2023年09月21日 1面
■公明、積極的に取り組み推進
岸田文雄首相は19日(日本時間20日未明)、米ニューヨークの国連本部で開かれた持続可能な開発目標(SDGs)に関する首脳級会合「SDGサミット」に出席した。演説を行った首相は、2030年までの目標達成に向けて日本が国際社会を主導していく考えを強調。各国の連帯を訴え、日本として今年末に「(SDGs)推進戦略を新しい時代に合わせたものに改訂する」と表明した。公明党はネットワークの力を生かし、各地でSDGsの取り組みを強力に推進している。
SDGsは貧困や飢餓の撲滅といった具体的な目標を定めたもので、15年に国連で採択され、今年は30年までの折り返しの年。SDGサミットは、目標達成に向けた機運を高めるのが目的で、4年ぶり2回目の開催となった。
演説で岸田首相は、ロシアのウクライナ侵略や地球温暖化をはじめとする気候変動などを踏まえ、「SDGs達成に向けた取り組みは大きな困難に直面している」と指摘。「各国の体制や価値観の違いを超えて連帯しなければならない」と訴え、国際社会の結束を呼び掛けた。
■「人への投資」の流れ加速
その上で日本が低所得国などへの「人への投資」に力を入れてきたことに言及し、「こうした努力を国際社会全体で加速していく必要がある」と力説。「誰一人取り残さない」とのSDGsの原点に立ち返り、年末に推進戦略を改訂して取り組みを強化する考えを示した。
SDGsを巡って公明党は、推進本部(本部長=谷合正明参院幹事長)を設置し、政府の取り組みだけでなく、地方議員とも連携して各自治体でのさまざまな施策を積極的に推進。年末のSDGs推進のための戦略改訂に向けた議論についてもリードしていく方針だ。
■国際協調、日本が主導せよ/党SDGs推進本部長 谷合正明参院幹事長
国連の持続可能な開発目標(SDGs)は国際協調を進めていく重要な羅針盤だ。岸田文雄首相は年末に日本として推進戦略を改訂すると表明した。党としても民間団体やNGOの声を聴きながら、政府に具体的に提言を行っていきたい。
いずれにしても目標達成へ各国が結束して取り組みを加速させていかなければならない。そのためにも日本が国際社会をリードしていくべきだ。
一方、途上国の取り組み強化では、日本は6月に政府開発援助(ODA)の指針を定めた「開発協力大綱」を8年ぶりに見直した。公明党がSDGsを意識した改定となるよう提言した内容を踏まえたものだ。政府は大綱内容を着実に実行し、途上国の取り組みも後押ししてもらいたい。