○谷合正明君 公明党の谷合です。
十八歳選挙権について伺いたいと思います。
国民投票法は憲法を争点としますので、より幅広く民意を吸い上げると。つまり、十八歳投票権というのは本則どおり推進していくべきであると考えておりますし、また民法の成年年齢を引き下げていくということも理解するわけでありますが、しかし民法の成年年齢引下げについては、先ほど来ずっと議論になっているとおり、様々な各方面に影響を及ぼしていくために議論も百出しております。
ここから私見でありますけれども、国民投票を十八歳以上とするためには、公職選挙法の改正のみを最低条件として考えていかないと事態は進まないのではないかなと。これは法務省さんの立場と同じになるかもしれませんが、公職選挙法の規定と民法をリンクさせてしまうと動かなくなってしまうんではないかという思いを持っております。時間的な検証をする余裕というものもさほどもうないのではないかと。
先ほど、内閣官房で法務省と総務省のこの見解の相違について早急に取りまとめ整理していくという話がございましたけれども、今どういう観点で具体的にどういう検討状況、検討というか、整理をされていくのか、そのポイントとまたスケジュール感を示していただきたいと思っております。
また、今の議論の中には入っていないのかもしれませんが、成年後見制度で被成年後見人になると、事理弁識能力を欠くという要件に当てはまりまして選挙権を自動的に剥奪されてしまうという民法の規定がございます。公職選挙法でもこの被成年後見人には選挙権がないということになっているんですね。
これは、ただ実際に、障害者の方等で、二十歳になってから投票に行っている、しかし、被後見人になって選挙権がなくなった、剥奪されたという方もいらっしゃいます。これは明確に私は、今まで選挙に行っていた方が投票権を奪われてしまうということの憲法違反ではないかと考えているわけでありますが、こうしたことも実は十八歳選挙権の議論と同様に投票権の拡大という意味で、これまで女性参政権であるとか、あるいは昔は生活保護に当たる人は選挙権がなかったわけですけれども、今の私は議論では、被成年後見人のこの選挙権の剥奪の問題も議論の対象に加えていくべきじゃないかと思っているわけですが、その見解について伺いたいと思います。
○政府参考人(原勝則君) 内閣官房におきましては、先ほど申し上げましたように、先週検討委員会を再開いたしまして、内閣官房と総務省、法務省等々が中心になって、選挙年齢と成人年齢、あるいは少年法の適用年齢、こういったものについての整理がやっぱり一番中心になるだろうということで、そこを特に重点的に検討をしていきたいということで一応確認がされております。
また、具体的にそれではどういった方向でやっていくのかというようなことについては、申し訳ございませんがこれからの作業でございまして、議員が御指摘になったような考え方ももちろんあると思いますし、あくまでも同時にやっていくべきだという御意見もございますので、これから精力的に調整をしたいと思っております。したがいまして、具体的にスケジュールということについてはまだ現段階では申し上げることはできません。
○政府参考人(久元喜造君) 最初に、先ほどの答弁で、おわびを申し上げながら訂正させていただきたいと存じます。
江口先生の御質問でございますが、国会図書館の資料で、二十歳以上の選挙権年齢を定めている国、これ百九十六か国中十三か国というふうに申し上げましたけれども、十九か国でございます。訂正させていただきたいと存じます。
それから、今御質問いただきました成年被後見人についてでございますが、これらの方々につきましては、心神喪失の状況にある者ということで厳格な審判を経まして成年被後見人となり、公選法の規定に基づいて選挙権を有しないということとされております。その実際の運用につきましては議論もあるところでありまして、現在訴訟係属中というような案件もありますので、私どもはそういうような司法の状況を見ながら、私どもは現行の制度、合理的なものというふうに考えておりますけれども、また必要な検討を行っていきたいというふうに思っております。
ただ、この成年被後見人制度があるから、例えば民法上の成人年齢とは別に公選法上の選挙権の要件として別の観点を入れるべきかどうかということにつきましては、私どもはそこはなかなか、先ほど申し上げましたようなこれまでのいろんな古くからの議論の積み重ねや、また諸外国の状況から見ますと、そのことをもってそういうような立論にはならないのではないかというふうに考えております。
いずれにいたしましても、今日も両方の、総務省の考え方、また法務省の考え方、それぞれ違うわけでありますので、内閣官房でその条件整備の在り方を含め政府の中でしっかり検討がなされると思いますし、総務省もそういう観点からそういう検討作業に積極的に参画をしていきたいというふうに考えております。