○谷合正明君 公明党の谷合正明です。
本日は大臣所信に対しての質疑をさせていただきたいと思いますが、ちょっとのどを痛めておりまして、せき込むかもしれませんが、何とぞ御了解をしていただきたいというふうに思っております。
〔委員長退席、理事藤原正司君着席〕
まず、現在事業仕分が行われておりまして、これは、事業仕分そのものは所管は違いますが、今後、経済産業省分の事業仕分の事業が三十余り取り上げられているかと思っております。経済産業省分のものは今後の仕分になるとも理解しているわけですが、まず、この事業仕分の対象となっている事業の中には、例えば電源開発の地域への対策交付金であるとか、新エネ導入であるとか、住宅用の太陽光発電導入支援なんか対象になっているわけですけれども、まず大臣に、率直な感想としてこの対象となった今回の事業についてどういうふうに感じておられるのか。
また、今事業仕分のチームというのはよくやっていると、よく無駄な経費を切り込むために頑張っているというような認識なのか、あるいは、ほかの大臣からはちょっと心外であるというふうにおっしゃる大臣もいらっしゃいまして、この辺りちょっと、まず大臣のこの現在行われている事業仕分についての所感を是非述べていただきたいと思っております。
○国務大臣(直嶋正行君) 去る十一月九日に開催されました行政刷新会議におきまして事業仕分の対象事業は決定されまして、経済産業省は三十四事業ということになっております。
この事業仕分については、今は実行中でございますが、恐らく経済産業省の部分については来週の後半の方で実行されるんではないかと、今のところそういう予定になっているということでございます。
それで、事業仕分の意義については、もう公明党さんも奨励されていましたし、いわゆる国民目線で事業の効率化と優先順位を付けるということでありますから、それを公開の場でやるということでございまして、そういう意味では、透明性を確保しながら歳出を見直すという趣旨は、私もそれはそれで意義があるというふうに思っております。
今行われていることについては、そういう意味で言いますと、何といいますか、そういう状況の中で、やはり役所から出ていく人もきちっとその意義を説明をする必要もあるというふうに思っています。
いずれにしても、経済産業省としては来週の事業仕分に向けて考え方や方針を今検討いたしておりまして、必要なものはしっかり主張して確保していくべく取組を進めたいというふうに思っています。
○谷合正明君 私の理解だと、概算要求に出したものは必要なものであるから出されているんだというふうに理解するわけでありまして、今の時点で必要なものと必要でないものというのが何となく大臣の中にリストとしてあるのかなというふうに受け取ってしまったんですが、そういうことなんでしょうか。それとも、いわゆる概算要求というのは、大臣としては、大臣として自信を持って出された、そういうものであるというふうに理解してよろしいですか。
〔理事藤原正司君退席、委員長着席〕
○国務大臣(直嶋正行君) これは今委員御指摘のとおりでありまして、これまでの予算も、使い方も見ながら、私どもとしてはこれだけ必要だということで新たな政策も含めて概算要求は出させていただきました。
私が申し上げた意味は、政策当局で考えている政策に対する見方と国民一般から見たときのとらえ方との見方の違いはあるのかなと、そのことは公開の場でしっかり議論すればいいというふうに申し上げたつもりでございます。
○谷合正明君 公明党も、大臣におっしゃっていただいたように、事業仕分についてはそもそもそれを導入すべきであるというふうに訴えてきましたし、公開でやるということの意義もあるということでやってきたんですけれども、今やっている議論が若干テレビ向けのパフォーマンス的なところがあるのかなと私は思っておりまして、そういうことでこの事業仕分について最初に取り上げさせていただきました。
それで、若干ちょっと細かい話になるんですが、電源立地地域対策交付金、これ、今回事業仕分の対象の一つになっているんですが、まず、今年春先に民主党さんでも事業仕分を試験的にされていたかと思います。このとき直嶋大臣は、政調会長としても、ある意味事業仕分のチームの責任者として振るわれたんだと思うんですが、そのときはこの電源立地地域対策交付金は民主党さんの事業仕分では地方移管との結果だったというふうに認識をしているんですが、その結果というのは今回の概算要求にどういうふうに反映されてきたのか、あるいは民主党の試算であるから余り、それはもう今回の概算要求には全くそれは考慮しなかったのか、ちょっともし分かれば教えていただきたいなと思いますが。
○国務大臣(直嶋正行君) ちょっと前回の事業仕分で電源立地交付金がどういう処理をしたかという、対応したかというのはちょっと私明確に覚えていないんですが、少なくともあの段階で、経済産業省からでたしか十項目ぐらい事業仕分をいたしました。その中で、たしか二項目ぐらいもう廃止した方がいいという指摘がありまして、それは今回の概算要求でも私どもはもう廃止をして予算要求をさせていただきまして、あと、見直し部分というのは幾つかあるというふうに思っております。
今の御指摘の電源立地交付金は、予算委員会でもちょっとお話ししましたように、いわゆる電力の消費地と立地地域とのやはり受益と負担の関係を調整すると、こういう考え方でつくられたものでございまして、私は考え方自体は妥当だというふうに思っています。特に、今後、先ほど議論ございました地球温暖化対策等を考えますと、やはり原子力発電を、安全性をしっかり確保した上でということになりますが、推進するということになってまいります。その際にも重要な交付金になると。電源、特に、立地地域の御理解と御支援をいただくためにも重要であるというふうに思っていまして、そういう趣旨も含めて、もしこれが俎上にのって議論になるんであればしっかり説明はさせていただきたいというふうに思っております。
○谷合正明君 これから仕分をすることなのでそれは仮定の質問になってしまうんですけれども、今回の事業仕分ですね、今まさにやっている事業仕分は、この電源立地地域対策交付金が取り上げられている理由は、報道によると、対象に温室効果ガスを排出する石油・石炭火力も含むことが問題視されたということで取り上げられているわけです、と報道されているんですが、これは大臣としては、概算要求の時点では問題視をしなかったと、これも含めて必要であるというふうに考えていらっしゃるのか、ちょっと。
○国務大臣(直嶋正行君) なかなか具体的なところに入ってきましてあれなんですが、元々私は、電源立地交付金が事業仕分の対象に挙がったのは、そもそも民主党時代から特別会計についてしっかり見直していくということを党の考え方として申し上げてきました。その延長線上にといいますか、この交付金も特別会計で運用させていただいていますので、それも含めて俎上に上がったんではないかというふうに思っております。
それから、御指摘の石炭火力等についてなんですが、確かに交付金に含まれていることは事実でございます。今の段階では、この交付地域の、特に都道府県から見ますと、これも含めた形で多分電源立地に対する御理解と納得を得ているということではないかと思っていまして、そういう意味では、火力だからなくてもいいじゃないかという議論には簡単にはいかないと思っています。
ただ、今後の在り方として、じゃ、どういう形でやっていくかという議論は、これは、何といいますか、それはそれでしっかり議論はすればいいというふうに思っています。
○谷合正明君 今のお答えとも関連してくるわけですが、事業仕分の結果、今の個別の話以外も含めて三十余りの事業について、仕分の結果、当然これは廃止になったり縮小になったり地方に移管になったりそのまま継続になったりされると思うんですが、そう判断された事業について、経済産業大臣としてはそれを了解とするお考えなのか、あるいは復活折衝みたいな形でやっていくお考えなのか、今の方針を示していただきたいなと思っております。
○国務大臣(直嶋正行君) ここで出た結果をどういうふうに扱うかというのはまだ結論が出ておりません。したがいまして、これから政府の中で議論をされるのではないかというふうに思っています。したがいまして、その仮定の上でこうするああするという話になるとまたこれも問題が出てまいりますので、私の方からは今の状況だけ御報告しておきたいと思います。
ただ、先ほど申し上げたとおり、概算要求そのものを作る段階では我々なりに必要なものを盛り込んだというふうに思っていまして、すべて政策的にも必要なものだというふうに思っております。
○谷合正明君 その意味で是非大臣頑張っていただきたいんですけれども、政調会長の時代に要するに民主党さんが三月十六日記者会見されておりまして、当時、自公でも与党のときも事業仕分を試みた、だけれども当時の与党PTの座長が不要と判断した業務が二十一年度予算に残っているということで中途半端だというふうに指摘されたわけですね。
その際、民主党側の福山さんだったと思うんですけれども、民主党はこれは英断をもって対応していくということを言われていまして、そのときの政調会長が直嶋大臣でありまして、そういうことからすると、今回の事業仕分の結果を踏まえられてどうするのかということがやっぱり対応を求められているかと思っておりますが、改めて、政調会長時代のときの、いわゆるそのとき考えていた事業仕分と今やっている事業仕分というのは違うのか同じなのか、今のスタンスですね、ちょっと聞かせていただきたいんですけれども。
○国務大臣(直嶋正行君) 当時は、国の事業は約三千ありまして、できるだけそれを数多くやりたいという趣旨で事業仕分、申し上げていました。
今回はたしかそういう面でいうと、数が経産省だけで三十四でございますから、恐らく全体の一割ぐらいではないかというふうに思っています。したがいまして、元々当時申し上げていた事業仕分と、そういう意味では母数とかそういうもので見ますと少し少ないかなというふうに私は思っていまして、ただ、十二月までに予算編成をしなきゃいけないという時間軸の中で考えるとこうならざるを得ない面もあるというふうに思っています。
したがいまして、そういうことも含めて、この扱いについてはこれから、さっき申し上げたとおり政府内で検討して結論を出していくということでございます。
○谷合正明君 済みません、事業仕分のことばかりやって申し訳ないですけれども、今やっている事業仕分に私がちょっと若干違和感を感じるのは、一つは今大臣がおっしゃったとおり時間のない中でやっているので対象事業が限られているという点と、一項目一時間でやって短時間でやっつけてやっているという問題ですね。
そもそも、また九十五兆円の概算要求を三兆円分切り込むというのは、これが果たして三兆円やったというふうに胸を張れる数字なのかと。そもそも九十五兆円というのはちょっと膨らまし過ぎた数字があって、それを三兆削るということがそんなにすごい話なのかということを思っているわけです。
例年、概算要求をやってシーリングで頭を抑えて大体財務省主計官を中心にして毎年数千億の予算を削ってやっていくわけですね。そう考えると、何がどう違うのかなという印象を持っております。
もう一つ、原理原則がはっきりしていないところもあるのかなと。昨日の報道では、ある文科省の事業の一つに、基本的には廃止あるいは予算削減した方がいいというふうに訴え、結論になったものが、担当の事業仕分の取りまとめ役の人の、いわゆる私の政治判断として要求どおりにしたいというふうに、そのまま要求どおりの額で残ってしまった事業もあるわけですね。こう考えると、何が原理原則でやっているのか、私、よく分からないところがありまして、それを踏まえて仙谷行政担当大臣が、仕分の対象、方法について各官庁からも問題提起されると思うというふうに言われているわけですね。
是非、直嶋大臣の方からどういうような問題提起をされるのか、ちょっとお伺いしたいと思います。
○国務大臣(直嶋正行君) 基本的に、ですから今やっている議論の過程の話なので、余り結論を先取りして私から申し上げるのもどうかと思います。それから、もう一つ申し上げると、今年こういう形でやっていますが、基本的に事業仕分も、三千という事業の数から見てもやはり三年か四年掛けてしっかりやっていくということになるんではないかというふうに思っています。これは、私は今、行政刷新担当大臣ではありませんので余り断定的に申し上げられないんですが。
そんなことで申し上げますと、今年で終わりではなくてまだ今後もこの種の活動はやっていくということになるんではないかと思います。
○谷合正明君 それでは、もうこれでこの質問は終わりにしたいと思いますが、次に、環境関係の地球温暖化対策の方に移らせていただきたいと思います。
先ほど来、二五%の目標の話であるとか、買取り制度の話が出ております。そこで、時間もあるのでちょっと若干、あっ、時間もありませんので、時間もあるのでと言ったのは、時間の問題もあるので、出ていない問題についてちょっと、エコポイント、エコカーの継続についてお伺いしたいと思っております。
これは、今日、何か菅副総理がやるというふうな記者会見したというふうに承知しているんですが、以前、予算委員会でうちの斉藤大臣がこれを継続すべきじゃないかというふうに言ったときに、環境省の方からはやりたいと、経産省の方としては景気の動向を踏まえつつ判断したいという答弁だったかと思っております。
私、先ほども需要不足という話も出ていますけれども、やはり景気対策もそうですし、また省エネへの参加ということも考えてみると、この両制度は継続していくべきじゃないかというふうに考えておりますが、大臣としてのお言葉を聞かせてください。
○国務大臣(直嶋正行君) ちょっと、じゃ、私の方から。
今御指摘のように、このエコポイント、エコカーの補助ですが、御指摘あったように、国内需要を支えて雇用を下支えすると、景気を下支えするという意味では景気対策として効果が出ているというふうに我々も判断しています。また、もちろんこの商品の性格上、環境対策としてもやはり効果が出ているというふうに思っています。したがいまして、私が申し上げたのは、景気の足下を見ながら最終的に判断をしたいということを斉藤さんの答弁では申し上げたわけで、今後、さっき申し上げたとおり、これから補正予算の内容をどうしていくかということも含めて近いうちに景気対策をやるのかどうか、どれぐらいやるのかどうかということを結論を出していかなければいけないと思っていまして、財源的な問題もありますので、そういうものも踏まえながらよく協議をしていきたいと。
ただ、政策効果については評価をしているということを申し上げておきたいと思います。
○谷合正明君 効果があるとはっきり認めていただいているのであれば、もうやるというふうに明言していただきたいと思うんですが。フライングで言っちゃうとまたまずいのかもしれませんが、やると明言していただきたいと思いますが。
○国務大臣(直嶋正行君) 余り公開の席で先走って言いますと問題が出ますので。ただ、私の答えぶりから大体御想像いただけるんではないかと思いますが、そんなに時間を掛けずに必要性を判断をしたいということでございます。
○谷合正明君 まあやるということで私としてはとらえさせていただきました。
その上で、例えば車ですね。私、実は自分の車、よく考えてみると七年ぐらいたっていまして、あと三年ぐらいは十分に使えるんですね。
実は、今二〇〇九年、来年二〇一〇年ですけれども、二〇二〇年の今目標、中期目標を立てているところでありますが、この自動車の問題ですね、次世代自動車。これ一五%削減のときは、新車のいわゆるフローの二台に一台は次世代自動車にするという話だったと思います。これを二五%にするとどういう目標になるんでしょうか。もし分かる試算めいたものがあるんであれば教えていただきたいというふうに思っております。
○副大臣(増子輝彦君) 日本の車は将来、次世代自動車が普及するとすれば、七五%ぐらいまでに行くのではないかと。ただ、商業車を除いて、いわゆる普通の乗用車という形であれば七五台ぐらいは行く可能性はあるんではないだろうかというような、今実は次世代自動車戦略研究会も立ち上げましたので、そこで総合的にいろいろ検討をし始めたところでございます。
そういう意味で、一つの方向性を私たちもこれから決めていきたいと思っておりますが、ある試算でいくとそういう可能性もということで数字が一部出ているということをお答え申し上げたいと思います。
○谷合正明君 当然、エコカーの補助を続けていくんであれば、そういう目標があってそういう補助制度があると思うんですね。目標なしのままで継続するというのはあり得ないと私は思っています。
先ほど自分の車の例を例えて言ったんですけれども、今買う車というのは十年ぐらいもつかもしれませんね。それを考えると、今の政策というのは二〇二〇年に十分反映される政策なわけですね。何か二〇二〇年というと遠い将来のように思うんですけれども、二〇二〇年の中期目標を達成する少なくとも我が国としての姿勢を示すためには、こういう次世代自動車の普及、その後押しする政策というのは今やらないといけないと。だから私は、今しっかり継続、拡充していくべきじゃないかなと思っておるわけです。
その上で電気自動車の話をさせていただきたいんですが、次世代自動車の中でも電気自動車というものも一つありますが、電気自動車は今、中国とかアメリカとかいろんな国が今大変国策として注目をしております。これも我が国として、特に電池の開発は我が国の専売特許とも言われておるわけですが、うかうかしていると先を越されるんじゃないかと。特に電気自動車の場合は、例えば電源プラグであるとか、あるいはバッテリーの形状であるとか、今国際標準をめぐるそういう争いにもなっていると。ここで日本が負けてしまうと、結局持っていた技術が全部台なしになる、そう言っても過言ではないのかなと私は思っているわけでありまして、こうした電気自動車の普及については、当然、例えば電気スタンドだったら購入補助というそういう財政的な補助も必要でありますし、一方で標準化という取組も政府を挙げてやられるべきだと思っておりますが、その点についての御見解を伺いたいと思います。
○副大臣(増子輝彦君) 委員のおっしゃるとおりでございまして、せっかく我が国が持つ競争優位を保つためにも、これからの次世代自動車については国際標準化をリードしていかなきゃならない、ここが大変重要だと思っております。そういう意味では、先ほど申し上げました次世代自動車戦略研究会でもこの点も大変重要なテーマとして取り上げて、国際標準化をリードするためにどのような形が一番ふさわしいのか、これを来年の三月をめどに打ち出していきたいと。
まさに、次世代自動車ということになりますと、インフラの整備がこれ大変重要なんですね。車だけはできたけれども、それに対するインフラの整備ができてなければ何もならないということになっておりますので、総合的に判断してそういうものをしっかりと取りまとめていきたいということでございますので、御理解をいただきたいと思います。
○谷合正明君 終わりますけれども、バッテリーのやはり価格なんですよね。それがやっぱり電気自動車の価格を押し上げているわけで、これが大分下がれば消費者にとっても非常にうれしい話になりますし、一方で、車のバッテリーだけじゃなくて、これは車以外のバッテリーにも波及していくわけでありますから、是非ともここを補正予算含めて、力入れてやっていただきたいということを最後申し上げまして、私の質問とさせていただきます。