2023年06月08日 2面
参院は7日の本会議で、外国人の収容・送還ルールを見直す入管難民法改正案の採決を引き延ばすために立憲民主党が提出した斎藤健法相の問責決議案を自民、公明の与党両党と日本維新の会、国民民主党など野党の反対多数で否決した。
公明党の谷合正明参院幹事長は反対討論で、同決議案について、2日に否決された参院法務委員長の解任決議案に続き、提出会派が立憲のみだと指弾。「審議日程を遅らせるだけの党利党略による問責は決して認められない」と根拠薄弱な決議案を厳しく批判した。
その上で、法改正の意義に関して「共生社会の実現には外国人の人権に配慮し、ルールにのっとって受け入れ、違反する者には厳正な対応が重要だ」と強調。不法滞在で国外退去に応じない「送還忌避」や長期収容の課題を解決するとともに、「人道上の危機に直面し、真に庇護すべき人を確実に保護する制度の整備も重要だ」と訴えた。
具体的には、難民申請中は送還が停止される規定について、申請を繰り返すことで退去を逃れようとするケースがあると指摘。改正案では、難民申請による送還停止を原則2回に制限する一方、3回目以降でも本国の情勢変化など相当な理由がある場合は送還が停止されることから「万が一にも保護すべき事情のある者を送還しない仕組みと言える」と主張した。