○谷合正明君 公明党の谷合正明です。
私は、国民投票制度と選挙権について意見を申し上げたいと思います。
平成十九年、国民投票法が制定されました。三条で憲法改正についての国民投票の投票権は十八歳以上の国民に認められることになりました。国民投票法では、当時の与党、自民、公明の修正によりまして選挙権を十八歳以上として、附則三条一項に、満十八歳以上二十歳未満の者が国政選挙に参加することができることとなるよう、選挙権を有する者の年齢を定める公職選挙法、成年年齢を定める民法その他の法令の規定について検討を加え、必要な法制上の措置を講ずるものとするとされ、二項で、前項の法制上の措置が講ぜられ、年齢満十八歳以上二十歳未満の者が国政選挙に参加すること等ができるまでの間については、国民投票の投票権を有する年齢を二十歳以上とする旨の経過規定が置かれました。
しかし、どのような状況になれば十八歳以上とする本則の規定が適用されるかについては必ずしも明確ではなくて、提案者の答弁においても、公職選挙法及び民法の改正を要するとするもの、強いて言えば公職選挙法の改正を最低条件とするものがあり、最終的には国会の判断による旨の答弁があります。
また、平成二十一年十月、法制審議会は、民法上の成年年齢を十八歳に引き下げるのが適当とする答申をいたしました。しかし、すぐの引下げには慎重で、若年者の自立を促すような施策や消費者被害の拡大のおそれ等の問題点の解決を前提条件に挙げ、十八歳に引き下げる法整備を行う具体的時期については国会の判断に委ねることといたしました。
公明党が以前から主張しているように、国民投票法は憲法を争点とするので、より幅広く民意を吸い上げること、つまり十八歳投票権は本則どおり推進すべきと考えます。そして、法制審議会による民法の成年年齢を引き下げるとの答申も、時代の趨勢として理解できるところであります。
しかし、民法の成年年齢引下げには付随する事項が多く、例えば取引、結婚、飲酒、喫煙、各種資格、年金保険料など、各方面に影響を及ぼすため、議論も百出しているところであります。
私見でありますが、国民投票を十八歳以上とするためには、公職選挙法の改正のみを最低条件として考えるべきだと思います。でなければ事態は進まないと。公職選挙法の規定を民法とリンクさせてしまうと動かなくなることは明白であり、各方面への影響を一つ一つ検証、排除していく時間的余裕はありません。
また、被成年後見人は、事理弁識の能力を欠くという要件に当てはまり、選挙権を自動的に剥奪されてしまう民法の規定があります。これは従来の、かつての禁治産制度からの流れであります。ただ、実態は、その欠くというのを厳格にとらえないで、実際にはそうでない方も成年後見が付かれた方が財産の管理、安全という意味ではいいということで、かなり運用においては広くとらえている実態があります。実際に投票権を持っていただいてもいいのではという方が事実上入っているという実態もあります。ここも併せて変えていく必要があります。
最後になりますが、百年河清を待つわけにはいかない、憲法を議論していく加憲の立場からも国民投票制度を早急に整備すべきであり、そのために公職選挙法の改正の議論を先行して進めるべきであると考えます。
以上です。