○谷合正明君 公明党の谷合です。
若干かぶる質問もあるんですけれども、改めて立花参考人にお伺いしたいと思います。
まず最初に、最近、公務員に優秀な人材が集まらなくなってきているのではないかという指摘、声をよく聞きます。かつてのように、例えば、あえて言うと、東大の優秀なメンバーが官僚を目指していたのがだんだん割合が少なくなってきていると。ただ、これ何が優秀かというのは一概に言えないというか、優秀というその物差し自体が私は右肩上がりの高度経済成長期における公務員と今とでは違うとも思うわけでありますが、参考人が考える今公務員に必要な人材像と、その人材確保についてどのように取り組むべきと考えているのかというのが一点。
もう一つは、先ほど来、女性、若者の登用というような話が出ているんですが、これは民間の分野でもそうなんですが、女性、若者そして高齢者の活躍といったときに、中長期的には労働政策的には超過勤務をいかに減らしていくのかという議論があるとは思います。そこで、参考人にお伺いしますが、公務における超過勤務の縮減についてどのように考えるのかと。
この二点について、まずお伺いしたいと思います。
○参考人(立花宏君) まず、後者の方の超勤の問題でございますけれども、私も一年半ばかり、にわか公務員というか、やった経験ございますけれども、私自身が直面したのは、やっぱり国会待機といいましょうか、これがございました、十時、十一時頃までですね。場合によっては用がなかった、結局空振りだったということも中にはあった経験もございますけれども、やはりこういった国会の方の問題と、それからあとよく言われるのは予算編成の問題とか、あとそれから法令協議といいましょうか、よくその辺が、まあ三題ばなしといいましょうか、要するに三つの大きな残業が余儀なくされる要因ということですので。
この辺は、実は公務員制度改革基本法にもそういう趣旨はちゃんと書いてあるんですね。残業をいかにして減らすか。要するに、残業をただ漫然と見過ごしている管理職についてはきちっとそれはマイナス査定しろとか、管理職に対してですね。そういうことになっていますけれども、なかなか進まないということを見ますと、やはり少し本当に思い切って、国会の御意思なりで改善策なり、政治改革の一環ということもあるかもしれません、あるいは今の国会における内閣と国会、いわゆる総理大臣の出席義務とか、そういった話とまた絡んでくるかもしれませんけれども、その辺は是非国会の方で御議論いただく方が、むしろ役人の、私も一年半弱役人でしたけれども、なかなか役人の立場からは申し上げにくい面があるんじゃないかなという感じがいたします。
それから、公務員の望ましい人材像といいましょうか、これは、これも公務員制度改革基本法の中に、望ましい公務員像といいましょうか、やはり議院内閣制の下での望ましい公務員といいましょうか、つまり、よく言われた官僚主導じゃなくて、国民の意思が示された国会の意思に基づいて組織された内閣の意思を体して公務員はそれに仕えるということですから、そういった道が間違えない限りは、あとはそれぞれ、まあ日本人ですから、非常にもうごく真面目に、与えられた仕事については本当に一生懸命、四六時中考えながら、いろいろ改善提案を出しながらですね。
問題は、私は、やっぱり人事評価が本当に十分されているのかどうなのか、あるいはそれがきちっと活用されているのかどうなのか、処遇にですね。そこら辺はこれから、稲田大臣の勉強会のときにちょっと私が申し上げた経緯がございますけれども、せっかく平成二十一年から人事評価制度入れたやつが、これ各省ごとになっていますから、当然民間でも人事評価は試行錯誤の歴史ですからなかなかうまくいかないということがあるわけで、そういう意味でいうと、各省ごとに実施したそういった人事評価の仕組みを、本当にうまくいっているのかいっていないのか。失敗したら、どういうところで失敗したのか、それをどういうように処遇に生かしているのか。そこら辺、きちっと政府として横断的に、各省ごとじゃなくて横断的にそれをチェックして改善案を共有するということが、これは行政府の方の一つ宿題としてあるでしょうし、人事院もそれについて必要な協力をやっていく必要があるかなというふうに思っております。
以上でございます。
○谷合正明君 公務における超過勤務の縮減につきましては、立法府でもしっかり議論をしていかなきゃならないと思いますが、是非、参考人におかれましては、遠慮せず思い切って人事院の立場でしっかりと御発言いただきたいと思います。
それで、もう残りの時間が少ないんですが、参考人は、平成二十年七月から二十一年十二月まで国家公務員制度改革推進本部事務局長をされていたということで、当時の担当大臣の渡辺大臣であるとか甘利大臣の下でお仕えされていたと思います。
今、改めて国会の中に国家公務員制度改革の改正法案が提出されたということであります。今回は、自公のみならず民主党さんも含めて合意されたものであります。
率直にお伺いしますけれども、やはりベストなものは当時の甘利法案がベストなんだけれども、前に進めるという意味で今回の法案を評価するということなのか。また、今回、改正法案によりまして人事院の役割と機能というのが残ったというか明確になったと思うんですが、この点については参考人としてはどのように評価されているのか。最後に、この点についてお伺いしたいと思います。
○参考人(立花宏君) ちょっと時間が、簡潔に御説明申しますけれども、確かに今、甘利法案は二〇〇九年の三月末に国会に出されて結局廃案になったわけですけれども、政権交代、政権交代ということが叫ばれたちょうどそういった状況だったものですから、必ずしも十分御議論いただけなかったわけですが、その後政権交代して、政治の方でもいろいろ御経験されたわけで、政治任用の問題ですとか官と民の関係ですとか、いろいろ、いい点、悪い点、それぞれ教訓を得られて、それを踏まえた上で先般、昨年の十一月でしょうか、民主党との間で修正について一つの結論を出されたという、これは私は一つの結論で、要は、言うだけで何も前に進まないというのが一番最悪の事態で、私は、いわゆる甘利法案を変えるには変えるだけの理由があったわけでしょうから、それが納得できるものであれば私はそれは是とすべきではないかなと。要は、一歩でも二歩でも三歩でもできるときにはやっぱり前に進めると、その上でまた更に次なるものを考えていくということが必要かなという感じがいたします。
それから、人事院の役割につきましては、私は基本的には、繰り返しになりますけれども、人事行政の公正さをいかにして確保するか、それと労働基本権を制約された下での代償機能をいかにして発揮するか、この二つをきちっと法律に基づいて、しかも人事官の場合には身分保障がされているということだと伺っておりますので、場合によっては内閣に対して言うべき点は申し上げ、また協力すべき点は協力するという、そういった対応で私は取り組んでいくことが必要かなというふうに、そんな考えで今おります。
○谷合正明君 終わります。