○谷合正明君 公明党の谷合です。
私の方からも続きまして質問をさせていただきます。
まず、全体的なお話でございますが、先ほど来話が出ております継続検査におけます指定整備工場、今、年間で一千六百万台、これが約七〇%がこれを経由しているということでございますが、今回の自動車検査独立行政法人の見直しによりまして、業務のいわゆる重点化というところで、むしろこの七〇%の割合をもっと高めようということでございますけども、具体的にどういうふうに業務を重点化していくのかということと、全体像の話と、具体的にどのようにして民間指定整備工場の拡大策を図っていくのかといったところについて国交省の対策を聞かせていただければと思います。
○政府参考人(岩崎貞二君) 指定整備工場の要件でございますけれども、一定の規模の施設、工員を有することというのを条件にしております。そのうちの人数要件として、これまで五人以上としておりましたけれども、これを大型車を取り扱う場合を除いて四人以上に緩和をしたいと思っております。この四月一日から実施をするということで取り組みたいと思っておるところでございます。
こうすることによりまして、指定整備工場、今先生御指摘のとおり七二%でございますが、七二%の車が今、指定整備工場で車検を受けていると、国は残りの二八%を対象にしていると、こういうことでございますが、国、失礼しました、独立行政法人は残りの二八%を対象としているということでございますが、この七二%を、指定整備工場の要件を緩和することによりまして五ポイント程度上げていくと。逆に、独立行政法人の引き受ける方を五ポイント程度下げていくと、こういうことにしていきたいと思っております。
私どもは、独立行政法人の方では特に新規の検査、これは継続、国がちゃんとやりますので、新規の段階でちゃんと見ていくことが非常に重要でございますので、新規の検査をきっちりより充実したものにしていくということが一つ。
それから、特に、先ほどもございましたけれども、街頭検査、こうしたものをちゃんとやっていく体制もつくりたいということでございまして、こうした民間の指定整備工場に任せる部分を増やしまして、新規検査でありますとか街頭検査とか、こういうものに重点化をしていきたいと、このように考えているところでございます。
○谷合正明君 新規検査の重点化ということについてはまた後ほど質問させていただきますが、現在、車検において不当にいわゆる合格の要求をするというようなトラブルがあると。平成十七年度におきましては、この自動車検査独立行政法人、全国九十三か所の検査場での不当要求行為の総件数というのが六百四十件、前年度から三十一件増えていると。そのうち、暴力、脅迫といった悪質な犯罪行為が三百四十四件と半数以上を占めていると。こういった増加する不当要求に対してどのような対策を講じていくのかということが一つポイントとしてあります。
一方で、公務員の非公務員化ということで、その辺も含めて、職員の使命感、士気の維持をどのように確保するのかといったところも論点として挙がっているわけでありますが、国交省の対応を聞かせていただきたいと思います。
○政府参考人(岩崎貞二君) やっぱり、不当要求に屈しないちゃんとした体制が必要だと、このように思っております。
まず、非公務員化に伴う措置でございますけれども、罰則の適用に関しましてはみなし公務員規定を設けました。検査法人の職員が業務を執行するに当たりまして暴力なんかを受けるといったことについては、これまでと同様、公務執行妨害罪としての刑法が適用されるよう措置しているところでございます。
それから、これはもう法律上の措置ではございませんけれども、具体的な現場の措置、今までもいろいろ取り組んでおります。防犯カメラを設置する、それから個々の検査員に警報装置を持たせる、それから一部の検査場でございますけれども、警察OBの方を雇用して来ていただくと、こんなことをしたり、悪質なものについては刑事告発なんかをやっていると、こういうことでございます。
今後とも、こうしたものをきっちりやっていくことが重要だろうと思っておりまして、これまで以上に検査法人の幹部の方が現場に回って現場でのそうした声をよく聴いて、不当要求に対する体制を組織としてきっちり確立していくということが必要だろうと思っております。頑張っていきたいと思います。
○谷合正明君 分かりました。
次に、手数料の値上げについて質問させていただきますが、先ほど大臣の方からは二百円から三百円の値上げということで言及ありましたけれども、その額でよろしいのかということをちょっと確認させていただきたいと思います。
○政府参考人(岩崎貞二君) 政令で決めるということになりますので今後の検討でございますけれども、今現在はそれぐらいの程度の額の値上げを検討しているところでございます。
ただ、この理由は、先ほど大臣御説明しましたように、車検の制度の、検査の中身を充実していきたいと、こういうことで考えておりまして、検査法人の管理費なんかを増やそうと、こういう趣旨のものではございません。
○谷合正明君 つまり、いわゆる新規検査の中身の充実というところに充てるんでしょうけれども、ということはやはり独立行政法人の経営責任を高める観点から、現在国が、特別会計が徴収している検査手数料の在り方、積算方法の見直しを検討するというような昨年十二月の見直し案というのは、これとは全く関係ない話だということでございますね。
○政府参考人(岩崎貞二君) 現在は、例えば継続検査の小型車の手数料千四百円、これは国が一括して徴収をしておりますけれども、今申し上げましたように二、三百円程度上げたいということでございまして、千六百円か千七百円程度ぐらいを考えているところでございます。これは、独立行政法人に払ってもらうものと国にいただくものとの合算額でございます。今後、この千六百円ないし七百円のうち一定部分は独立行政法人に払っていただき、一定部分を国に払っていただくと、こういうことで考えております。
○谷合正明君 分かりました。
それで、先ほども話として出ました不正車検、特にバスの問題でございますが、報道によりますと、どのようにして不正をしていたかということで、自動車メーカーが内装、音響等の室内装備により、そのままだと重量規制が規制値を上回ることを認識していたにもかかわらず、観光会社の要望を優先させ一時的に部品を取り外して車検を通り抜けて、改めて部品を取り付けると。車検の際、同じ仕様の車両の場合に、重量を一台だけ計量すると、残りは書類内容の確認などで済ます検査方法が従来取られていたということでございまして、バス十台の車検を受ける際、これはいすゞの例でございますが、部品を取り外したバスを一台だけ用意して検査官に偽装したバスを検査するよう仕向け、残る重量オーバーの九台の計量を逃れていたということでございます。
これは、どちらかというと、巧妙な手口というよりは単純な手口かなと私は思いまして、むしろ、何というんでしょうか、先ほどの議論の中では罰金のいろいろ話がありましたけれども、いわゆる自動車検査独立行政法人のチェックの体制というか、もう少し見抜けなかったのかというような思いもございます。
今回、いろいろ検査の高度化といったところが目玉になるんでしょうが、この自動車検査独立行政法人の今後の検査の強化策、不正車検の再発防止のチェック体制の強化について冬柴大臣の決意を聞かせていただきたいと思います。
○国務大臣(冬柴鐵三君) 先ほどからもいろいろとお話がありましたけれども、不正な二次架装と言われていますが、これについては事案が解明した都度、告発や改善の指示等を行ってきたところですが、昨年の通常国会において道路運送車両法を改正し、架装事業者に対する立入検査、報告徴収の権限を規定をさせていただきました。それから、現在、本規定を活用し、架装事業者と販売会社を厳しく監視し、指導監督を強力に行っているところでございます。
その結果、二十五社の不正が発覚いたしましたので、各地方運輸局では警告書の交付と公表を行っております。もう少しそれを詳しく言いますと、調査して不正行為を実施したと報告した四十七社に対して警告と公表、それから不正行為はしていないと言っていたけれども、こちらの検査の結果、十社で不正が発覚したから警告と公表をしました。それから、自動車車体工業会の非会員、これについては十五社で不正が発覚したから警告と公表を実施したと、こういうことで、今まず警告と公表ということで処理をいたしておりますが、また、再発等の悪質な事案や虚偽の報告については告発も含めて厳しく対処したい。これには、罰金だけではなしに体刑も、六月以下の懲役があります。したがいまして、裁判所が事案によっては罰金ではなしに体刑も、懲役刑を選択をしていただくように、誠に、こういう審議を通じて裁判所もその意識は持っていただけるだろうと私は思います。
さらに、車検後に行われた改造、これはなかなか次まで分からないわけですね。これが分かるようにするために電子化を進めると、そして車検の高度化を図ることとしています。具体的には、新規検査の際に車両を撮影し、次の継続検査や街頭検査におきまして、街頭検査というのは大体暴走族とかそういうのが多いわけですが、そのときにその画像データとチェックすることによって不正改造はすぐ見破ることができるわけです。そういうことを進めたいということで、中期目標があるんですが、平成十九年から四、五年の間を想定をしていますが、この間にこの整備を進めたい。大体、見積りでは六十数億ぐらい掛かるんではないかということですが、そのようなものを進めて、そしてこういうものを許さないということを徹底していきたいというふうに考えているところでございます。
○谷合正明君 是非、大臣先頭に立っていただいて、再発防止対策よろしくお願いいたします。
続きまして、バスの火災事故について質問させていただきます。
国交省の調べによりますと、平成十五年から平成十八年の間、バスの火災事故の件数が八十六件ございました。原因が整備作業のミスでありますとか適切な点検整備がなされていないといったことでありまして、中国地方では独自で中国運輸局の方が調査していただきましたけれども、中国地方で運行されている高速バスの約一・八%で燃料パイプの損傷などの整備不良があったと。中国五県の高速バス事業者三百九業者、合計三千三百五十九台のうち六十台で整備不良を発見したということでございますが、原因としてのその整備の不良であるとかいうのはあるんですが、そもそもなぜこうしたことが起きているのか、その遠因をどうとらえているのかということと、また、国交省として、火災事故の防止、また整備の徹底を図る対策についてはどのようにしていくのかということについてお伺いいたします。
○政府参考人(岩崎貞二君) 今先生おっしゃっていただいたとおり、この八十六件について分析をいたしました。定期点検整備が本当に不十分だったとか、アンペア数の、間違ったアンペアのヒューズを交換したとか整備作業のミスといったのが非常に多いという数字が出ております。整備をやっぱりきっちりやっていただくことが一番重要だろうと思います。日常点検、それから三か月ごとに実施すべき点検整備項目、これを適切に実施すればかなりの火災が防げたと、このように思っているところでございます。
私どもも今般こうした、特別に分析したわけでございますけれども、この分析結果を広く公表するとともに、これはやっぱりバス事業者、それからバスの整備に当たる整備事業者、こうした人によく見てもらいたいと、このように思っているところでございます。そういう意味で、こういう整備を不十分でこういう火災が起こっているんだということをきっちり出しまして、注意喚起をいたしまして、これを今後我々監査する機会もございます。あるいはいろんな研修の機会もございます。こういうことで生かしていきたいと、このように思っているところでございます。
○谷合正明君 是非よろしくお願いいたします。
それでは、車検の、先ほど末松委員の方からも質問があったんですが、やはり車検期間の有効期間の延長であるとか検査項目の削減、特にこの辺りはユーザーからどうなっているんだというような声が多いわけでございまして、私の方からも改めて質問させていただきたいんですけれども。
普通自動車の検査の周期というのは初回今三年でございますが、これは昭和五十八年に初回二年から三年に変わりまして、もう既にもう二十年を超えております。そういった中で、車の性能の向上であるとか交通事故件数の動向に合わせて、今後柔軟に対応していただきたいと。率直に言えば平成十六年三月に閣議決定された規制改革・民間開放推進三か年計画の中に具体的に車検有効期間の延長ということが盛り込まれていたわけでありますが、私の方も、やはり特に車は一世帯が一台持っているようなものでございまして、非常に車検の負担というものは各世帯あるいは若い世代も含めまして非常に大きいものだと思っておりまして、この車検の有効期間の延長についてどのように今考えていらっしゃるのか、この辺り聞かせていただきたいと思います。
○政府参考人(岩崎貞二君) 車検の期間の見直しでございますけれども、平成十七年の三月までに自動車の検査・点検整備に関する基礎調査検討委員会というのを設置をいたしました。検査対象車種全般にわたりまして、今先生がおっしゃいました事故の状況がどうなっているか、あるいは環境汚染の状況がどうなっているか、使用実態がどうなっているか、あるいは諸外国の検査制度と比較してどうか、不具合の発生状況はどうか、そうしたいろんな形で総合的に検討を行いました。
その結果、今の一般の自家用乗用車でございますけれども、これはまあ初回三年、あと二年とやっておりますけど、これが適切であると、こういう結論を得たところでございます。小型の二輪につきましては、これは今まで初回を二年にしておりましたけれども、これを三年に延長しても悪影響は小さいということで、ここについては見直しが適切であると、こういう結論をいただいたところでございます。
これを受けまして、昨年の通常国会でこの道路運送車両法の改正をさせていただきまして、小型二輪車の有効期間は延長するということで、これを平成十九年の四月からやっていきたいと思っております。
総合的な検討、やったばかりでございます。今後の事故の発生状況あるいは自動車の技術の進展とかいろいろと見守っていくということの認識はしておりますけれども、やはり乗用車の車検、これは安全、交通事故の防止にもかかわる問題でございますので、現在のままで適当であると、このように思っておるところでございます。
○谷合正明君 そのような回答になるかと思いますけれども、私、実は車検制度そのものは全く否定するものではございませんが、あえて車検とともに、やっぱり自分自身、本人のやっぱり心掛けというか点検というのもこれから大事なのかなと。
先ほどのバスの火災事故等もございましたけど、やっぱり整備不良、単純に整備点検しないだとか、そういった問題がございます。いわゆる車検だけでなくて、日ごろからの点検整備というものを、点検整備の実施率というのをどうやって上げていくのかと。余りにもちょっと、私も含めて、実際、整備ってなかなか、車のメカニズムがよく分からなければ車検に全く依存してしまうわけでございまして、もう少し何か自助というんですかね、実際自分自身でチェックするというようなところを、点検整備の実施率というものを上げていかなきゃ今後いけないのかなと思っておりまして、その辺りは車検とともに両輪として今後検討していただきたいと思います。
その点検整備の実施率については先ほど質問がございましたので、ここは割愛させていただいて、私の方も残り時間余っていますけれども、質問を終わらせていただきます。