゃいけないと思っております。
ただ、防止法の法的根拠が行き届かないところのエリア、時間軸なんでしょうから、その役所側の答弁もよく分かるんですけれども、やはりこの土砂災害防止法の意味というのは、それはハード面の整備というよりは、住民の防災意識を高めていくというところにあるわけですね。その意味では、私は、このイエローゾーンとレッドゾーンに指定されるまでの期間の対応を国交省としてもしっかりと検討していただきたいと思うんですね。この点について確認させてください。
○政府参考人(大野宏之君) まず、基本的には、やはり基礎調査を終了して、ここが危ないというのが分かりますと、それは速やかにやはり指定をしていくというのが基本だと思っております。そのために、都道府県にいろんな技術的な助言も行ってまいりたいと考えております。
ただ、委員御指摘のように、指定に長期間を要する場合にいたしましては、その間の対策といたしまして、地域住民に対しまして基礎調査結果の説明、公表とか、若しくは危険箇所であれば危険箇所の内容もあるかもしれません。それから、緊急時の情報伝達、避難場所の設定など、そういった警戒避難体制を整備していくよう、これを都道府県と市町村に要請しているところでございます。
○政府参考人(日原洋文君) 先ほど来話題になっている避難勧告ガイドラインにおきましては、土砂災害防止法に基づき指定された土砂災害警戒区域を対象にして避難勧告を行うようにしておりますけれども、警戒区域の指定が進んでいない地域においては土砂災害危険区域の調査結果を準用するというふうにしておりまして、ガイドライン上は警戒区域がない場合は危険区域を前提として避難勧告を出すようにしております。
○谷合正明君 それでは、この土砂災害防止法施行後に危険箇所に例えば開発許可が認められたようなところはあるのかどうか。全国でいうとちょっと難しいと思うので、この広島に限ってちょっとまず確認させていただきたいと思います。
○政府参考人(小関正彦君) お答えいたします。
今回の被災地域における開発許可につきまして、開発許可の事務を行っている広島市に確認したところ、把握している限り、土砂災害防止法が施行された平成十三年四月一日以降、開発許可が行われた事例はないということでございます。
○谷合正明君 ただし、これは千平米以上の宅地造成が対象ということなので、実はそれ以下の場合はどうなのかというのは分からないわけですし、それから全国各地で実態よく分からないというのが実情じゃないかと思います。
そういうことを考えると、やはりこの土砂災害防止法の速やかな指定を助ける。大臣も、先ほど最初に、知事が、県が指定をしやすいように後押しをしていくということが大事だと言われておりました。制度の簡素化ですとか予算面あるいは人的支援という観点から、これは所管するのが国交省なんでしょうか、国交政務官にお越しいただいておりますので、今後の対応について確認させてください。
○大臣政務官(土井亨君) 現在まで、区域指定のための基礎調査に対しましては、防災・安全交付金により都道府県への財政支援を行っているところでございます。また一方で、指定に際しましては、住民の理解を得るために時間を要しているところもあると承知をいたしております。
まずは、市町村長や住民に対し、土砂災害から命を守るという法律の趣旨を十分に説明をいたしまして、指定に向けた手続を少しでも早める努力、工夫をしていくことが重要だと考えております。このため、このような考え方を都道府県に周知をするとともに、既に指定を終えた地域等における住民理解を得るための工夫、実態、実施体制等の先進事例を共に共有を図るなど、指定促進に向けこれから幅広く支援をしてまいります。
○谷合正明君 一〇〇%指定が終わった県もあれば、一〇%台の県もまだ数多くあるわけですね。数多くはないけれども、あるわけですね。やはりここの差を詰めていただきたいと、与党としてもしっかりと検討していきたいとは思っております。
最後になりますけれども、被災者支援です。何といいましても、住まいの確保、長期避難、この避難所の暮らしを、当然この環境を整備していくというのは大事なんですけれども、いわゆる仮設住宅であるとか公営住宅であるとか、まずは住まいですよね、住宅の確保だと思うんですね。ここがまず一つ。
もう一つは、つまり情報なんでしょうかね。この先どうなっていくのか、私はどこに暮らしていけるのかとか、どういった、政府から、あるいは国や県の支援の、何というか、具体的なプログラムがあるのか、分かるようで分からなかったりするわけですね。
そこで、まず住宅について、公営住宅ですか、市や県が用意した半年間無償の公営住宅百五十七戸に対して二百八十四世帯の申込みがあったということなんですが、やはりまだ多分手を挙げていない方もいらっしゃると思うんですね。手を挙げていない方には、例えば元々一軒家でペットを飼っていて、もうそもそも市営住宅や公営住宅も手を挙げることを諦めているような方もいらっしゃって、ですから、もう少し民間の賃貸住宅なんかの借り上げ手配、これなんかも早急に手配していただきたいというのが一点。
それから、情報体制も、東日本大震災の際にもそうだったんですが、被災者向けのいわゆる支援ハンドブック、簡易な支援ハンドブック、これをしっかり作っていかなきゃいけないと思っております。
もう時間が短いので、最後に二つまとめてお答えいただければと。
○大臣政務官(亀岡偉民君) 今お話のあったように、今八日目を過ぎまして、六百世帯、約千三百人の被災者が今おられますけれども、今お話のあったように、市営、県営住宅の方は百五十七戸に対して二百八十四人の申込みがありました。今、鋭意、昨日も、新たに今日も申込みを今やっておりますけれども、一番大切なのは、一人一人の皆さんの意見を聞かせていただいております。
これは市と市の常駐者に行っていただきまして、民間の、公営住宅も含めて、これは三団体の方に協力をいただいておりまして、提供できるものの間取りも含めて、まず一番最初に学校の学区内の子供たちを最優先、その次に妊婦の方々、そしてペットのいる方々、それを細かく今情報を聞きながら、だから申込者がダブったり申込みがないところもありますので、その調整を十一か所全部で共有をしながら今募集をやっているところでありまして、生活者支援に関してもチームをつくって全部回りまして、申込みのあった方々にはどういうものが必要かということも踏まえて細かく昨日から聞いておりますので、そこは安心して住める環境づくりに、国と市と県が今情報を一体にして共有化をさせていただいて今動いておりますので、この方々を早く避難所から移す今態勢になっていると思いますので、その辺は急いでやらせていただきたいと思います。
○委員長(竹谷とし子君) 古屋大臣、簡潔に願います。
○国務大臣(古屋圭司君) 支援ハンドブックのようなものを提供するべきではないかという趣旨の質問だと思いますが、御承知のように、内閣府においても被災者支援のためのパンフレットは作ってホームページにも出していますけれども、やはりそれだけでは不十分でして、やっぱりしっかり被災者に届くように、そして理解していただいて活用していくようにしなきゃいけないので、やっぱり県と市とかとしっかり連携を取ってそういう情報提供を適切にしていくと、極めて大切です。特に今回も、広島においても現地対策本部がその調整を取りながら、県、市と連携をして、そういったパンフレットの提供、あるいは被災者の立場に立ったきめ細かな情報提供と支援に努めてまいりたいというふうに思っています。
○谷合正明君 終わります。