○谷合正明君 公明党の谷合正明でございます。
本日の予算委員会のテーマは社会保障でございます。社会保障といいますと、従来、これまでどうしても高齢者の医療、介護あるいは年金等といいまして、主として高齢者の生活保障をどうするのかという議論が昔は中心であったわけでありますが、しかし今、少子高齢化、そして若者を中心として働き方の多様化が進んでまいりました。とりわけ、非正規労働者の、非正規雇用の増加に伴いまして、やはり社会保障、将来の持続可能な社会保障を考えると、人生の後半の社会保障だけでなくて、現役世代、人生前半の社会保障もこれから重要なテーマになってくるというふうに私自身は考えております。
そこで、私は、今我が国の社会的支出がどういうふうに配分されているのかということを、まずパネルに持ってまいりましたので示したいと思っております。(資料提示)
この図は、政策分野別社会支出の構成割合の国際比較でございます。それぞれの国で、年金、介護、そして障害、医療、児童手当を含んだ家族政策、そして労働政策、住宅、その支出がどういう割合で支出されているかを示したものでございますが、この色づけをしたところが現役世代向けの支出というふうに計上できると思います。すなわち、家族政策、労働政策、そういったものでございます。
我が国は、この現役世代向け支出が八・〇五%なんですね。日本、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、スウェーデンの中で非常に極めて低い数値になっております。
ただ、一つ注意しなければならないのは、住宅政策については、我が国の統計データ、アメリカの統計データはまだ未整備ということで、これ入っていないんですね。しかし、住宅支出を取り除いた割合でも、世界の中で日本は低い割合になっております。この数値について、これまでこれは少なくて済んだんだと私は思っております。
そこで、総理に、この若い人に対する社会支出、社会保障、労働政策含んだ社会保障ですね、社会支出、これは、現在のこの割合というのは妥当であると考えていらっしゃるのか、あるいはこれからを考えるときに少ない、もっと増やすべきだと考えているのか、まずその現状認識についてお伺いいたします。
○内閣総理大臣(福田康夫君) 高齢化社会というか、高齢化がだんだんだんだん進んでいくという中で、我々の目はどうしても高齢者がどうなるのかなと、こういうふうなことに関心が行ってしまう、また政策の重心がそっちの方に行きがちなんですけれども、しかし少子化対策とかそれから雇用問題、これはやっぱり同時並行で力を入れなきゃいけない分野だと思います。
しかし、そういうような高齢化というようなことに政策課題がどうしても行ってしまうという、そういう現状というのは、どうしてもそういう若い人に対する手当てというものが手薄になっている可能性があるというような認識は持っておるところです。
○谷合正明君 やはり、なぜ若い人に対する政府の支出が重要になってくるかと申し上げますと、今若い人たちに対して投資した方が、将来行く行く投資しないで社会保障の給付費の増大を招くよりは、私は財政的にこの負担は少なく済むんであるというふうに考えているわけであります。
とりわけ、若年の雇用ですとかあるいは技能訓練というのは、これまで民間部門が担ってきたと私は考えております。しかし、非正規労働が増えてまいりました。この非正規労働が増えてきますと、どうしても所得が低く抑えられているんですね。このままでは若い人は、また若い人の非正規労働に対するニーズがあるとはいえ、私は、若い人が将来的に結果的に犠牲になってしまうんではないか、そういう危惧をしているわけでございます。
総理、ワーキングプアという言葉、今生まれております。そして、ネットカフェ難民という言葉も生まれてまいりました。総理、ネットカフェというのは御存じでしょうか。
私は、国会会期中、臨時国会だったんですけれども、秋葉原のネットカフェに泊まりに行ってまいりました。夜中一時、二時、そこへ行きますと、スーツを着た若い人が普通に利用されているわけであります。今ネットカフェというのは、そもそもシャワーが付いていたり歯ブラシも提供されたり、宿泊を前提に利用するというケースがあるわけであります。しかし、毛布もありませんし、電気もこうこうとついている中で、朝起きてもすっきりしないというのは私も実体験として持ったわけであります。
こうした利用者の中で、実際に住居がなく、寝泊まりするために利用されている方が、いわゆるネットカフェ難民という方が全国で大都市を中心に六千人いるというふうに言われております。大体平均の一泊の宿泊費は八百円前後だというふうに言われております。
私は、この問題についてはいろいろな理由があろうかとは思います。若い人たちの意識の変化であるとかニーズの変化あろうと思いますが、まずこうしたワーキングプアが生まれてきた背景について、また総理にお伺いいたしますが、どのように認識をされているのか、お伺いいたします。
○内閣総理大臣(福田康夫君) いわゆる、何ていうんですか、バブルのころですね、雇用関係が非常に良かったというか引く手あまた、そういったようなときに若い人たちが経験してしまうと、そのころは仕事をどんどん変わっても収入が減ることがなかったという時代があったんだろうと思います。そういうような人たちも一つ原因があるかと思います。また、若い人の働き方が変わってきたという、そういうこともあるかもしれません。一生この会社にいるなんていう、私どもが考えていたようなそういう時代ではないということですね。
そういうような背景もあるかもしれませんし、様々な事情があって、そしてまた大事なのは、やはり雇用する側が受け入れないという事情があるのだろうと思います。ですから、両方あるんですね。両サイドにそういうものが発生する原因があるんだろうというふうに思いますので、これ、片方だけの対応というわけにはいかないんだろうというように思います。
ですから、私どもは、採用側に対して雇用について適正化とか、またいろいろな形で雇用を促進する、そしてそれが適正化、要するに正規、非正規というような差別をしないといったような形のお願いを申し上げ、また、政策的にもそういうものを取り入れていく、また、今年の四月からジョブ・カードというものをやると。いろいろなことを組み合わせた政策を提案して、そして実施して、そしてそういう方々をいかにして普通の雇用関係に持っていくかということに努力をしてまいりたいと思っているところです。
○谷合正明君 二〇〇一年から企業収益というのは毎年過去最高収益を上げていっているわけですね。しかしながら、国民の現金給与総額というのは伸び悩んでいると。その原因の一つが非正規雇用の増加であります。非正規雇用の中で、パート、アルバイトの数が多いわけでありますが、その中で、今日は派遣の中でもとりわけ日雇派遣、この問題について取り上げたいと思っております。
実は、私も公明党の党の青年局長として、若い人たちの声、派遣に従事する人たちの声、派遣の会社で正社員として働く方の声を聞いてまいりました。所得が低い、収入が不安定であるとか、年齢を重ねるほど正規雇用への転職というのは非常に難しいと、細切れの単発の仕事でスキルアップができない、そんないろいろな声を聞かせていただいております。派遣社員で正社員として働く方もそのことは認めておるわけでありますね。
この日雇派遣、先日も業界大手が違法派遣をしていたということで問題になりました。この日雇派遣については、労使共にこれは何とかしなければならないというのは、問題意識は共有されております。もはやこれは個別の派遣元事業主の問題ではなくて、むしろ日雇派遣制度そのものの問題に行っているのではないかと、私はそのように今考えております。
携帯で明日の仕事を求めるのをワンコールワーカーとも言うわけでありますが、実は先日、厚生労働省は日雇派遣について見直しのための指針と省令改正を取りまとめたところでございますが、そこでは派遣元事業主による派遣労働者への教育訓練というものがうたわれております。しかし、実際私も体験したわけでありますが、明日の仕事の情報が携帯にばんばん入ってくるわけですね。そういった状況の中で、実際にその訓練、教育訓練というのはできるのかというと、なかなかできないわけであります。
先日、北側幹事長が衆議院の予算委員会で、この日雇派遣については余りにも法令遵守がなされていないということで、これについては今自由化でありますけれども、原則禁止すべきではないかと、特定の専門的な業種については認めるべきであろうと、そのように申し上げたわけであります。私も全く同感であります。
例えば、マージン率とよく言われますけれども、有料の職業紹介所は手数料一〇%なんですけれども、派遣元事業主、日雇派遣については高いところでは四〇%ぐらいある、そういうケースもあるわけであります。そういう問題について、私は今後、原則禁止化へ大きく踏み出していくときが来ているのではないかと、そのように考えております。舛添厚生大臣の見解を伺います。
○国務大臣(舛添要一君) 今委員がおっしゃったように、日雇派遣に伴う様々な問題が出てきていることは確かであります。
それで、原則禁止にするかどうか。片一方では、多様な働き方ということで働く人たちの側にも一定のニーズがある、これは委員が御指摘くださったとおりであります。ガイドラインを策定したり、例えば日雇派遣の報告をちゃんとしなさい、それから派遣先の責任者も決めなさい、それから就業記録を義務化する、こういう指導も徹底しておりますけれども、最終的にこの日雇派遣、原則禁止を含めてどうするか。これは、今厚生省の中で研究会を立ち上げまして、早急に検討し、また皆さん方にもお諮りして方向を決めたいと思いますんで、問題意識は共有しております。そして、しかるべき対策を取りたいというふうに思います。
○谷合正明君 原則禁止といいましても、やはり実際働いている若い人たちがおりまして、じゃ、若い人たちをどうするのかとか、あるいは派遣先の企業をどうするのか、そのことも含めて私が申し上げたいのは、政府の役割というのはあるだろうというふうに思っているんです、そこに。ですので、そこはしっかりと今、検討会ですか、研究会の方でやっていらっしゃると思いますが、日雇派遣の人数がしっかり何人なのかという、そういう基本的な数字も是非つかんでいただきたいと思っております。
年長フリーターについて質問をさせていただきます。
今フリーターの数というのが、年々減少しているとはいえ、今グラフ紹介いたしますが、(資料提示)約百九十万人のフリーターがいると言われております。ニートにおいては、約六十万人のニートがいると言われております。フリーター常用化二十五万人プランでそれは実現したといっても、やはりフリーターの数というのはこれだけいるわけであります。とりわけ、年長フリーターという数も、二十五歳から三十四歳、再就職は難しい世代と言われております。
非常にこれは悩ましい問題だと思っておりまして、公明党も、このフリーター等で働く非正規の方の職歴を真っ当に評価していただく制度、いわゆるジョブ・カード制度導入を推進をしてまいりました。今回、福田総理も、このジョブ・カード制度については施政方針演説で述べていただきました。
しかし、このジョブ・カード制度というのは、この四月から導入される割にはなかなかなじみのない制度でございます。具体的に、フリーターのAさんはこのジョブ・カード制度を使ってどのようにしたら正社員の道が開けていくのか、担当大臣の大田大臣に分かりやすく御説明していただきたいと思います。
○国務大臣(大田弘子君) 日本は企業内訓練が主流ですので、なかなか正社員にならないと技能も身に付かない、したがってこのフリーターを続けざるを得ないという悪循環がございます。それを断ち切るためにつくられたのがこのジョブ・カード制度です。フリーターですとか子育てを終えた主婦の方が企業の現場で職業訓練の機会を得て、その履修を証明されるジョブ・カードを受け取るというものです。
具体的には、このフリーターAさんはハローワークに行きまして、そこでキャリアコンサルティングを受けます。そして、どういう職種が向いているか、相談の上決めて、その希望の職種の訓練を提供している企業できちんとプログラムされた職種訓練を受けます。そして、専門学校などで座学も受けます。その期間の賃金は支給されます。その上で、半年なり一年の訓練期間が終わって履修をしたという証明がなされれば、ジョブ・カードにそれが書かれます。
したがって、これは職業訓練の制度だというだけではなくて、履修を証明する制度でもありますので、そのままその企業が評価してくれれば正社員になれますし、その企業で採用されない場合も、ジョブ・カードに書かれた履修証明を基に類似の職種で就職の機会が開けるということになります。
○谷合正明君 分かりました。
そこで、課題はこの周知なんですね。そしてまた、この制度に参加する企業をいかに増やしていくかということなんですね。
一つ例を出しますけれども、この周知であるとか参加する企業が少ないと、せっかく計画したものも予算が適切に執行されないというケースもあるわけでございます。
例えば、十九年度から政府は、年長フリーター自立能力開発システムというシステムを、長い名前で分かりづらい名前なんですが、やっております。厚生労働省の委託で独立行政法人雇用・能力開発促進機構の事業として始まっております。企業で実習する、そして評価されれば正社員の道が開けてくるという、言わばジョブ・カード制度に類似した制度でございます。
じゃ、この自立能力開発システム、計画と実績、どのように差があるかというと、計画定員は十九年度で五千人なんですね。しかし、十九年の十一月末時点でこの制度を利用した入校者数はわずか三百二人ということで、これ、非常に私は、何というんでしょうか、効率のいい事業では全くないと思っているわけです。そのほかの事業も、若者向けの雇用政策についても、多々こういうケースは散見されているわけでございます。
そこで、若者の雇用対策を担う雇用・能力開発促進機構の仕事をしっかりここでいま一度検証していただきたいと。今後、若者の正規雇用につながるようなそういう施策をしっかりやっていただきたいと思うわけでありますが、舛添大臣の見解を伺います。
○国務大臣(舛添要一君) 今委員が御紹介いただいた年長フリーター自立能力開発システム、これ、委員おっしゃるように、どうも企業の方がいま一つ積極的でない。これからハローワークなんかを通じて、そこに求職者を求めてくる企業に対しては周知徹底し、こういうシステムありますということをやらないといけないというふうに思っています。
そして、私自身、雇用・能力開発機構の現場を見まして、そして訓練を見てきました。非常に優れた訓練を行っていて、なかなか企業ができない部分をカバーしているなというのもありますけれども、ある部分において、これはもう完全に民間に任せてこの機構がやる必要はないんではないかというのも散見されましたので、今整理を行い、きちんとそこの仕分をし、必要な訓練は残す、しかし民間に移せるようなものは移していく、そういう今整理をしたところでありまして、ただ、最終的には経済全体が成長し、企業が、これは有効求人倍率の問題になりますけれども、どうしても、もうまさに人不足であるというような状況になればこういうシステムについてももっと積極的になると思いますので、そういう全体の成長戦略の中でこの問題もまた位置付けて、きちんと対応してまいりたいと思っております。
○谷合正明君 事業仕分をしっかりしていただきたいと思うわけです。
次に、ニート対策について伺いたいと思います。
いわゆるニートについては、今、先ほど申し上げたとおり六十万人の数を超えておりまして、依然として高い水準にあります。今ニートに対する専門的相談事業の施設として地域若者サポートステーションというものが全国で四十七か所設置されております。
実は、昨年の十二月から、公明党の青年局で各都道府県、空白県、この施設がない空白県もございますが、この若者サポートステーションを一斉に調査しようということで実態把握に努めました。その結果分かったことは、一、まずこのニーズは非常にあるということでございました。そして二つ目、しかし現在の人員体制であるとかあるいは施設数ではそれに全く追い付かないということです。そして三、今後この事業の質の低下が懸念されているということでございました。四、ほかの、例えば教育分野との連携というものをこれも考えてほしいと。
どういうことかといいますと、まずニーズがある、しかし人的体制、施設数が足りないということであれば、私は、今四十七か所ありますが、少なくとも各都道府県に一つ二つはないといけないと思っているんですね。そのために、やはり倍増する、このことは大事であろうと思っております。しかしながら、倍増した、しかし予算がそれに見合って増えないということであれば、一か所当たりの委託費も減ってくるわけであります。そうしますと十分な相談員体制も取れなくなってくるということで、質の低下も実は現場では懸念されているわけでございます。この点についてどういうふうに考えていらっしゃるのか。
また、先ほど申し上げましたとおり、教育との連携というのは、この施設を利用される方の中には中学校、高校でいじめ体験に遭ったとか、あるいは中退者であるという数も多いわけであります。しかし、高校、中学の中退者の数であるとか進路未決定者の数という情報は、教育委員会は持っているけれども、教育委員会からこの地域若者サポートステーションの方に情報は入ってこない。つまり断絶されているわけであります。私は、そういう意味で、今後のニート対策を考える意味ではこの縦割りを排していくべきでもあると思っています。
大臣の見解を伺います。
○国務大臣(舛添要一君) ニート対策、これは非常に必要でございますので、今おっしゃっていただいた地域若者サポートステーション事業、これは十九年度はまだモデル事業でありましたけれども、二十年度からはこれを本格的な事業に上げたい。それで、十九年度、五十か所である設置箇所を七十七か所にまで大幅に拡大いたします。
そして、訪問支援ということをやらないと、今おっしゃったように引きこもり、いじめられて外へ出たくないというような若者もいますから、そういうためのモデル事業をちょっとつくってみたいと。特に人材が必要だというふうに思います。
そして、やっぱり地域の実情に合わせたきめの細かいサポートをしないといけないので、地方自治体との協議。そして、今おっしゃった学校でのいじめ体験云々というような話は、これは文部科学省、そして地域の教育委員会、こういうところとも緊密な連携を取らないといけないので、やはりその若者が住む地方自治体と国との連携がかぎだと思いますので、今の委員の御指摘も受けまして、この点もしっかりと対応してまいりたいと思います。
○谷合正明君 以上、ニート対策であるとかフリーター対策、申し上げてまいりましたけれども、社会の中で多様化する若者の雇用問題について総合的に政府を挙げて取り組んでいただきたいと思っております。
無年金者、低年金者対策について伺います。
先日、無年金者になることが明らかになった数が百十八万人全国でいるという報告が出ました。我が党としては、この無年金あるいは低年金者対策として追納制度、あるいは二十五年の受給資格、これ余りに諸外国と比べて長いのではないか、短縮したらどうか、そして基礎年金加算制度、こういったことをこれまでも申し上げてまいりました。しかし、なかなかこれは実現しますというふうな回答をまだいただいてないんです。
というのは、例えば受給資格二十五年にあと一年足りない人は何人いるのか、二年足りない人は何人いるのかというこの無年金者、低年金者対策に必要不可欠な情報を社会保険庁は持っていないわけであります。まずこの年金記録問題、最優先されるべき問題ではありますが、しかし若い人たちの雇用の問題も含めて考えると、この問題、低年金者対策、私はしっかりとしたきめ細かい調査をすぐに始めていただきたいと思っておるわけでありますが、大臣の見解を伺います。
○国務大臣(舛添要一君) まず、委員御指摘のこのデータの収集、分析、これをきちんとやりたいというふうに思います。
そして、今御提案のありました件につきましても、その前にいろいろ、すぐ掛金を払えない人に対してはいろんな免除措置とかもありますので、取りあえずはそれで対応しますが、今の新たな公明党さんの御指摘のような提案を入れた場合に、片一方でずっときちんと払ってきた方々との絡みとかモラルハザードの問題とかもありますけれども、こういうことを含めてこの社会保障国民会議ができましたので、この場でもきちんと議論をしてまいりたいと思います。
○谷合正明君 時間がございませんので、最後に総理に質問をいたします。
総理、是非とも我が国の国づくりとして青年を前面に押し出す施策、メッセージを発信していただきたいということでございます。若者担当大臣を是非この内閣に設置していただきたいということでございます。
年金問題あるいは雇用問題、格差社会、少子高齢化、教育問題など、社会に積み重なる課題の多くは、これは実は若者に今関連しているわけでございます。しかし、つかみどころがないということで、若者の政治的な中での議論というのはこれまでは後回しにされてきたと私は思っているわけであります。総合的あるいは省庁横断的にしっかりとこのことをやっていくということを、メッセージを、福田総理にまずその御決意を伺いたいと思っております。
○内閣総理大臣(福田康夫君) 若者は明日の日本を担ってくれる方々なんですよね。そういう方が将来に対して希望を持てるような現状というものが必要なわけでありますので、ですから若者に対するいろいろな対応というものは、社会的な対応というのはこれは大変大事だと思います。
政府もそのことは十分に考えていかなければいけないと、こういうふうに思っております。そういうことで、特に青少年の育成施策とか世代間の合意が必要な政策、これについて若者の意見が適切に反映されるようにすることが大切であるということでありますので、政府として横断的な取組、これも不可欠な問題だと思います。今年は五年ぶりに新しい青少年育成大綱を作成する年なんでありますので、若者の声にもよく耳を傾けながらしっかりとした大綱を作成するということで、担当大臣は上川大臣なんでありますけれども、総合的な青少年行政を進める、そういう決意であります。
あわせて、今雇用を必要とするようなそういう若者もいるわけですから、そういう方々に対する施策ということも大事であります。これは今、新成長戦略というものを策定中でございますけれども、その中で新雇用戦略というものも考えていく、そういう中でそういう問題も取り入れていきたいと、こう考えているところでございます。
○谷合正明君 もう終わりますが、海外には青少年担当大臣というか省庁もあるぐらいでございまして、私は、是非このことについてしっかりと政府として、この育成大綱のまとめる年でございますので、しっかりとやっていただきたいということを最後に申し上げまして、質問を終わりにいたします。