○谷合正明君
公明党の谷合正明です。
先週に引き続きまして質問をさせていただきます。前回は耕作放棄地解消のその対策について質問をさせていただきまして時間が参りましたので、その続きとして質問を続けさせていただきます。
まず、農地制度におけます農業委員会の役割ということについてお伺いします。
午前中の質疑の中にも農業委員会の話が出てまいりました。耕作放棄地の解消に当たりましては、実際に現場で活動する農業委員会の役割というものが非常に重要でございます。
今回の耕作放棄地対策におきましても、まずは耕作放棄地の所有者に対しまして農業委員会が必要な指導を行うことが前提となっております。また、昨年の農業委員会等に関する法律の改正によりまして、農業委員会の業務は、法令に基づく業務以外の業務について、農地及び経営に関する業務に重点化を図ることとされたところであります。農業委員会が農地の流動化等に果 たす役割というのは大変大きいものがございます。
例えばITを活用して、これからはITを活用して農地情報のデータベース化やマッピング化などの推進によりまして、担い手に効率的に農地を集積するための活動や耕作放棄地を解消するための活動を強化していくことが非常に重要でございます。しかし、現実として一方で、全国の耕作放棄地三十四万ヘクタールのうち、農業委員会による指導対象となったものはこれまで約一千ヘクタールしかないというデータもあります。かつ、活動は地域差もあるということも指摘されております。
そうした中、今回の改正案によりまして、今後農業委員会に期待されている役割というものはどのようなものか、お伺いをいたします。
○大臣政務官(加治屋義人君)
地域の農業の構造改革には、農業委員会、市町村、JA等の関係機関が一体となって積極的に取組を進めることが大変重要だと考えております。
具体的には、農業委員会は、担い手に対する農地の利用集積、農地の権利移動に関する許可など、特に農地関係については地域において重要な役割を果 たしていただいております。
今回の農業経営基盤強化促進法改正におきましては、農業委員会は、地域の話合い活動を通 じて、小規模農家や兼業農家なども参画できる集落営農の組織化、法人化を促進することや、耕作放棄地対策として新たに市町村が基本構想の中で明確にした今後農地として活用すべき遊休農地に関する指導の強化をしていくことが求められておりまして、谷合先生おっしゃるとおり、農業委員会の役割は大変大きくなっております。
農林省におきましては、農地情報の電子化事業を実施することによって構造政策を推進する農業委員会の業務効率化をサポートしてまいりたいと、そのように思っております。
○谷合正明君
まだこのデータベース化というもの、またマッピング化というものは全国的には進んでいないというか、実際にはまだそういったものはないというふうにお伺いしております。地域によってはあるんだと承知しておりますが、是非ともこういった活動を推進していただきたいと思っております。
そこで、今言われた農業委員会の役割でございますけども、農業委員会は、昨年の三位 一体改革によりまして、その交付金については人件費の一部を税源移譲することとしたところでございます。
そこで、今後、農業委員会の交付金の税源移譲により、農業委員会が行う農地の権利移動許可などの法令に基づく業務をしっかり行うことができるのか、担い手への農地の利用集積を加速化する上で支障が生ずることはないのかどうかについて重ねてお伺いをいたします。
○政府参考人(須賀田菊仁君)
昨年の三位一体改革で、農業委員会の交付金、来年度、十八年度税源移譲と、一部を税源移譲ということが決まりました。
今後のことを考えますと、まず農業委員会の事業に係る経費そのものは基準財政需要額に今算入はされているわけでございます。それから、農業委員会の業務については、農業委員会そのものが法律で必置と、それから業務も法令に基づいて書かれていると。さらに、人件費の一部移譲いたしますけども、国として必要な政策を行う上で、その機能の維持を果 たすに必要な額というのは国の交付金に保留をされていると。このようなことを考えますと、できる限りの地方の裁量 ということにも配慮しつつも、国の行います政策について現場の指導に支障は生じないというふうに考えております。
税源移譲後においても農業委員会の業務の実施状況というものを国として的確に把握をいたしまして、必要に応じて指導、助言といったようなことに努めていきたいというふうに考えている次第でございます。
○谷合正明君
ありがとうございます。
三位一体改革の影響のほかに、町村合併の影響ということも大変懸念しているわけであります。午前中の質疑の中にもありましたので若干重複しますが、質問いたします。
私の地元の岡山県でももちろんこれが大分進んでおりまして、昨年の九月三十日時点で七十八市町村あったのが今年の三月三十一日の時点で三十四市町村になっておりまして、一つの市が例えば東京都の面 積の四割近い面積というところもありまして、これは全国でもそういうことが起きているんだと思っております。
合併によりまして、農業委員会、一人当たりのその委員が持つ面積、対象面 積というものは非常に大きくなってまいります。現場からは、そのような状況の中できめ細かい対応ができるのかどうか心配だという声を、農家、集落営農、また農業委員会の双方から聞くものでございます。
農業委員会の活動や組織につきましては平成の大合併に伴う変化に合わせて対応していかなければならないと思いますが、耕作放棄地を多く抱える中山地域で町村合併の影響がどのように出るのか、農業委員会の活動に支障を来すことはないのか、期待されている役割を果 たすことができるのかどうかについていろいろ懸念があると思いますが、その点について伺いたいと思います。
○政府参考人(須賀田菊仁君)
農業委員会の役割そのものは、今後、担い手を育成確保していかないといけない、あるいは増大するであろう耕作放棄地の解消に努めていかなくてはならないというようなことで、役割はますます大きくなってくる。一方で、先生言われましたように、町村合併を始めとして農業委員会の効率化、行政としての効率化が求められていると。役割は大きくなる一方で組織としての効率化が求められておりまして、その間の事情をどのように整合性を持って役割発揮をしていくか、重要な課題というふうに認識をしております。
私ども、一つは、やっぱり仕事が効率的、効果 的になるように補完をしていく必要があるだろうということで、先ほど先生正におっしゃられましたけど、農地情報というのも電子化していく、マッピング等をして仕事の軽減を図る。もう一つは、農業委員のOBの方など農業委員会の活動に協力する農業委員協力員、こういう方に手伝っていただくと、こういうようなことを考えております。またさらに、農業委員の地区担当制、あなたはここ担当だよという責任を持って当たらせる。あるいは、法令業務を行います部会というものを総会に代わって権限を持っている部会というものを複数つくれるようにする。そういうふうな工夫を凝らしながら、ますます大きくなる役割の発揮というものに支障を生じないように努めていきたいというふうに思っております。
○谷合正明君
是非よろしくお願いいたします。
それでは、質問の方を、特定農地貸付けに関する農地法等の特例に関する法律の方に移らせていただきたいと思います。特に、市民農園について質問をいたしたいと思います。 まず初めに、都市農業の多面的機能と市民農園ということについて、島村大臣にお伺いしたいと思います。
関東農政局の都市農業検討会報告の中では、都市農業における多面 的機能について次のように評価しております。それは、環境保全機能、防火機能、ゆとりや潤いの提供機能のほか、教育機能を上げる、都市農地は都市住民や学童、児童が最も身近に農業に触れる場所である、市民農園、体験農園、福祉農園等により農業の学習の場としての利活用が可能、そのように評価しております。また、都市部では農家や農地の減少により農業用水路等を共同で維持管理する体制が弱体化してきていると。地方公共団体の支援や地域住民の参加等、施設の維持管理を支える体制の強化が必要であるとしております。遊休化した農地等を活用した市民農園の整備の必要性も指摘しております。
そこで、都市農業の多面的機能の発揮及びその中におきます市民農園の役割について確認させていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○国務大臣(島村宜伸君)
都市農業の持つ多面的機能ということにつきましては、今、谷合委員からいろいろ御紹介がありましたように、正に多面 的な機能があるわけでございまして、その御指摘のほかにも、新鮮な農産物の供給とか、あるいは農業体験の場の提供、あるいは災害に備えた避難場所など、オープンスペースを確保する意味でも多面 的な役割を果たしているわけであります。
一方、市民農園は、都市住民が都市農業を実際に体験する場として重要な存在でありまして、私どもの地元にも幾つもございますが、言わば大人だけじゃなくて子供さんがかなり大勢参加して、農業の持つ楽しさ、あるいは作物ができるとそれをみんなで試食して、自分たちの作ったものを食べるという実験的な、体験的なといいましょうか、教育の場としても実効を上げているところであります。
このため、新しい基本計画におきましても、市民農園の推進をしっかりと位 置付けたところでありまして、今後大いに推進していきたいと、こう考えております。
○谷合正明君
どうもありがとうございます。
子供の参加という話を今していただきましたが、この市民農園、地域によっては希望者が多くてなかなか入れないという話も聞いております。特定農地貸付法では、特定農地貸付けを受ける者の募集及び選考の方法が公平かつ適正なものであることとの要件が必要とされております。しかしながら、首都圏を有する関東地域での市民農園の総区画数に対する応募者数というのは今一・六倍となっているようでございます。都市部を中心に市民農園数が不足している状況にあります。申込み順あるいは抽せんによって利用者を決定しているところでありますので、結果 として利用できない方がこれから出てくるんじゃないかと、多く出てくるものと考えられるわけでありますが、今後の都市部における市民農園の整備数、整備目標をどのように考えているのか、まず伺いたいと思います。
○政府参考人(川村秀三郎君)
都市部におきます市民農園の役割というのは非常に大きいわけでございまして、今、大臣の方からも申し上げたとおりでございます。
私どもも、都市部におきます市民農園の増加ということは非常に大きな課題だと思っておりまして、具体的な目標は、この今回の基本計画の工程表の中にも定めておりますけれども、現在、この平成十五年末で約十一万八千区画がありますけれども、これを二十一年度に十五万区画に持っていきたいと、こういうことで努力をしていきたいと思っておるところでございます。
○谷合正明君
それは全国の数字でありますよね。都市部、済みません。
○政府参考人(川村秀三郎君)
全国では現時点で十五万区画既にございます。ただ、そのうち都市的な地域、都市の周辺等にありますのが十一万八千、約十二万でございます。その十二万を約十五万まで伸ばしていきたいというのが目標でございます。
○谷合正明君
分かりました。
それで、市民農園なんですけれども、三大都市圏におきましては、自治体が農地を所有者から借りて開設している従来型の市民農園というものがあるわけでありますが、一部によりますと、行き詰まっている場合があると聞きます。例えば、どういうことかというと、農地の所有者に相続が発生した場合に相続税の納税猶予制度が受けられないという問題があると。それに加えて、入園者の技術不足などによる市民農園の中でも耕作放棄などがあると。結果 として、管理する農家が面倒を見なきゃいけないという場合を聞きます。また、従来の市民農園では配置される専従職員が必要であることから、行政経費も掛かっております。
今、東京にはその従来型の市民農園が三万一千九百九十三区画ありまして、一方、農家自らが開設して一般 市民に利用してもらう形での農園、農業体験農園が千六百五十二区画ございます。そこでは農園主のきめ細かい指導の下、農業体験を行うということで、結構評判がいいというふうに聞いております。
そこで、今回の法改正によりましては、地方公共団体や農協以外の者でも市民農園を開設するようにするわけでありますけれども、これにより、農地所有者やNPOなどの多様な主体により特色のある市民農園の開設が促進されると、そのことが期待されております。その促進のための支援というものはいかなるものがあるのか、説明をお願いします。
○政府参考人(川村秀三郎君)
今御質問の中で御指摘がございましたとおり、市民農園もすべてが順調にいっているわけではございませんで、やはり指導員の不足とか、そういうものもあるわけでございます。そしてまた、設備的なものもございますので、今回、開設主体が大きく広がるわけでございますので、特色あるそれこそ市民農園が数多く展開されることを期待しております。
これらに対しまして、この十七年度からスタートいたします元気な地域づくり交付金というのがございまして、その中でハード的な整備でありますとか、例えば農機具の収納施設、休憩施設、こういったものの整備をする、あるいは先ほど言いましたように、指導をする方が不足しているということもございますので、インストラクターの育成をするといったものに対して支援をしていきたいというふうに思っているところでございます。
○谷合正明君
ありがとうございます。
そこで、都市部での市民農園の推進に当たりましては、都市計画において都市農地の保全策というものを積極的に位 置付けられることが求められているわけであります。社会資本整備審議会の「都市再生ビジョン」では、農地については「環境調整機能を積極的に評価し、持続可能な都市活動に不可欠な地域、豊かな都市生活を支援する地域としてとらえ、農地を都市の重要な政策的資源として位 置づけていくことが重要」だと、そのように指摘しております。
今後、市民農園の整備におきましては都市政策との連携というものが非常に重要と考えますが、その辺りの見解を伺いたいと思います。
○政府参考人(川村秀三郎君)
市民農園は、先ほども申し上げましたとおり、都市的な地域に約八割が存在をしております。そういうことからしましても、都市的な土地利用とこの市民農園の都市利用というものがうまく調和をするということは不可欠でございます。
市民農園を都市計画法上も位置付けるものとして市民農園整備促進法がございます。この中で、整備運営計画を市町村が認定するといったようなことになっておりますが、その際には、正にその周辺の道路でありますとか下水道等の公共施設との間での調整、支障が生じないといったようなことでの都市計画との調和を図っておりますし、また、農業委員会もこの特定農地貸付けの承認ということでの関与をしておりますけれども、その際にも都市計画部局と連絡調整を図っていくということで、従来からこの都市政策との調和、これには心掛けをしているところでございます。
今後とも、そういった観点で十分努力をしてまいりたいと思っておるところであります。
○谷合正明君
是非とも、その横断的な、省庁横断的な取組というものを積極的に推進していただきたいと思っております。
続きまして、都市農業について、農業サイドと教育サイドの連携強化ということについてお伺いしたいわけでありますけれども、食料自給率の向上を図るために、国内農産業の生産拡大とともに国産農産物に対する消費者の理解が進むことというものが非常に重要であります。都市農業が消費者に近接しているということを活用して、都市農業がその拠点となって国民全体に意識改革を及ぼすようなことができれば、それはもうすばらしいなと私は思っております。最近のニュースの中で、価格が高くても国産農産物を、農産品を買いたいという人が大分増えてきたというようなニュースも聞きました。
そこで、農業サイドと教育サイドの連携強化というのも非常に重要かと私は思っております。農業サイドと教育サイドの連携強化によりまして、学校給食への地元農産物の供給体制の確立というものはできているのか、実態はどうなのか。このため、農家、学校、行政の三者の連携強化を行う必要があると考えますが、農水省としてどのような支援をしているのか、副大臣にお伺いいたします。
○副大臣(常田享詳君)
御指摘の点、大変重要な視点だと考えております。このたびの食料・農業・農村基本計画でも、食料自給率の向上に向けていわゆる地産地消の取組を支援していくということとしております。
あわせて、農林水産省では、その基本計画を踏まえて、地域において地産地消の実践的な計画を策定して、それに基づき農業者団体や食品産業等の関係者が、特に地元消費者のニーズを把握するための交流や、今御指摘の学校給食における地場産農産物の普及などに取り組むことに支援をしていくということといたしております。
実は、先般、自給率のお話をしておりましたときに、生産力の問題と消費力の問題があるということの中で、例えば東京、大阪、神奈川は自給率二%、三%なんですね。ですから、ここの東京とか大阪とか神奈川の方たちがもう少し国産の食材を日々生活の中で取り入れていただければ自給率はそれだけでも随分変わってくると、北海道とか秋田とかみんな自給率が一〇〇%超しているわけですから。一番問題な、消費力の問題ではそういったところになると思います。
そういったことの中で、日本人独特の辛みとか甘みとかいろいろな味覚が、最近学童の味覚が落ちているという話がある中で、日本人独特の味覚にうまみという、これは非常に日本人独特の味覚だということをおっしゃる先生がおられます。ところが、このうまみというのは、小学校の間に身に付けないと生涯身に付かない唯一の味覚だと言われているんですね。
そういうことからいきますと、やはり小学校の給食に、やはりいい食材を子供たちに提供するということが大切ではないか、特にお米ですけれども。そういうことの中から、全国の小学校の学校給食で米飯給食増えていますけれども、その量 を増やす、回数を増やすことばっかりで、本当にいい米を子供たちに食べさしているのかと。やっぱり、子供が小学校のうまみを身に付けるその段階で本当においしい米をしっかり食べさせる、特に大阪、東京、神奈川といった大消費地の子供たちにしっかりうまみを身に付けていただくということは大切だと思っております。
そういうような点で、各般にわたって先生御指摘の教育と農業との連携強化を図ってまいりたいと思っております。
○谷合正明君
丁寧に説明していただきましてありがとうございます。
続きまして、都市の特性を踏まえた担い手育成のための方策について質問をさせていただきます。
農業、農村ということでは農業後継者不足、高齢化等というものが進行しております。非常に大きな問題なんではありますが、都市農業においても事態は後継者不足、高齢化等深刻化しているという現場の声を直接聞きました。しかし、都市農業が消費者に近接していること、異業種や多様な人材との交流が考えられること等を踏まえますと、都市ならではの担い手育成政策というものも考えられると思います。
農林水産省のある報告の中でも農家女性は生産と家庭の両面 で重要な役割を果たしているとされていることからも、女性農業者に対して農業経営の方針決定の権限や経営移譲を与えること、女性農業者を中心とした特産品の開発、販売等の新たな起業等により、都市農業の担い手として女性を積極的に位 置付けるための支援措置を講じることが必要であると考えますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(須賀田菊仁君)
本日十一時にプレスリリースしたわけでございますけれども、女性の起業、全国で対前年度約六%増というふうに、このところ女性農業者の起業というものが増加をしております。
特に都市農業、都市地域、先生正におっしゃられましたように、消費者に近接をしている、それから大きな消費市場が近くにあるというようなことで、最近とみに、生鮮野菜の直売でございますとか、あるいは手作りハム、あるいは焼きたてパン、こういったものの加工販売、それから料理教室、こういった起業が盛んに行われておりまして、都市農業の活性化に大きく貢献しているというふうに思っております。
実は、私どもの基本計画を論議をいたしましたあの企画部会の中にも、福岡の方でこういう起業、「ぶどう畑」という有限会社をおつくりになって生鮮物を直売をされております新開さんに入っていただいて、論議に参加をしていただいておるわけでございます。私ども、女性のこういう感性を生かした起業、ますます発展の余地ありというふうに思っております。
ただ、先生も言われましたように、こういう女性の労働の成果 というものが正しく評価をされて、そして報われる、さらには、いろいろな地域の中にその声が反映させると、こういったことが非常に重要だろうというふうに思っております。
そういうことで、まずその起業活動というものを促進するための研修等を実施する、そして融資でございますとか、機械、施設の整備の事業で女性起業を優先的に採択されるような、そういう運用をしたいというふうに思っております。さらに、農協の役員とか農業委員に女性の参画目標といったものを設定して、できるだけ多く女性を登用していただく。で、個々の経営にありましては、家族経営協定といったようなものを結んでいただきまして、ちゃんとした評価、その労働の成果 が報われるような政策を推進をしていきたいというふうに思っております。
○谷合正明君
是非お願いしたいと思います。
女性だけでなく、定年帰農者であるとか若者、そういったこれから新しく農業を始めていきたいと、例えばボランティアでもいい、そういうすそ野が大分広がっておりますので、農業への新規参入の育成確保対策についてしっかりとしてほしいと要望させていただきます。
〔委員長退席、理事岩永浩美君着席〕
次に、地域コミュニティーについて、その考え方なんですけれども、それについて質問させていただきます。
関東農政局が実施した都市農業に関するアンケート調査によりますと、趣味として農作物を作ってみたいと思うかという問いに対しまして、現在作っている及び今後作ってみたいと回答した人は七六%となっておりました。一般 住民の農業に対する興味の高さというものが非常にうかがえるわけであります。都市農業の問題が単に農業の生産性を高めるとか販売額を増やすという個別 経営の問題にとどまるものでなく、地域全体をどうコミュニティーとして成り立たせていくかという公的、共同的な問題と密接にかかわってきていると思います。
その意味で、最後に、市民の農民化、農民の市民化という生き方の変化を通 じて住民と農業者のつくり出す共生の場としての都市農業を育てることがこれからの方向であると思いますが、その辺りの所感を伺いたいと思います。
○政府参考人(川村秀三郎君)
先ほど来御議論がございますとおり、都市農業というのは、農業体験の場あるいは災害時の避難場所の提供など、いろんな多面 的機能の発揮を通じましてその地域全体に大きく貢献をしているわけでございます。そして、昨今では非常に、そういった地域づくりといいますか、に向けまして、農業者の方と都市住民が共同して取組を進めているという事例も数多く見られております。
私ども、こういう動きをとらえまして、これは非常に望ましいことだと思いますので、先ほども申し上げました大ぐくり化した元気な地域づくり交付金、この中のやはり一つのメニューといたしまして、都市住民あるいはNPOの代表あるいは農業者の代表、こういった方々が都市農業なり地域の振興のためのビジョンを作る、あるいは交流活動、援農ボランティアといったような、その支援体制なり交流活動の取組を企画するといったことにつきまして支援をしてまいりたいと思っております。
そういう意味で、正に委員が御指摘のあったような今後のトレンドの中で、やはり都市住民と農業者がつくり出す共生の場というのはこの都市農業の場で非常に発揮できるんではないかということで、私どもも鋭意取り組んでまいりたいと思っております。
○谷合正明君
最後にコメントだけさせていただきます。
農業ということで、昔は若い人から敬遠される職業の一つでございました。先週の質問の中でも、農高生ですとか農学部の卒業生がどうして農業に進まないのかというような話も質問させていただきました。しかし、近年、中学生男子のなりたい職業の第十九位 に農業がランクインされてきていると。十九位がいいか悪いかという判断はあれなんですけれども、若干増えてきているという話を聞いております。一位 はサラリーマンだったんですけれども。例えば野球選手とか、中学校の男子であればですね、ということを目標にしております。そういう意味で、にわかに農業というものは非常にこれから目標となり得る仕事なのかなということを非常に思うわけであります。
かつて農業といえば三Kと。これ、三Kをきつい、汚い、危険というふうにイメージでとらえるのか、あるいは今若い人が、実際の青年農業者が言っていたんですけれども、農業は三Kだと、その三Kというのは価値、感動、可能性だというふうに言っておりました。私は、その農業の三K、新しい三K、価値、感動、可能性というものをしっかりと促進していっていただきたいと、そのことを要望したいと。是非、島村大臣には、子供たち、子供がなりたい職業、農業がトップテンにランクインすることを任期中に是非ともやっていただきたいなということを要望させていただきまして、私からの質問とさせていただきます。
ありがとうございます。