○谷合正明君 公明党の谷合です。
先日大臣から提案理由の説明がございました本法案につきまして質問をいたします。
蚕糸業につきましては、今日は質問も重なるところも多々あろうかと思いますが、確認の意味で質問をさせていただきます。蚕糸業につきましては、明治以降、我が国の基幹産業として発達しまして、実際にその輸出によって得られた外貨が近代日本の発展を支えてまいりました。
調べたところによると、我が国の蚕糸業が最盛期にあった昭和初期には全国の農家の約四〇%が養蚕に従事をしていたと。全耕地の約一〇%の六十二万ヘクタールで桑が栽培されておりました。戦後におきましても、政府は重要な産品としまして、昭和二十六年に制定された繭糸価格安定法により生糸価格の安定を図って様々な対策を実施してまいりましたが、昭和三十年代以降、一貫して低落傾向をたどっております。特に、近年では著しい減少を示しているわけでございます。
この養蚕につきましては、私自身も大学の卒業論文で我が国の蚕糸、養蚕業を取り扱って、しかもタイ東北部に技術移転を我が国はしていたということでその辺辺りも調べたこともあって、私自身なりに感慨深いこの法案なんですけれども。
今回、生糸輸入調整法という法律を廃止する法案を提出したということで、政府として蚕糸業の振興から手を引く、蚕糸業の保護という役割を放棄するのではないかというふうに見られるおそれもあると。しかし、それは懸念であり、そういった心配は無用であるといった説明や配慮というものが必要であろうかと思っております。養蚕農家が今後とも安定的に養蚕を続けられるよう、政府としてしっかりとした対策を講じていくべきであると考えております。
そこで、冒頭に大臣の方に、なぜ今このときに生糸輸入調整法を廃止することとしたのか、また今後の我が国の蚕糸業をどのように振興していく考えなのか、御見解をお伺いいたします。
○国務大臣(若林正俊君) 今お伺いいたしました、委員十分御承知のことと思います。そして現在の仕組みを申し上げますと、生糸輸入調整法に基づきまして、生糸を輸入する実需者から徴収した調整金によりまして繭代を補てんをするということで国産生糸と輸入生糸との価格差の縮小を図って、これによりまして蚕糸業の経営の安定を図ろうとしてまいったわけでございます。
しかしながら、最近は和装需要の減退や海外での加工された絹製品の輸入が増加をいたしまして、輸入生糸との価格調整を図ることによって国内生糸の価格を維持するということは難しくなってまいりました。その結果として国内の養蚕農家の数や繭生産量は大幅に減少をいたしました。絹製品需要全体の中で国産繭から作られるものの比率は実はわずか〇・九%という状態になっているわけでございまして、その意味で生糸輸入調整法に基づく蚕糸業の経営安定の仕組みがもう有効に機能しなくなったというふうに言わざるを得ないのでございます。
そこで、このような状況の著しい変化を踏まえまして、生糸の輸入調整法は機能しなくなったわけでございますのでこれを廃止をしまして、これまでのような価格に着目した対策ではなくて、養蚕、製糸業と絹織物とが連携をいたしまして国産の繭の特性を生かした高品質の繭、その希少性を生かした純国産の絹製品作りなどを進めるということによりまして、付加価値を高めて輸入品との差別化を進めて我が国の蚕糸業の経営の安定を図ってまいりたいと考えているわけでございます。
そういう新しいシステムが稼働をして、コーディネートして、養蚕、繭の生産者から最終的な加工そして販売に至るその一連の流れの中でこれが定着をして自立できるようなことになるまで、養蚕の農家に対しましては従来と同じような形で、まあ三年間を前提にいたしておりますけれども、繭代金の補てんは従来水準を維持したいと、このように考えております。その間にその高付加価値の製品を普及することによりまして、全体の収益の分配として養蚕農家が従来以上の繭の所得が上げられるように持っていかなければいけないと、こう考えているところでございます。
○谷合正明君 この生糸輸入調整法の廃止というのは、これはまあ機能しなくなったということと、そうは言ってもまた三年間はしっかり養蚕農家が自立する、しっかり自立していけるように政府としても見守っていくということでございます。
そうした中で、今後は川上の養蚕農家とそれから製糸業者と川下の絹織物業者、流通業者との連携というふうに今御答弁がございましたが、このように純国産の絹製品作りに取り組んでいくという取組を支援していくために、その具体的にどういう支援をしていくのか、そしてまたそのためにはいわゆる政策的なバックアップも必要であろうと思っております。掛け声だけでは自発的にその連携が進むことを期待することはなかなか難しいというのが現状であろうと思いますので、連携を促進するための政策的なバックアップが必要だと思っております。あわせて、この新たな蚕糸対策とそれから川上と川下の連携の促進についてお伺いをいたします。
○政府参考人(内藤邦男君) お答え申し上げます。
新しい蚕糸対策を進めていく上では川上の養蚕農家と川下の絹織物業者との連携システムというものを迅速かつ円滑に形成させていくと、進めていくということが重要な点になるわけでございます。
他方、これまでの実態を見ますと、養蚕農家は、一部の方を除きましては、川下の絹織物業者、小売業者とのつながりを持っておりませんでした。このため、新たな蚕糸対策において、蚕糸絹織物業界に幅広い人脈を有し業界事情に精通した方にコーディネーターとして働いてもらいまして、産地のJAなどと協力しながら絹織物業者等との提携システムづくりへの取組に向けて情報提供、あっせん、調整を行うこととしております。
なお、大臣からも答弁がございましたように、養蚕農家が絹織物業者等との提携システムへの移行については三年を目標としておりますけれども、そのシステムに乗れるまでの間は引き続き現行の繭代補てんを実施することとしております。
なお、川下の業界との連携を密接にしていくという上では、経済産業省との連携というのも非常に重要なポイントになっておりますので、経済産業省とも十分連携をしてその事業も活用しながらこの連携システムの早期形成に向けて努力していきたいと思っております。
○谷合正明君 それから、先ほども新技術の開発について質問がございましたが、この生糸の需要を確保していくためには新技術、例えば化粧品ですとか、糸にしましてもいろいろとクモ糸の遺伝子を蚕の遺伝子に組み込んだような新型のスパイダーシルクといったものも開発されているようなんですけれども、こういった新技術の開発を促進、新規用途を開拓していくために、先ほども大臣の方から御答弁ございましたが、この点についてもし補足的に具体的に何か答弁ございましたら改めて御見解をお伺いいたします。
○政府参考人(内藤邦男君) では、最近どういう新しいものができているかということを御紹介いたしますと、委員御指摘にありましたスパイダーシルク、これは信州大学で開発されまして実用化に向けて研究開発が進んでいるわけでございますけれども、そのほか、繭を利用した化粧品、それから桑の葉を利用しました桑茶、こういったものも見られます。また、バイオテクノロジーを利用しまして、抗酸化性あるいは抗菌性等の機能性を有する糸を吐きます蚕品種、それから蚕の体内で有用物質を大量生産する昆虫工場のようなものでございますけれども、そういう技術についても研究開発が進められております。
こういった衣料分野ではない新しい用途への利用状況、それから革新的技術の開発状況も視野に入れまして、当然他産業との連携を図りながらということになるわけですが、蚕、繭、生糸の有する多様な機能を利用する産業として蚕糸業を育成していきたいと思っておりまして、こういったものに取り組む場合にも提携システムの助成対象としているところでございます。
○谷合正明君 もう最後の質問にいたしますが、養蚕につきましては中山間地域の複合経営の重要な一部門となっていると、そういう地域も日本には残されております。
それから、何といいましても着物文化、なかなか私も着物文化と自分で言えるほどの着物を持っているわけじゃないんですけれども、和装の文化を考えますと、この養蚕業というのは、これはやっぱりしっかり守っていく必要もあろうと思っております。
政府において、新たな蚕糸対策をしっかりと着実に実施し、是非とも我が国の蚕糸業の活性化につなげていっていただきたいと思います。最後に、大臣の御決意を伺います。
○国務大臣(若林正俊君) もう全く私もそのような思いでいっぱいでございます。
先ほども申し上げましたように、まさに長野の中山間地域はたばこと養蚕、そして自家飯米などによって維持されてきたと、そういうことがございます。そういう生産基盤が崩壊をしてきているわけでありますけれども、その中にありましても頑張っている養蚕農家が日本の伝統文化を支えている私は基盤だというふうに思っておりまして、新しいこの対策によりまして、そのような産地におきます養蚕農家が新技術を取り入れながら養蚕業というものを守っていただきたいと思いますし、同時にまた、高品質の日本産の繭糸によりまして伝統の和装につきましても、評価の高い着物など、着物以外の製品もございますけれども、特に着物の文化というようなものを支えていかなきゃいけない、このように思っておりまして、この新しい支援の対策によりまして、養蚕農家や製糸業者、それと絹織物業者などの提携がどうしても必要だと、この純国産の絹製品作りというものを通じまして、養蚕農家が安定的に養蚕を続けられるように是非ともしたいと、今後この支援策を強力に推進をするため、全力を挙げて取り組みたいと思っております。
○谷合正明君 以上です。終わります。
169-参-農林水産委員会-7号 2008年04月10日
○谷合正明君 公明党の谷合です。
本日は、前段に米の消費拡大について質問をさせていただきまして、また、後ほど、後段におきまして平成十九年産米の米緊急対策についての質問をさせていただきたいと思います。
まず初めに、米の消費拡大への取組について伺います。
もう御案内のとおり、日本人一人当たり米の消費量が大変減ってきておりまして、この五十年で、例えば昭和三十年代には一人当たり年間で百二十キロほどの消費量でありましたけども、今は約半分、六十キロと半減をいたしました。この理由については、食の洋風化であるとか、あるいは食のいわゆる個食が進んだとか、ライフスタイルの影響もあるというふうに言われております。さらに、平成十八年度の食料・農業・農村白書を見ますと、特にこの食料の消費形態の変化というのは昭和六十年ごろに見られた農産物輸入の増大、輸入品目の変化とも関連していると分析をされているわけでありますが、いずれにしましても、これまで一貫してこの米の消費は減少しております。
まず、澤政務官にお伺いしますが、これまでにどういったそれに対する対策が取られてきたのかという点と。そしてまた、今、食料自給率が四〇%を割り込みましたけども、食料自給率向上の取組における米消費促進が重要と考えておりますけども、昨日でしょうか、平成二十年度の米消費拡大国民運動というものも発表されましたが、これが今までとどういう違いがあるのか、この国民運動の内容と効果等をまず冒頭にお答えいただければと思います。
○大臣政務官(澤雄二君) 委員御指摘のとおり、おとといでございますけれども、平成二十年度の米消費拡大運動、大国民運動と言っておりますけれども、発表させていただきました。少し説明をさせていただきたいと思います。
御指摘のとおり、近年、平成五年を除きまして、お米の消費量というのは四十六年間、前年比減り続けています。我々は、まずこれを今年度は必ず前年比上げると、上回りたい、こういう決意をさせていただいております。それは、米の消費量を上げることが最良の米政策であると思うからでございます。
皆様も御存じのように、米の消費をめぐる背景につきましては、一つ、米の消費拡大は自給率を上げる、二つ、輸入を減らして地産地消をすればCO2の削減につながる、三つ、日本型食生活の拡大が健康増進につながる、この三つの大きなバックグラウンドをまず再確認をさせていただきました。
今、世界の穀物が高騰しています。一方、国内では、先ほどから議論されておりますけれども、米価が下落しています。生産調整も水田の四割に達しています。しかし、ピンチはチャンスだと、現在の流れをこうとらえております。今までも消費拡大策はやってきましたが、今年違うのは、大事なことは人の気持ちをつかまえることだと、どうしたらお米を食べてもらえるか、どうしたらお米を食べたくなるか、それを今回は徹底的に追求をさせていただきました。
具体的に人の気持ちをつかまえるのはどういうことかというと、例えば、皆さん御存じのとおりでありますが、小中学校の生徒の試験の結果、朝御飯を食べている子と食べていない子はどれぐらい成績が違うのか。A問題、B問題とありますが、A問題というのは記憶力、B問題は応用力を試すテストでありますが、これA問題で二〇%、B問題で四〇%の点数の差がございます。このことをある塾でお母さん方に話をしましたら、パニックが起きた。明日からうちの子供には必ず朝御飯を食べさせるという話があったということでございます。
また、十代後半から三十代前半というのは一番朝飯を食べていない世代、つまり若いサラリーマンが朝飯を食べていないのでございますが、これも集中力、持久力、それからミスをしないというテスト結果において、食べている人が食べていない人よりもはるかに優れているという結果が出ております。このようなことを例えば塾、PTA、会社の経営者に伝えていくということが、人の気持ちをつかまえることではないだろうかということでございます。
そして、このような人の気持ちをつかまえるためにはどうしたらいいかというアイデアを農水省の全職員にアンケート調査をさせていただきました。一職員から部長、審議官クラスまで八百六十七件のアイデアが寄せられました。これらをすべて検討させてもらいました。
また、日本人の食の実態、好み、嗜好について四千二百人のアンケート調査を実施いたしまして、徹底的に分析し、その結果を今年具体的な消費拡大策にまとめさせていただきました。
まず、集中的なキャンペーンを年三回分けてやります。ホップ・ステップ・ジャンプでありますが、一回目は四月の新入学、新入社員に向けてのキャンペーンであります。二回目は六月の食育月間に合わせます。三回目は秋以降の新米出回り時期に。この三つに分けてメディアミックスでさせていただきたいというふうに思っております。
具体的には、幾つかの大項目がありますが、その中の一つに朝御飯ビジネスの推進という項目を立てました。朝食向け新業態開発や新商品、新しいメニューの投入などを進めてまいります。どういうことが具体的にできるかということをずっとアイデアで並べてございます。もう時間がございませんので大項目だけを申し上げますが、簡便化、個食化への対応の推進、米飯学校給食の推進、家族そろって夕御飯の推進、これはワーク・ライフ・バランスの実践でございます。それから、健康志向、環境問題への対応の推進などの項目別に幅広く知恵を絞った多くの政策を展開していきたいというふうに思っております。
以上です。
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○谷合正明君 公明党の谷合です。
本日は、前段に米の消費拡大について質問をさせていただきまして、また、後ほど、後段におきまして平成十九年産米の米緊急対策についての質問をさせていただきたいと思います。
まず初めに、米の消費拡大への取組について伺います。
もう御案内のとおり、日本人一人当たり米の消費量が大変減ってきておりまして、この五十年で、例えば昭和三十年代には一人当たり年間で百二十キロほどの消費量でありましたけども、今は約半分、六十キロと半減をいたしました。この理由については、食の洋風化であるとか、あるいは食のいわゆる個食が進んだとか、ライフスタイルの影響もあるというふうに言われております。さらに、平成十八年度の食料・農業・農村白書を見ますと、特にこの食料の消費形態の変化というのは昭和六十年ごろに見られた農産物輸入の増大、輸入品目の変化とも関連していると分析をされているわけでありますが、いずれにしましても、これまで一貫してこの米の消費は減少しております。
まず、澤政務官にお伺いしますが、これまでにどういったそれに対する対策が取られてきたのかという点と。そしてまた、今、食料自給率が四〇%を割り込みましたけども、食料自給率向上の取組における米消費促進が重要と考えておりますけども、昨日でしょうか、平成二十年度の米消費拡大国民運動というものも発表されましたが、これが今までとどういう違いがあるのか、この国民運動の内容と効果等をまず冒頭にお答えいただければと思います。
○大臣政務官(澤雄二君) 委員御指摘のとおり、おとといでございますけれども、平成二十年度の米消費拡大運動、大国民運動と言っておりますけれども、発表させていただきました。少し説明をさせていただきたいと思います。
御指摘のとおり、近年、平成五年を除きまして、お米の消費量というのは四十六年間、前年比減り続けています。我々は、まずこれを今年度は必ず前年比上げると、上回りたい、こういう決意をさせていただいております。それは、米の消費量を上げることが最良の米政策であると思うからでございます。
皆様も御存じのように、米の消費をめぐる背景につきましては、一つ、米の消費拡大は自給率を上げる、二つ、輸入を減らして地産地消をすればCO2の削減につながる、三つ、日本型食生活の拡大が健康増進につながる、この三つの大きなバックグラウンドをまず再確認をさせていただきました。
今、世界の穀物が高騰しています。一方、国内では、先ほどから議論されておりますけれども、米価が下落しています。生産調整も水田の四割に達しています。しかし、ピンチはチャンスだと、現在の流れをこうとらえております。今までも消費拡大策はやってきましたが、今年違うのは、大事なことは人の気持ちをつかまえることだと、どうしたらお米を食べてもらえるか、どうしたらお米を食べたくなるか、それを今回は徹底的に追求をさせていただきました。
具体的に人の気持ちをつかまえるのはどういうことかというと、例えば、皆さん御存じのとおりでありますが、小中学校の生徒の試験の結果、朝御飯を食べている子と食べていない子はどれぐらい成績が違うのか。A問題、B問題とありますが、A問題というのは記憶力、B問題は応用力を試すテストでありますが、これA問題で二〇%、B問題で四〇%の点数の差がございます。このことをある塾でお母さん方に話をしましたら、パニックが起きた。明日からうちの子供には必ず朝御飯を食べさせるという話があったということでございます。
また、十代後半から三十代前半というのは一番朝飯を食べていない世代、つまり若いサラリーマンが朝飯を食べていないのでございますが、これも集中力、持久力、それからミスをしないというテスト結果において、食べている人が食べていない人よりもはるかに優れているという結果が出ております。このようなことを例えば塾、PTA、会社の経営者に伝えていくということが、人の気持ちをつかまえることではないだろうかということでございます。
そして、このような人の気持ちをつかまえるためにはどうしたらいいかというアイデアを農水省の全職員にアンケート調査をさせていただきました。一職員から部長、審議官クラスまで八百六十七件のアイデアが寄せられました。これらをすべて検討させてもらいました。
また、日本人の食の実態、好み、嗜好について四千二百人のアンケート調査を実施いたしまして、徹底的に分析し、その結果を今年具体的な消費拡大策にまとめさせていただきました。
まず、集中的なキャンペーンを年三回分けてやります。ホップ・ステップ・ジャンプでありますが、一回目は四月の新入学、新入社員に向けてのキャンペーンであります。二回目は六月の食育月間に合わせます。三回目は秋以降の新米出回り時期に。この三つに分けてメディアミックスでさせていただきたいというふうに思っております。
具体的には、幾つかの大項目がありますが、その中の一つに朝御飯ビジネスの推進という項目を立てました。朝食向け新業態開発や新商品、新しいメニューの投入などを進めてまいります。どういうことが具体的にできるかということをずっとアイデアで並べてございます。もう時間がございませんので大項目だけを申し上げますが、簡便化、個食化への対応の推進、米飯学校給食の推進、家族そろって夕御飯の推進、これはワーク・ライフ・バランスの実践でございます。それから、健康志向、環境問題への対応の推進などの項目別に幅広く知恵を絞った多くの政策を展開していきたいというふうに思っております。
以上です。
○谷合正明君 分かりました。後で議事録、しっかりと読ませていただきますけれども、自給率向上ですとか、あるいは環境、健康増進というキーワードが出てまいりました。
その中で、もうこれは別に米を消費拡大とするわけじゃないわけですが、米飯給食の拡充というのは従来から言われてきております。私自身は、これは次の世代というか、今の若い児童たちに日本型食生活をしっかり身に付けてもらうとか、そんないろいろな観点から、学校における米飯給食の推進というのは大事だと思っております。この点について、更にお伺いをいたします、どういう取組を今後されるのかということについて。
○大臣政務官(澤雄二君) 米飯給食の拡大というのも米の消費拡大につながるというふうに思っております。今、文科省は、一週間の米飯給食を週三回というのを基準の目標にしてくださっております。全国でその推進に努めていますけれども、全国平均で今二・九まで上がってまいりました。しかし、大都市は低いんですね。東京、埼玉、神奈川、大阪というところが低い。これを上げていきたいというふうに思っております。さらに、できればその三・〇を更に上回るところまで持っていきたいというふうに思っております。
農水省としては、これまで具体的に何をしてきたかというと、地方農政局等から実施回数の三回未満の市町村の学校給食関係者へ更に要請を今しております。ずうっと学校を回って要請を続けております。学校給食関係者の啓発のための米飯学校給食フォーラムや学校栄養職員向けのメニュー講座等を開催をしております。また、米飯学校給食の実施回数増加分の一部、これは全体の六割でございますけれども、政府備蓄米の無償提供等の支援措置を講じているところでございます。
また、お米の味というのは子供のときからおいしい味を知ってもらいたいということも考えておりまして、農林水産省としても実施回数が更に増えるように文部科学省とも連携をして、更に米飯給食を食べてもらえるような工夫をするなど、積極的に対応していきたいと思っております。
○谷合正明君 備蓄米じゃなくて違う、おいしいお米という声もありましたけれども、今日は文部科学副大臣に来ていただきました。
いわゆる米飯給食の回数のことなんですね、まず。これは三・〇回を目標にするというのは昭和六十年代ですかね、目標が出されまして、もう既に、もう年月はたっておりまして、ほぼ八割の学校で三回を達成しております。もう五回を達成しているところ、週五回やっているところもあるわけでありまして、この新たなステージ行くには、私も例えば週四回とか、そういう目標も意欲的にやってもいいと思っております。
まず、この米飯給食の一層の普及拡大、あるいは米粉を使ったメニューの普及等、この点について文部科学省としてどう今後取り組んでいかれるのかという点と、学校におけます食育推進の観点から、御飯を食べることの大切さ等を子供たちに理解していただくことが大事だと思いますが、副大臣の御所見を賜りたいと思います。
○副大臣(池坊保子君) 谷合委員がおっしゃるように、私は御飯が大好きですから、もう本当に学校給食の中で御飯をもっともっと増やしたいと思っておりますし、また、我が国の食料の安全保障の上からも自給率を上げなければなりません。
それからまた、教育の意義から申しますと、教育基本法で日本の伝統と文化を尊重しという一項が入りました。私は、御飯というのはすばらしい日本の伝統文化だと思います。おはしを使いますのは脳の活性化、そして手先も器用になる、あるいはまた御飯の食べ方、これは私は日本が誇り得る文化じゃないか。だからこそ、欧米においてもおすしというのは、御飯がおいしいということも加味されて普及しているのだというふうに考えております。
私たち文部科学省は「早寝早起き朝ごはん」というのを提唱してまいりました。この朝御飯の中に、パンでミルクというのもあるでしょうけれども、やはり御飯とおみおつけ、これはおなかもちがいいというだけでなくて、ちょっとした親が手間暇を日常生活の中に子供のために掛けるということが、私はこれが習慣になってきたらこれもしつけの一つではないかというふうに思っております。
委員がおっしゃるように、福井は三・七とか高知は三・六とか高いところもあるんですね。ところが、川崎だとか又は大阪の貝塚とか、これは地域等のいろんな問題があると思いますが、人口の多い東京も二・六というふうに低いので、是非、まずこれは三にしていくということが先決だと思います。私は、もちろん、三・五、四というような数字を上げたいと思いますけれども、上げましても、昭和六十年に三にしましょうよと言いましても三になってないところがございますから、数字だけ上げても駄目なんであって、いろんな運動が必要かと思っております。
今年は食育の充実のために学校教育法を改正しようと思っておりますので、五月中には地場産物の活用に関する専門会議というのを立ち上げます。この中で教育的な意義ということもきちんと検証されれば更に学校給食が進むのではないかというふうに思っておりますので、農水関係の方々も委員になっていただきながらこのようなことを進めて、これは週四ぐらいになりたいなというふうに思っておりますので、その推進に努めていきたいというふうに思っております。
さっき、備蓄米を提供しているというお話しでございましたが、なかなか子供たちは備蓄米は食べてくれません。農水の方々、どうでしょうか。新米を無償提供していただいたならばなお学校給食が進むのにということで、私はこの際お願いをしたいというふうに思っております。
○谷合正明君 せっかくですから澤政務官に、通告していませんけれども。今、六割を政府備蓄米で無償交付するわけですね、純増分については。この辺り、もし、お答えできます、新米等に関して。
○大臣政務官(澤雄二君) 厳しく言われておりまして、口が滑らないようにというふうに言われておりますが、先ほどの答弁、詳細に検討していただきたいと思いますが、増加分について、備蓄米ですね、六割をね。私が申し上げましたのは、更に米飯給食を食べてもらえるような工夫をするなど積極的に対応してまいりますと申し上げました。その前に、小さいときに食べた食べ物の味は大人まで持ち続けます、ですから子供にはおいしいお米を食べさせなければいけませんねという話が前段にあって、後段にそういうふうに言っておりますので、気持ちを酌んでいただければというふうに思います。
○谷合正明君 米消費拡大につきまして全中さんにお伺いいたします。
今の農林水産省と文部科学省の議論を聞いて、そのことを踏まえていただいて、その感想も含めて答えていただきたいというのもありますし、また、米粉ですね、この加工用途向けの米生産、販売の促進をどう考えるかということなんですが、米粉は今、年間六千トンでしょうか。これは確かに平成十五年が一千トンでありますので六倍に増えておりますが、実際、食糧用小麦の需要は年間五百三十六万トンでございますので、そのうち九割が輸入でしょうか、そのベースに比べますとまだまだ少ないと思っております。この米粉を活用した米生産、販売の促進について全中さんにお伺いをしたいと思います。
○参考人(冨士重夫君) JAグループといたしましても、食料自給率を向上させる観点から日本型の食生活を定着させることは極めて重要であるということで、日本の農業の財産であります水田を維持していくためにも米の消費拡大は重要というふうに認識しております。
全中の中に米消費拡大の専門部署を設置いたしまして、我々としてもPR拠点として東京国際フォーラムにごはんミュージアムというものを設置して情報発信活動をやっております。また、先ほどありましたような朝ごはんキャンペーンを展開しております。それから、次世代の子供たちについてはふれあい田んぼ教室、バケツ稲づくりコンテスト等々、様々な米消費拡大の取組を積極的に展開をしております。
それから、主食用の米の消費が減少する中で、主食用以外の米の生産振興による水田農業の確立ということで、とりわけ最近国際的な穀物相場の高騰、小麦、大豆等々穀物相場の高騰を踏まえれば、米粉パン、それから小麦粉代替等の加工用途向け等の需要拡大を図り、販路の拡大を図っていくということは極めて重要であるということで認識しておりまして、そうした取組を強化してまいりたいというふうに考えております。
○谷合正明君 是非よろしくお願いいたします。
文部科学副大臣、もう結構でございます。
次に、この十九年産米の米緊急対策におけますえさ米処理の問題でございます。先ほど来出てまいりました全中、全農が十万トンえさ処理するということでありましたが、実際のところ一万四千六百三十二トンであったと。この実行できなかった理由についてはるる説明もあったわけでありますが、改めてお伺いいたしますが、そうした経緯、背景といった、どういったものがあったのか。今後、過剰分が市場に出回って価格下落圧力にならないのか。その点について確認をさせてください。
○参考人(向井地純一君) 十万トンのえさ米処理につきましては、十九年十月下旬の米の緊急対策決定におきまして、JAグループとして、需給改善と価格安定効果をより高める対策を行うという観点から、政府米三十四万トンの買入れとセットにしまして取り組むことを決定したわけでございます。
緊急対策の決定を踏まえまして、政府の支援の下、JAグループの負担については生産者から積み立てている基金から手当てをすることとしまして、飼料用米は価格が非常に安いということで、JAグループに販売委託している生産者の負担を極力少なくするよう、ふるい下米で取り組むこととしたわけでございます。十万トンに向けた数量積み上げの特例も行ってきまして懸命に取組をしてきましたけれども、ふるい下米の発生量を想定したよりも少なく、相場が上昇する中でふるい下米の販売が現場で進んでしまっていたというようなことから、一万四千六百三十二トンの処理数量という結果にとどまったわけでございます。
当初は、従来からふるい下米というのは大体六十万トンぐらい発生をしていたわけでございますけれども、そういう意味合いからいいましても十万トンというのは達成ができる数字ではないかということで懸命に取り組んできたわけでございますが、残念なことに一万四千六百三十二トンという結果になりました。我々のふるい下米の市場における相場の見通しといいますか、流通の見通し等々、大変甘さもあったことから、対策を措置していただいた期待にこたえられなかったという結果となったことを深く反省し、心からおわびを申し上げます。
また、十万トンのえさ米処理を実施できていれば価格上昇に更なる効果があったものと考えております。十九年産米につきましては、価格も下げ止まり、反転しており、三十四万トンの政府買入れも含め、全体として緊急対策の効果が絶大であったと認識しております。このことを踏まえまして、二十年産米につきましても計画生産を徹底することが極めて重要と考えております。
以上でございます。
○谷合正明君 それで、価格下落圧力にならないというふうに今、御判断されているんでしょうか。
○参考人(米本博一君) 十万トンのえさ米処理を更にやっていれば更に価格が上がったというふうな効果があったものと考えますが、そこは先ほど、結果的にやれなくてこういう事態になったということを誠に申し訳ないというふうに思っておるわけでございますが、じゃ、十九年産米が今どういう状況になっているかというと、緊急対策を思い切って打っていただいたというおかげで価格も下げ止まり、反転もし、一方で契約も通常ベースで十月末までの引取りという契約でほぼ一〇〇%もう完了したと。
一方で、ふるい下米の方のところでありますが、ふるい下米の方も、全農は一万四千六百三十二トンですけれども、残りの方のふるい下米はほかの業者がもう集荷されたということでございますから、逆に言うと、それがまたこれから出てきて市場をまた悪影響するということはないというように認識しています。
ただ、二十年産に関しては生産調整をきちっとして需給をやはり均衡させるということが非常に極めて重要でありますので、そこのところをきちっとやっていかないといけないかなというように考えています。
○谷合正明君 価格下落はもうないという御答弁でありましたが、それは言い換えると、過剰分が市場に出回ることはもうないんだという認識であろうかと思います。
それはそれとして受け止めましたが、続いて全農さんにもう一度別の角度で質問させていただきますが、今回のような事態を招かないためにも全農の販売力を付けるということが今求められていることでもございます。例えば、買取り集荷をして自らのリスクを取って、今、手数料等の商売ということじゃなくて、スーパー、外食を含めて安定的な販路を大量に確保していくということも求められておりますが、具体的な取組についてお伺いをしたいと思います。
○参考人(宮下弘君) 今委員がおっしゃったように、まさに私どもとしては販売力を強化することが生産者、JAにこたえる道だというふうに、大変重要な課題だというふうに認識をしております。
事業面では、卸売流通に頼るばかりではなく、実需者でございます生協なり大手量販店等への直接販売を強化、拡大をしていくということを通じて売り先をしっかり確保することが私どもの仕事の主たる任務だというふうに心得ておりますので、播種前契約なり収穫前契約、あるいは場合によれば買取り販売等、多様な手法を取りながらそういう販売力強化に努めてまいりたいというふうに考えております。
○谷合正明君 いずれにしましても、今回見通しの甘さという答弁もございましたが、実際衆議院の質疑録を読んでみますと、それが実際に無理だと分かったのが三月上旬というような御答弁もありまして、見通しだけじゃなくて実施の甘さというのもあったんだろうと思っております。
平成二十年産米は、たとえ米価が下がったからといって、備蓄がもうこのような状態でございますので、政府がこれ以上買い取る、買い上げるわけにはいきません。そういう意味で、生産調整の達成に全中、全農さんにおきましては責任を持ってしっかりと取り組んでいただきたいということを最後に申し上げまして、質問を終わりにしたいと思います。