○谷合正明君 公明党の谷合正明です。どうぞよろしくお願いいたします。内閣委員会では初めての質問となりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
まず初めに、予算編成への国家戦略室の関与について幾つか整理させていただきたいと思っております。
一つ、民主党のマニフェスト二〇〇九には、確認させていただきますが、官邸機能を強化し、総理直属の国家戦略局を設置し、中略しますが、政治主導で予算の骨格を策定するとされておりました。「予算の骨格」と出ておりました。
昨年九月十八日決定の国家戦略室の設置に関する規則では、国家戦略室の任務として、「税財政の骨格」という表現に変わっておりますが、税財政の骨格に関する企画及び立案並びに総合調整を規定したと。
一方、七月二十日に仙谷官房長官が記者会見で、こう報じられておるわけですが、国家戦略室は単年度予算にはかかわらない、こだわらないという趣旨のかかわらないということだと思いますが、というふうに報じられておるわけですが。
そこで、先日の玄葉大臣の所信表明では、予算編成については、私と仙谷官房長官と野田財務大臣の三大臣が中心になって取りまとめますとしております。これは国家戦略室が玄葉大臣の下で各年度の予算編成にかかわるという意味なのか、その辺り、まずちょっと明らかにしていただきたいというふうに思っています。
○国務大臣(玄葉光一郎君) 谷合委員の御質問にお答えをしたいと思いますけれども、国家戦略室は、委員御指摘のとおり、国の重要政策の司令塔ということで、税財政の骨格、経済運営の基本方針その他総理が特に命じた内閣の重要政策に関する基本的な方針の企画立案及び総合調整ということで、例えばEPAとか新成長戦略のロジとか、そういったことを担当するということになります。
この任務の一環として、一言で申し上げると、予算編成については、私の責任で予算編成の基本方針、これはしっかり策定をするということになります。その上で、予算編成全体については私と官房長官と財務大臣が中心となって取りまとめるという意味でありまして、更に申し上げてしまうと、いわゆる予算編成の事務作業、これは野田財務大臣が担うと、事務作業はですね。
ですから、国家戦略担当大臣としては、少なくとも私が間違いなく責任を負うところは、予算編成の基本方針の策定。それに沿って予算編成が進められると、こういうことでございます。
○谷合正明君 国家戦略室と財務省の役割分担について今教えていただいたとは思いますが、確認しますが、それではマニフェスト二〇〇九で書いてあった予算の骨格を策定するというところからすると、若干今の国家戦略室は違う役割になってきているということになりますか。
○国務大臣(玄葉光一郎君) まさに、先ほど申し上げましたけれども、基本方針、今年の予算はこう作るんだという基本方針は私の方で作りますので、そういう意味ではマニフェストどおりなんです。
ただ、谷合委員がイメージされている予算編成というのが、例えば、先ほども若干申し上げましたけれども、事務作業も含めて全部国家戦略室でやれということになると、語弊のある言い方になるかもしれませんけれども、主計局全体が国家戦略室に異動しなきゃいけないという話になりますので、その事務作業は財務大臣の方で担うと、こういう整理でございます。
○谷合正明君 要するに、予算編成の主導、政治主導がどういう政治主導なのかというところがまだちょっと不透明、これから私も注視していかなければならない点であると思っているわけですが。
平成二十三年度予算編成で、今、政策コンテストの一環であるパブリックコメントを十九日まで受け付けたと思いますが、ちょっと確認しますが、このパブリックコメントでは意見何件寄せられて、内容はどのようなものが多かったのか。また、報道では、一部文部科学省に関するパブコメが圧倒的だったという報道ありますが、団体等からの意見が多いと、そんなことはなかったのか。今分かる範囲で御答弁をお願いします。
○国務大臣(玄葉光一郎君) ただいまの御質問でありますが、いわゆる特別要望枠というか特別枠についてのパブリックコメントを先月の二十八日から実施をして十月の十九日に終了したんですけれども、全体で今集計しているところなんですけれども、判明しているのは実はインターネット経由だけです。ファクスとか郵送も実は多いんですけれども、まだそれらは集計中でありまして、インターネット経由だけでいうと約二十万件の御意見をちょうだいしたということでありますので、最終的な結果は十一月初旬に開催予定の評価会議で公表したいというふうに思っておりますが、先ほど谷合委員から御指摘のあった文科省関係の意見が多いというのは、私が聞いている範囲でも文科省の意見が多いという傾向は見られるということでありまして、ただ、内容については私もまだ詳細を聞いておりませんけれども、かなり文科省の意見は多かったというふうに申し上げたいと思います。
○谷合正明君 統計的なデータがまだ出そろっていないということですから、このパブコメの効果そのものをどう評価しているかというのは多分回答がないとは思いますが、この政策コンテストも当初どういう形で決定していくかということで、民間有識者を入れるとか入れないとか、そこもぶれが生じたということは指摘しておきたいと思います。
この政策コンテストも、どういうふうに決めていく、単に人気投票によって政策に優先順位が付けられてしまうのかどうか、この辺りも、政治主導と言われる、民主党さんの言う政治主導がどういうものであるのか、私は今後のこの委員会でもしっかりと監視させていただきたいと思います。
何か答弁あれば。
○国務大臣(玄葉光一郎君) このパブリックコメント二十万件、インターネットだけでもということでありますけれども、これらは参考にはさせていただきたいと思っておりますけれども、言うまでもないことですが、政治家が当然決めなきゃいけない話であります。私がこの要望枠、特別枠については議長ということで最終的な判断を、もちろん最終的には実は総理でありますけれども、いたします。政治家がすべて判断するという形にいたしました。
是非御理解いただきたいのは、これは決してパフォーマンスでやるつもりは全くなくて、あくまで見える化の一環として、透明化の一環として淡々とこの作業はさせてもらいたいと、そう思っております。
以上です。
○谷合正明君 なぜパフォーマンスと言われたかという話だと思いますが。
先に進めますが、国家戦略室でございますが、政治主導確立法案をこの委員会で是非とも通していただきたいという旨の官房長官の所信表明であったわけですが、そもそもこれも、今年の二月五日に政治主導確立法案が提出をされて以降でさえこの考え方が迷走したと言わざるを得ません。
七月十六日の参議院選挙後、当時の荒井担当大臣は、今後は総理の諮問機関、いわゆるブレーンとして徹するという会見をされるわけですね。ところが、さきの臨時国会では総理自ら、今度、総理と直結した直属のシンクタンク機能を強化してもらいたいということに併せて、法改正ができた場合にはそのほかの部分も強化できるのではないかと。いったん法改正をあきらめたと思いきや、今度はまた法改正の話が出てきたり。また、十月一日にはこれは玄葉担当大臣の記者会見で、最重要案件の企画立案と総合調整という役割については官房長官と綿密にその分担について時間を取って打合せをしないといけないと思っていると。さらには、ポリシーユニット、シンクタンク機能も併せて国家戦略室に期待をしているということであります。そもそもこの担当大臣が一年で四人替わっているということからも明らかなように、大臣、担当によってその考え方が変わってきているということも指摘しておきたい。
で、迷走してきたことを踏まえながら、では、内閣として国家戦略局の位置付け、役割というのは決まっているんだろうかと、しっかり。仮に国家戦略局にもシンクタンク機能を付与していくということであれば、当初この政治主導法案を出したときの時点と違うわけですから、筋論からいえばこの法案というのはいったん引っ込めて直すということが必要ではないかと、私はそういうふうに思うわけですが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(仙谷由人君) 政治主導確立法案でございますが、国家戦略局の所掌を、先ほどから戦略室の所掌テーマになっております税財政の骨格や経済運営の基本など内閣の重要政策の基本方針の企画立案、総合調整事務というふうに定めているところでございます。
国家戦略局は、この企画立案、総合調整事務の一環として、重要政策に関しましては、総理大臣の判断に必要となる内外情報の収集、調査、分析や個々の府省と異なる視点での総理大臣への提言も行うと。したがって、この点に関しては、現在提出している法案に特段の修正を加える必要はないというふうに考えております。
いずれにせよ、政治主導確立法案は既に国会に提出されているところでございまして、今後、国会で法案の御審議をいただくに当たり、与野党間で議論が行われるというふうに考えております。
○谷合正明君 今修正する必要はないと考えられているということでありますが、今日は法案審議でありませんのでそんなに深くやり取りはしませんが、例えば内閣総理大臣補佐官に関する規定では内閣法の十九条にまさに例えば規定されているわけですね。内閣大臣補佐官は内閣の重要政策に関し内閣総理大臣に進言し、内閣総理大臣の命を受けて内閣総理大臣に意見を具申するというようなことで、まさに戦略局が担おうとしていることが補佐官のところでは法律として規定されているわけでありまして、そういうことを考えていくと、その兼ね合いも考えていくと、私は、既にこの主導法案が、提出した時期と今はもう大分その見解も異なってきていますから、修正するのが筋であるということは重ねて申し上げておきたいと思っております。
それでは次に、新しい公共のテーマに移らせてもらいたいと思います。
私自身が、政治の世界に入る前にNPOで働いておりました。というか、正確に言えば、当時初めのときは法人格を持っていない状況の中で、自分自身もスタッフの一人としてNPO法人申請もしてきたという経験もありまして、やはり新しい公共ということについては私も本当に同意するところでありまして、これからこうしたセクターを育てていく、人も育てていかなきゃいけないし、組織も育てていかなければならないということが大きな課題であると思っておるわけであります。
ところが、先ほども午前中、NPO法人、新しい公共の担い手は様々ありますが、NPO法人、認定NPO法人に限定してお伺いしますが、認定NPO法人がやはり認定されている数が少ないですね、圧倒的に。約四万あるNPO法人のうちの百七十九団体だと思います、今のところ。この数でいきますと、空白のいわゆる認定NPO法人がない都道府県というのは結構多いわけですね。例えば玄葉大臣のところは福島県、一つだと思います。官房長官の徳島では一つも認定NPO法人はありません。私の地元の岡山でも一つでございまして、もう圧倒的に東京が多いわけですね。
こうした点について私も様々NPOの関係者の話を聞いていますが、やはり認定NPO法人制度が複雑過ぎる、この一点に突き詰められるのかなと思っております。
NPO法人の税制優遇促進のために、特に以下のことが重要だと思っております。今から私が申し上げることは既に税制調査会の市民公益税制PTの中に盛り込まれている内容ですから、玄葉担当大臣としては是非ともこれを実現してもらいたいということの趣旨で聞いていただきたいんですが。
例えばパブリックサポートテスト、これもいわゆる複雑な式のみならず、例えば一定金額の寄附を何人以上が寄附したら認めるとか、そういうちょっと絶対値基準を併存させるべきじゃないかと。私もこれは分かりやすいと思うわけであります。
また、認定NPO法人制度になるには、寄附を既に集めておかなければ寄附を受けやすい制度である認定NPOになれないというわけですから、なかなかなろうと思うところがなれない。そういうことで、仮認定みたいな制度ということもやっていかなきゃいけないと思っております。
様々課題はあろうと思いますが、この辺り、担当大臣の決意というか考えを聞かせていただきたいと思います。
○国務大臣(玄葉光一郎君) 谷合委員が特にAMDAで活動されていたというふうに私もお聞きをしておりますけれども、この新しい公共、鳩山前総理が言わば提唱されたと申し上げてもよいかと思いますけれども、すごく広い概念で、大きなことを言えば新しい民主主義をつくる、そのくらいの意気込みで恐らく提唱をされたのではないかというふうに思っております。
その重要な担い手の一つが、おっしゃったとおり、NPO団体ということであります。全く谷合委員がおっしゃったとおりで、百七十九団体しか認定されてないということでありますので、今おっしゃったこのパブリックサポートテストの要件の見直し、あるいはまさに御指摘された仮認定制度の導入、こういった問題、もっと申し上げれば、所得税の税額控除制度の導入も含めて何とか実現したいというふうに思っておりますので、是非御支援いただきたいと思っております。
○谷合正明君 何とかというより、是非実現していただきたいと。
税額控除に併せてよく言われる課題として、年末調整もこれ対象とすべきじゃないかという、いろんな幅広の意見もありまして、私一つ一つうなずけるものばかりであります。また、今特例で認められているパブリックサポートテストの数式であるとか実績判定期間とか、こういうのはあるんですね。これは特例ということになっていて本則でないんですね。これもNPO側からもう本則にしていただきたいと、そういう強い要望もあります。
もう一つは、認定NPO法人、この制度は、国税庁に申請して国税庁管轄になるわけでありまして、敷居が高い。公益法人は既にもう都道府県ごとで所管できるわけでありますが、認定NPO法人の規定を、いわゆる認定事務の地方移管、これを是非していただきたい。その際、認定NPO法人の規定が租税特別措置法に規定されているということでなかなか国税庁から都道府県に移管できないのではないかという声もあるわけですが、この地方移管に対して担当大臣の御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(玄葉光一郎君) これは先ほど谷合委員が指摘をされた市民公益税制PTの中間報告でも、認定NPO法人の認定を、NPO法人の認証を行っている地方団体等が行う仕組みについて、地方団体等と協議しつつ検討するというふうに明記をしています。
御案内のとおり四万くらいのNPO法人がある中で、実は問題なのは、東京に集中している、六千五百くらいが東京だということもあります。ですから、ここは私もそういう方向がいいというふうに思っていますけれども、地方団体としっかりと話し合わないといけないというふうに思っている、そういう段階だというふうに御理解いただければと思います。
○谷合正明君 是非検討を進めていただきたいと思っております。国税庁が駄目とかいうこと、単純にそう言っているわけじゃなくて、実際、地方で活躍している団体は、やはり各県に申請窓口がなかったりすると非常にやりづらかったりするわけですね。
大方の現在のNPO法人は、大方というか、認定NPO法人になり得る資質、資格のあるNPO法人でさえ今申し込んでないという実態もあるわけですね。やはりこの認定NPO法人制度は抜本的に改めていくということが必要であると。
新成長戦略には個人寄附の総額の目標が記されておりました。二〇〇九年では約一千億円あるということなんですが、統計どの程度取っているか分かりませんが、これを二〇二〇年、十年後には六千五百億円から一兆三千億円としたいと。ただし、これがどういう道筋でやっていくのか全く見えないわけでありまして、別のデータでは日本の寄附総額、個人寄附の総額というのは二十年間そう変わっていないんじゃないかという、税制優遇してもなかなか総額が変わっていないんじゃないかという指摘もあるぐらいでして、この新成長戦略に掲げている目標というのは、意欲的ではありますけれども大ぶろしきでもあるわけですね。この点、どういうふうに道筋を付けてやっていこうとしているのか、お聞かせください。
○国務大臣(玄葉光一郎君) 谷合委員がおっしゃいましたように、日本の場合は、例えばアメリカ、イギリスと比べると非営利団体に対する寄附支援額、対名目GDP比でアメリカは二・二〇%、イギリスは〇・八〇%なんですね。ですけれども、日本は〇・〇二%という状況であります。
おっしゃったとおり、何とか二〇二〇年までに五倍から十倍にするということなんですが、そのためにどうするかということですが、まずは、先ほどもちょっと触れましたけれども、所得控除しか認められていないこの税制について税額控除を認めるというところからスタートをさせてもらいたいなというふうに思っています。しかもそれは、先ほど何とかじゃなくて是非というお話がありましたけれども、平成二十三年度の税制改正で実現をしたいというふうに考えております。
同時に、いわゆる、午前中の質問にもあったんですけれども、その担い手、NPO、認定NPOがどういう活動をしているのかということが分からないとなかなかやはり寄附がしにくいというところがあると思いますので、もっと、たしか牧山委員の御質問だったと思いますけれども、そういった団体が適切に情報発信していけるようなそんな、何といいますか、努力がなされなきゃいけないと、そう考えているところでございます。
○谷合正明君 私は、やはりそういった人材育成も併せてやっていくということが、税額控除のみならず、NPO、新しい公共で働いていく人の人材育成ということも併せてやっていかないと、なかなかこうしたことが進んでいかないと思っております。
最後に、公益法人の方で、ちょっと話移りますけれども、今移行期であります。なかなか移行が進んでおりません。時間がありませんのでちょっと質問を一つにしますが、大方は様子見ではないかなと思います。
ただ、様子見のところはいいんですけれども、一部、私もちょっとこの間ある文化団体、オーケストラの団体の方の話を聞いたんですが、実は財政規模の小さい財団法人ですと、新公益法人のみならず、普通に一般財団法人にさえなかなか移行できない。つまり純資産三百万円の要件を二年連続満たすというこれさえ厳しい。なぜなら、これまでの累積赤字があってこれを今こつこつ返していると。身を切るような取組をして返しているんだけれども、その途上であると。もしかしたらこの申請期限の切れるまでにこれができないかもしれない、そんな声をいただきまして、私は、この適格要件というところは大事なんですけれども、一方、こうした芽まで摘んでしまうのはちょっとやはりこれは政治の側として申し訳ないと思っているわけですが、この辺り、蓮舫大臣のちょっと今の取組を聞かせていただきたい。
○国務大臣(蓮舫君) 御指摘のとおり、新公益法人制度への移行期間が残り三年余りになりましたので、実際の申請数は前年同月比に比べたら伸びてきてはいるんですけれども、総数として、母数に比べるとまだそんな納得できるような数の申請があるわけではないんですね。
御指摘の純資産額三百万円、これは法務省所管の一般法人法に定められているものであって、私から積極的な答弁ができるたぐいのものではないんですが、例えば債務超過の法人という御指摘もございましたが、認定後二年で純資産額が三百万円に達する見込みがない場合などには、本基準を満たさないと判断され認定が受けられないケースはあるんですけれども、純資産額が三百万円に満たない場合であっても移行認定、認可の申請をすることは可能でありまして、このことのみをもって申請自体を認めないということではございません。
○谷合正明君 時間が参りましたので、恐らく来年、この新公益法人の移行申請のピーク、再来年来ると思うんですが、その前に今いろんなヒアリングをしていただきたい、是非こういう問題がないのかということを担当大臣としてしっかり調査していただきたいと思います。
そのことを指摘して、最後の質問とさせていただきます。