○谷合正明君 公明党の谷合です。
官房長官に質問をする予定でありましたけれども、記者会見の時間に重なりましたので、今日は急遽、芝副長官の方にお越しいただきました。ありがとうございます。
それで、冒頭にですけれども、田中法務大臣の件について確認したいと思います。
報道では入院したと、辞任の意向を示したと、あるいは事実上の更迭というふうに報道なされておりますが、まずその事実関係はどうなっているのか、副長官、よろしくお願いいたします。
○内閣官房副長官(芝博一君) この度、副長官を拝命いたしました芝でございます。
急遽、官房長官が記者会見でございますので、代わって出席をさせていただきました。
まず、今お尋ねの件でございますけれども、本日、田中法務大臣の方から、体調不良につき検査をしたいので閣議の欠席をしたいと、こういう連絡がございました。あわせて、そのまま御本人は病院の方へ検査に行かれまして、そのまま検査入院をするということを先ほど聞いたところでございます。
○谷合正明君 ですから、辞任の意向あるいは事実上の更迭という報道については、これは事実関係はどうなっていますか。
○内閣官房副長官(芝博一君) 後段の質問の件につきまして、私どもは承知しておりません。
○谷合正明君 辞任を示したかどうかも分かっていないということですね。
○内閣官房副長官(芝博一君) あくまでも報道の関係でございまして、私どもの方で正式にお話をいただいている、若しくはその話があったとは承知しておりません。
○谷合正明君 昨日の夜、七時の段階で通告をさせていただいたときは、法務大臣は出張があって来られないという報告を受けました。どこに出張するのかと聞いたら、分かりませんというのが法務省のお答えでありました。夜八時の時点でファクスが来まして、北海道の刑務所に視察するというファクスが来たわけでありますが、まず、今日入院する、しない、しなかったとしても、この場にいなかった可能性が高いんですよ。
副長官には急遽来ていただいて大変恐縮ではありますが、この件について、この件というのは視察を優先したという判断について、先ほど理事会では、これは法務大臣の判断だ、法務大臣が国会の答弁よりも視察が大事だと思って視察を選んだという答えがありましたが、そのことについて総理は問題ないと考えているのか、内閣として問題ないと考えているのか、その点について確認させてください。
○内閣官房副長官(芝博一君) 事実の部分だけお話を申し上げます。
昨日、谷合委員から質問通告が出ていたことは承知はしております。あわせて、法務省の部分を含めて、視察の日程が入っていることも承知はしております。この部分は、私どもは承知をしている部分でございます、だけでございますけれども、急遽、今日の朝、体調を悪くされて、御自身でも病院にお電話をされ、また病院へ行かれたということが、事実関係で今申し上げたとおりでございまして、それ以上のことは私どもの部分で承知しているわけではございません。
○谷合正明君 いや、もう時間がもったいないんですけれども、芝副長官も同じ参議院議員として、この参議院の行政監視が軽視されたんですよ。同じ議員として、今回の法務大臣の一連の判断についてはどのように考えるんですか。
○内閣官房副長官(芝博一君) 私は参議院議員でありますけれども、副長官としてこの場に出席をさせていただいております。よって、今、昨日、いろんな形で、決算委員長等々からの要求もございますので、そこの部分は今一生懸命精査をしております。作業中でございます。よって、私の個人的見解は控えさせていただきたいと思います。
○谷合正明君 申し上げます。
今の内閣、今回の委員会答弁を拒否をすることについて誰もとがめないというこの内閣では、全く国民生活を任すわけにはいかないと、そのことをまず冒頭に断じさせていただきたいと思います。
それでは副長官、御退席いただいて結構です。
それでは、本題の復興予算の使途の問題について質問をいたします。
今回、私は、この問題、報道から始まったわけでありますが、政府の対応を見ておりますと、まずこの認識が非常に甘い、遅い、そして鈍いと思いました。民間団体で私も働いておりましたけれども、政府の補助事業なんかを申請する際は相当厳しい要件を突き付けられて、そんな簡単に申請は通らないんですね。しかし、民間だったらこれは絶対却下されているような案件も事業も、今回大甘に認められているというのが率直な印象でした。
平野復興大臣はいち早くこの問題については懸念を示しておられました。ただ、ほかの省庁の動きというものは、それに比べると私は鈍かったのではないかなと思っております。閉会中審査をするほどの緊急性は低いというふうに与党の、衆議院の委員会がなかなか開かれなかったのも与党側の国対関係者の発言も聞いております。
私がまず復興大臣にお伺いしたいのは、この復興予算の使途の問題についてどのような認識を持っていらっしゃるのか。そもそもなぜこんな問題が起きたのか。先ほど、三党による修正で復興基本法、被災地という言葉が日本全体に変わったと、そこに大本の原因があると、そんな話がありましたけれども、そんな問題なんでしょうか。そういう認識で政府はこの今の抱えている問題に当たっているんでしょうか。
まず、復興大臣としての率直な意見を聞かせていただきたい。
○国務大臣(平野達男君) まず、復興予算の全体の枠組みといいますか、考え方でありますが、被災地あるいは被災者に対しての支援、これをしっかりやる、これは当然のことでありまして、そこは大きな枠組みとして確保されているということであります。
そのほか、全国防災あるいは日本経済の底割れを防ぐ、そうやって日本の底割れを防ぐことによって被災地の支援にもつながるという、そういう枠組みでの予算、これは必要だということで政府も判断をし、国会での審議も得て予算を成立させていただいたということで、体制の問題としての大きなずれ、過ちは私はないと思っております。
ただ、通常国会の段階から、個別の予算について、これは復興財源として使うのがいいのかどうかという御指摘を受けておりました。その都度、私も併せて各事業を精査する中で、私自身から見て、政府の一員としてこういうことを言うのはなんでありますけれども、必ずしもこれ、ぴったりと復興財源の使途にして、充てるものとして適切かどうかというものについて疑義を生じた、疑問を持った事業もあります。これはもちろん各省との折衝の中で各省が了解したわけではありません。そういった観点から、八月の十七日の来年度予算の閣議決定の中では、「各省大臣は、被災地の要望等を踏まえつつ、津波・地震被害や原子力災害からの復旧・復興に直結するものなど、真に必要な経費を要求する。」という、この一文を入れさせていただきました。
そういう問題意識を持ちながらやってきたつもりでありますが、今回、様々な国会の議員、それからこの国会での議論、あるいはマスコミ等々の議論を踏まえながら、これだけ復興予算の財源の在り方ということについての疑問が出ているということについては私は真摯に受け止めなければならないというふうに考えております。
ですから、私どもは今、一つ一つの事業について、この事業が本当に財源として適切かどうかというのをチェックしながら、来年度予算の編成を視野に入れつつ、しかし、やっぱり同時に今年の予算の執行ということも視野に入れながら精査をしているということでございまして、この点は是非御理解をいただきたいというふうに思います。
○谷合正明君 シーシェパード対策あるいは受刑者の訓練というのは、本来通常の予算で対応すべきとの思いを持っております。
本来、通常の予算で手当てすべきものが復興の名目で水増しされているのではないかということなんですが、財務副大臣にお伺いしますが、予算編成のシステムを抜本的に見直さなければ、今後も特別な予算枠を設けるたびに同様の便乗予算が繰り返されるのではないかと、そういうところの根本のところについての予算編成のシステムについて財務省としてどのような認識を持っているのか、お伺いします。
○副大臣(大久保勉君) お答え申し上げます。
予算編成に関して、特に平成二十五年、来年度に関しましては、今回の委員会若しくは委員の皆様の様々な意見に従いましてしっかりと議論してまいりたいと思いますが、具体的には、予算編成過程においては各方面から種々の指摘を踏まえつつ、これまでに指摘した予算の実態把握に努めているところでありますが、その成果は今後の予算編成にしっかりと生かしていきたいと思います。
具体的に申し上げますが、例えば、国会、刷新会議等における議論もしっかりと踏み越えて、しっかりと復興予算の在り方、また復興の在り方、この点に関してもしっかりと議論してまいりたいと思います。その点では、先生の考え方と財務省の考え方は同じ部分も非常に大きいと思います。
○谷合正明君 質問が悪かったかもしれませんが。
民主党政権になってから、国家戦略局構想というのは頓挫しているわけですね。予算策定に向けた政府の基本方針も明確になされないままに、単に機械的、形式的に原則一〇%削減の枠をはめた形での概算要求というものが行われております。その結果、本当に必要な予算は一般会計予算でやればいいものが、復興費用を名目とした各府省による予算の水増し措置の横行につながったのではないかと、そのように考えるわけですね。
改めてお伺いしますけれども、今の政権がやっているこの予算編成のシステムについて、これ、問題がないとお考えなんですか。
○副大臣(大久保勉君) お答えしますが、結論から考えましたら、考えるべき点は多々ありますが、基本的には問題ないと考えています。
申し上げますと、例えば復興特会に関しましては、東日本大震災からの復興に係る資金の流れの透明化を図るためのものでありますし、償還を適切に管理するため、こういった目的があります。こういったことに関しては谷合委員の考え方と非常に合致していると思います。透明性を高めるということであります。
一方で、御指摘ありました、一般会計の予算を削ってその分が復興会計から使われている、この点に関しましては、しっかりとこちらに関しましては一つ一つ予算を見ていく必要があると思っております。
さらに、今後に関しましては、やはり復興の基本方針に沿って要求した復興事業の費用が緊急性等の観点から精査した上で復興特別会計に計上されていることが、これまでもそうでありましたし、これからもそうすべきだと思っています。
特に重要なことに関しましては、全国防災に関して流用されているという話がありましたが、基本的に三つの原則の下にしっかりと精査をしております。東日本大震災を教訓とすること、さらには全国的に緊急に実施する必要性が高いこと、さらには即効性のある防災、減災のための施策であること、こういった観点をしっかりと踏まえて、それに適合したものを復興特別会計から出していくと、こういった原則にのっとってこれまでもやってきましたが、これからは今回の議論にのっとってもっと厳しくやっていきたいと思います。
○谷合正明君 ちょっと何というか、質問以上の答弁もあったり、よく分からなくなりましたけれども。
私ども公明党は十月十一日に提言を出しているわけですよ、復興予算の使途適正化についての緊急提言を。様々なポイントを出させていただきましたけれども、その中に、復興事業の検証をまず早急に行うべきであるということと、それから復興庁による他省庁への勧告権の行使とか、あるいは予算組替え、執行停止の実施を求めることということも含めさせていただきましたし、要望の多い必要な事業については予算を逆にしっかり付けるという趣旨の提言を出させていただきました。
まず、復興大臣に、今ちょっと財務副大臣も言及しているわけでありますが、復興事業の検証はどこがどのような基準で行うのか、復興庁としての立ち位置というのをお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(平野達男君) 復興庁としては、基本的に予算の性格そのもの、これが無駄かどうかといった観点というよりは、むしろ復興債の財源として使うものとして妥当なものかどうかということについての観点でこれは事業を今チェックをしているということであります。
復興庁一括予算については、復興庁は実施権限がございませんから、実施の段階で各省に移替えをします。その移替えする予算がそれに適合しているかどうかについては一つ一つ見させていただいているつもりであります。復興庁は、従来はこういった一括計上予算は、早く施行しろ、早く施行しろ、早く早く施行しろということで各省の背中をたたくのが仕事なんですが、今回はその前に一本一本精査するという、本来の役割とはちょっと別な役割を今やっているということであります。その結果として、今のところ具体的な案件は出ておりませんが、執行停止ということもあり得るという前提でこれを今やっているということであります。
○谷合正明君 分かりました。私どもの提言を踏まえて、しっかりと復興庁のかかわりを強くしていただきたいと思っております。
経産大臣にお伺いします。
我々の提言の中には、国内立地推進事業費補助金についても言及させていただいております。この補助金について、今後この波及効果をしっかり検証していかなければならないわけでありますが、まずその波及効果をどのように検証していくのかという話と、もう一つは、逆に要望の多いグループ補助金、ふくしま産業復興企業立地補助金、この点についてしっかり拡充強化をしていくべきであると、この二点について答弁いただきたいと思います。
○国務大臣(枝野幸男君) まず、国内立地補助金についてでございますが、今後、具体的な生産等が始まってまいりましたら、採択先企業に対して毎年度、生産、雇用その他の事業概況等について報告を求め、検証していくことといたしております。その中では、被災地への波及効果についてもきちんと報告を求め、確認をしてまいりたいというふうに思っております。
それから、福島の企業立地補助金についてでございますが、早期に新規の企業立地を促進することが重要だと考えておりまして、地元の要望を踏まえ、所要の予算を措置すべく今対応を進めているところでございます。
それから、中小企業等のグループ補助金については八月十日付けで私から事務方に対して指示を下ろしております。この事業の趣旨に照らして熟度の高い事業となるように、つまり採択要件をクリアできるように、国としても県と協力して一層の支援、協力を行えと。そして、共同事業の熟度が高まった案件について、対応が可能となるよう準備をしておくようにということを指示しております。案件の熟度が高まれば、それに必要な財源措置がしっかりと確保できるよう、これもしっかりと進めてまいりたいと思っております。
○谷合正明君 外務省にお伺いします。
アジア大洋州地域及び北米地域との青少年交流事業について伺います。
この事業の妥当性、必要性、効果についてなんですが、やはり復興予算でやるということを踏まえますと、被災地の滞在日数、これをもう少し増やすとか見直すべきではないかと思いますが、見解を伺いたいと思います。
○大臣政務官(風間直樹君) 谷合委員の御質問にお答えをいたします。
私も九月九日当日のNHKの報道は現地で、釜石で見ました。今委員御指摘のこの外務省の主催しているキズナプロジェクトについても放映されておりました。外務省で確認をいたしましたが、NHKで放映されたこのキズナプロジェクトの様子と実際の内容には若干差があるように感じたところでございます。
具体的には、放映された部分は、主としてアジア太平洋あるいは北米地域の青少年が日本にやってくると、で、谷合委員がおっしゃったように、数日間被災地に滞在をしていろんな見聞をすると、この部分でありました。一方で、もう一つの柱として、被災地の青少年をアジア太平洋の国々及び北米に派遣をして、そして被災地での様々な経験や風評被害の誤解の解除等について発信をしてもらうと、こういう柱もあります。
御指摘の点につきましては、是非この被災地での滞在日数の拡充ができないか等、今後も省内で前向きに検討させていただきたいと思います。
○谷合正明君 引き続きまして外務政務官に伺いますが、ちょっと復興とは関係ない話なんですが、今ちょうど国連総会の場で核兵器の人道的側面についての議論が行われております。スイス、ノルウェー等が核兵器の人道的側面に関する共同声明を出すと。我が国がその共同署名に参加するのかどうか、ここが注目を浴びているわけでありますが、我が国の対応をまず聞かせていただきたいと思います。そして、その理由についてもお伺いしたいと思います。
○大臣政務官(風間直樹君) これは御指摘のとおり、そういった動きがあるわけであります。我が国としましては、このステートメントの実施の直前に参加の打診をいただきました。検討の結果、参加を見合わせることにしたわけであります。
理由としましては、御案内のとおり、我が国としては非核特使の派遣ですとか被爆証言の国際化等々、この核兵器の使用がもたらす人道的な結末については広く国際的に発信をしているところでありますが、一方で、この共同声明については我が国の安全保障政策の考え方と必ずしも合致をしない内容が含まれていたわけであります。こういう事情があってそういう結果になったわけでありますが、引き続き我が国政府としてのこれまでの取組を進めて、着実な核軍縮の努力をしていきたいと考えています。
○谷合正明君 最後一分ありますので、申入れのもう二点目、三点目について、来年春、ノルウェーで国際会合を開きますけれども、その際に我が国政府がもう少しこの核兵器の非人道性についての科学的検証についてNGOを含めた協力ができないのかという点と、二〇一四年にNPDIの外相会合が広島で行われますけれども、その際にもこの核兵器の非人道性に対しての明確なメッセージを我が国がリードしていくべきだと考えますが、手短に答弁をお願いしたいと思います。
○大臣政務官(風間直樹君) この問題意識は私も谷合委員と共有をしているところであります。
来年三月のこの会議につきましては、唯一の戦争被爆国としての経験を生かしまして、是非積極的に貢献をしたいと考えております。
同時に、このメッセージを二〇一四年の広島での開催予定のNPDI外相会合で打ち出すべきだという御指摘につきましては、是非その点を前向きに検討しまして、被爆地の広島で開催することの意義を積極的に打ち出したいと考えています。
○谷合正明君 終わります。